更新 2026.08.17
経営者候補の選考にAI面接、面談コスト年52万円を削減した投資会社の工夫
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 面接の日程調整に追われている
- 人の見極めが面接官ごとにばらつく
- 選んだ理由を説明する材料がない
どのようなAIの取り組み?
対話型AI面接サービスを一次と二次の間に挟み、経営者候補の見極めと面接工数の削減に取り組んだAI取り組み
業種
投資・ベンチャーキャピタル(金融・保険)
取り組み領域
採用・選考/経営者候補の見極め
使ったAI
対話型AI面接サービス「SHaiN」
主な成果
面談コストを年間52万円、時間にして25時間削減
株式会社YMFGキャピタルは、投資家の資金で企業の株式と経営を承継するサーチファンドの事業で、経営を担う候補者(サーチャー)の選考に対話型AI面接サービスSHaiNを取り入れています。2022年に立ち上げた2号ファンドで対象エリアを全国に広げ、自社での募集を始めたことを機に、対人面接だけに頼らない評価の軸を求めての採用でした。導入にあたっては、提供元のタレントアンドアセスメントとともに求める人物像を整理し、そのうえでAI面接を一次と二次の間の「1.5次」に置いています。ここでは合否を決めず情報収集に徹する運用とし、回答はテキストで残り、項目ごとにスコアが出るため、対人面接ではその結果を手がかりに深掘りする流れができています。
出典:SHaiN | 場所と時間はあなたが決める!AI面接サービス 発行元:株式会社タレントアンドアセスメント
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
サーチファンドで承継先の経営を担う人材には、通常の社員採用とは異なる見極めの視点が求められます。相性や胆力、意思決定力といった、言葉にしにくい資質が評価の中心に来るうえ、人と向き合う面接では候補者が身構え、本質が見えにくくなる場面もありました。さらに、50名を超える候補者に一次から三次までの対人面接を行い、延べ9名の面接官が関わる体制で、日程調整だけでも相当な負担が生じていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの芯にあったのは面接の回数や人数ではなく、複数人が同じ土俵で議論できる共通の物差しがなかったことです。物差しがないまま関与者を増やせば、印象の突き合わせに時間が溶けていきます。工数の重さは、評価軸の曖昧さが表側に現れた症状だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
AI面接を一次と二次の間、いわば1.5次という位置に差し込み、そこで合否を決めない運用にしたことが、この設計の要になっています。判断そのものをAIに預けず、後段の対人面接で使う材料を集める役割に絞ったため、経営者候補という定型化しにくい見極めでもAIの守備範囲がはっきりしました。回答がテキストで残り、項目ごとにスコアが出ることで、面接官は評価の低い項目を重点的に確認し、高い項目は深追いしないという配分ができます。人が向き合う時間を、ミスマッチの確認や懸念点のすり合わせといった、人にしか担えない部分へ寄せる流れが生まれています。
ツールを入れる前に、どのような経営者を求めているのかを整理する工程を先に置いた点も見逃せません。提供元のタレントアンドアセスメントとともに時間をかけて人物像を見直したことで、AI面接は外から評価軸を持ち込む道具ではなく、自分たちが定めた軸を測る手段として位置づけられました。社内で自然に受け入れられた背景には、この順序があると考えられます。定量化されているからこそ建設的な議論ができるという実感も、軸を先に決めたからこそ得られたものでしょう。
運用開始後に覚えた違和感を放置せず、振り返りを通じて原因を探り、着眼すべき資質そのものを見直した進め方も、この取り組みの性格をよく表しています。評価の記録が残る仕組みであれば、感覚の言い合いにならずに軸を書き換えられる。事前準備で完成品を作るのではなく、運用しながら軸を育てる構えが取れることは、見極めの難しい領域ほど効いてくるはずです。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
対人面接に関わる面接官は延べ9名から4名まで縮小し、拘束時間も大幅に削減されました。面談コストは年間52万円、時間にして25時間の削減が実現しています。工数が下がる一方で、収集できる情報と判断材料はむしろ増えており、面接評価レポートは投資委員会の資料としても使われ、なぜその人を選んだのかを説明するエビデンスになっています。
うちでも使える?
応用が利きそうなのは、評価が人の印象に左右されやすく、複数人で合意を取る必要がある選考や審査の場面です。回答が記録として残り、項目ごとに数値が並ぶだけでも、議論の出発点はそろいます。一方、そもそも何を見たいのかが言語化できていない状態でAI面接を入れても、出てきたスコアの意味を解釈できません。この事例が先に求める人物像を整理したのは、その順序を外すと数値が宙に浮くからだと考えられます。
また、候補者が少数で、面接官も一人か二人で完結している組織では、工数面の効き目は限られます。効果が出るのは、候補者数と面接官数の掛け算で日程調整が膨らんでいる場合です。まずは直近の選考で、面接官どうしの評価が割れた項目を一つ挙げ、その項目を何をもって判断していたのかを言葉にしてみるところから。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社タレントアンドアセスメント
対話型AI面接サービス「SHaiN」を提供し、AI面接に関するコンサルティングも行っている企業。
株式会社YMFGキャピタル
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