実施 2025.01 ・ 更新 2026.08.13
営業職員3.6万人にAI秘書、明治安田生命が進める2030年までの全社DX
プロジェクト期間:3年以上
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 現場社員が顧客に向き合う時間が足りない
- 顧客情報が活かしきれていない
- AI活用を担う社内人材がいない
どのようなAIの取り組み?
生成AIを含む先端技術で営業職員に寄り添うデジタル秘書を展開し、全社横断のDXと人材育成を同時に進めるAI取り組み
業種
生命保険(金融・保険)
取り組み領域
営業活動支援/全社横断DX
使ったAI
生成AI等を活用したデジタル秘書「MYパレット」
主な成果
全国約36,000人の営業職員へデジタル秘書を展開(生産性・満足度向上は目標段階)
明治安田生命保険相互会社とアクセンチュアは、2030年3月までのパートナーシップ契約を結び、生成AIをはじめとする先端技術を使った全社横断のDXプログラムを開始しました。狙いは、データを軸にした経営基盤を整えたうえで、職員一人ひとりに寄り添う「デジタル秘書」を広げ、人にしかできない価値を引き出す業務変革を進めることにあります。その第一弾として、2024年10月に全国約36,000人の営業職員へデジタル秘書「MYパレット」が導入されました。顧客の属性や趣味嗜好、地域のイベント情報といった多様なデータをAIが分析し、営業職員に最適なコミュニケーションの助言を返す仕組みです。あわせて、この変革を将来にわたって社内で主導する人財300名の育成も計画に組み込まれています。
出典:アクセンチュア、生成AIなどの先端技術を活用し、 明治安田の全社横断的なDXに伴走 発行元:アクセンチュア株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
明治安田は10年計画「MY Mutual Way 2030」のもとで「人とデジタルの効果的な融合」を重点方針に据えており、今回のプログラムは少子高齢化と人口減少が進む日本で労働生産性をどう高めるか、という社会的な課題認識とも重ねて説明されています。
ただ、編集部の見立てでは、この取り組みが向き合っている困りごとの本質は、人員規模や作業量そのものではなく、営業職員一人ひとりが持つ顧客との関係性を、組織として支える情報の裏付けが十分でなかった点にあるのではないでしょうか。誰にいつ何を伝えるかという判断は、これまで個々の職員の記憶や経験に依存しやすい領域です。そこにデータに基づく助言を差し込もうとしていること、そして同時に社内で変革を主導する人財の育成を契約に含めていることから、単発のツール導入ではなく、判断を支える基盤ごと作り替える構えが読み取れます。
どうやって、うまくいったのか
第一弾の対象を、営業職員の日々の顧客コミュニケーションという最も接点の多い業務に絞り込んだ選び方が、この設計の要になっていると考えられます。全社横断のDXは対象範囲が広いほど焦点がぼやけますが、約36,000人が毎日繰り返す「誰に、どんな話題で、どう接するか」という判断に的を当てれば、AIが返す助言の価値が現場にすぐ伝わります。顧客の属性や趣味嗜好に加え、地域のイベント情報という外部データまで分析対象に含めている点も、提案の具体性を左右する部分でしょう。
訪問時の情報を簡単に入力できるようにし、職員の業務負荷を抑える形にしたことも見逃せません。営業支援の仕組みは、入力の手間が増えた瞬間に使われなくなりがちです。助言を出す機能と、その助言の材料となる記録を集める機能を同じ「デジタル秘書」の中に収め、入力側の負担を軽くしておく組み立ては、データが循環し続ける前提を作る工夫だと読めます。
体制面では、アクセンチュアがデータ・AIの専門家だけでなく、業界や業務・戦略に通じたコンサルタント、ITエンジニア、オペレーションや顧客体験設計の専門家までをサービス部門横断で束ね、2030年3月までという長期の契約で伴走する形をとっています。さらに、検討・開発のプロセスそのものを通じて300名の人財を育てる「モノづくりとヒトづくりの併進」という進め方は、外部の力で作った仕組みを社内が引き継げるかという、長期プログラムで最も難しい部分に先回りした設計といえます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
現時点で確認できる具体的な進捗は、2024年10月に全国約36,000人の営業職員へデジタル秘書「MYパレット」が導入された点です。生産性・効率性・創造力の大幅な向上や顧客満足度の向上は、プログラムが目指す目標として掲げられている段階であり、数値としての実績はまだ公表されていません。今後は「MYパレット」の機能を広げつつ、営業職員にとどまらず全職員へデジタル秘書を広げることが目標に据えられています。
うちでも使える?
規模はまったく異なりますが、考え方の応用範囲は広いと考えられます。顧客ごとの接し方が担当者の記憶や勘に頼りがちで、社内に散らばる顧客情報や外部の地域情報を活かしきれていない組織であれば、「次に何を話すか」の助言をAIに任せる発想は検討に値します。特に、記録の入力を軽くしてデータが自然にたまる形にしておく設計は、少人数の営業チームでも取り入れやすい部分でしょう。
一方で、この事例は2030年までという長い時間軸と、部門横断の専門家チームを前提にしたプログラムです。データ基盤の整備と人材育成を並行させる進め方をそのまま真似るのは、多くの企業にとって現実的ではありません。また、顧客の趣味嗜好といった情報を扱う以上、取得と利用の同意や社内ルールの整理を避けて通れない点にも注意が必要です。まず試すなら、担当者が訪問前に調べている情報の種類を一つ挙げ、それが自社のどのシステムに、どんな形で残っているかを確かめるところから。助言を出す前に、材料が揃っているかどうかが分かれ目になります。
この事例は2025年1月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
アクセンチュア株式会社
世界有数のプロフェッショナル サービス企業。120カ国以上の顧客にサービスを提供し、ストラテジー&コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズ、インダストリーX、ソングの領域をまたぐサービス・ソリューションを提供する。クラウド、データ、AIおよび業界ごとの知見と、グローバル規模のデリバリー能力を組み合わせて顧客の変革を支援している。
明治安田生命保険相互会社
出典・参考情報
アクセンチュア、生成AIなどの先端技術を活用し、 明治安田の全社横断的なDXに伴走
発行元:アクセンチュア株式会社
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