実施 2023.09 ・ 更新 2026.08.15
三菱UFJ、グループ15社756名のデータ分析コンペで人材の裾野拡大
プロジェクト期間:半年〜 1年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内のデータ人材が見つからない
- 研修をやっても現場に根づかない
- 初心者が学習の途中で脱落する
どのようなAIの取り組み?
グループ15社756名が参加するデータ分析コンペを外部パートナーと3年継続で運営し、専門部署の外にいる人材の発掘につなげたAI取り組み
業種
総合金融グループ(金融・保険)
取り組み領域
データサイエンス人材の発掘・育成
使ったAI
機械学習モデル構築(データ分析コンペ)とEラーニング
主な成果
グループ15社756名が参加し、未経験層から上位入賞者
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、データを活用できる人材の発掘と育成を目的に、2021年度からグループ内でデータサイエンスコンペを開いてきました。第3回にあたる2023年度は、グループ企業15社から756名が参加しています。運営パートナーは3年連続でAVILENが務め、企画立案からテーマ・難易度の設計、参加者向けEラーニングの提供、Slackでの問い合わせ対応までを担いました。課題は初学者向けの「Basic」と、継続参加者にも歯ごたえのある「Advanced」の二層構成。2023年3月に前年度の振り返りから企画を始め、5月にグループ各社へ告知、6月に募集、8月に事前のEラーニング、9月に本番という順序で進んでいます。募集の方法は各社に委ねられ、三菱UFJ銀行は参加資格を設けない全社募集を採りました。
出典:【AI人材育成事例_三菱UFJフィナンシャル・グループ×AVILEN】グループ15社横断、756名でデータサイエンスコンペを実施し、人材発掘・育成の裾野を拡張 |支援事例|AVILEN 発行元:株式会社AVILEN
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
データをビジネスに使う場面が増える一方で、その担い手は本部やDX・データサイエンス関連部署に集まりがちでした。コンペの狙いも、そうした部署に限らず裾野を広げて強みを持つ人材を見つけることに置かれています。加えて過去2回では、初学者の参加者が多いために、課題の提出率をどう上げるかが運営側に残された宿題となっていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は人数の不足ではなく、社内に散らばっている適性が表に出る場がなかったことにあります。所属部署という枠で人材を探すかぎり、関連業務の経験がない部署にいる人は最初から候補に入りません。提出率の低さも、意欲の問題というより、学ぶ順序と難易度が参加者の実力に噛み合っていなかった結果ではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
課題をBasicとAdvancedの二層に分けた設計が、この取り組みの土台になっています。初めてデータ分析に触れる人が手を動かせる入口と、前年度から参加している人が本気で順位を争える出口を、同じ企画の中に併存させる狙いです。Basicは取り組みやすいタスクに抑えながら、時間をかけて試行錯誤した分だけモデルの精度が伸びる形にテーマが組まれました。難易度をただ下げるのではなく、努力が数字で返ってくる構造にした点が効いたと考えられます。
学習を先に置き、競技を後に回した順序の組み立ても見逃せません。初学者が多いという前回までの反省を踏まえ、コンペ開催前のEラーニング期間そのものを長く取っています。企画の着手は開催の半年前で、前年度の振り返り、開催方針の策定、各社への告知、募集、事前学習と段階を踏む進め方でした。走り出す前に助走距離を確保したやり方が、初学者を提出まで運ぶ働きをしたのではないでしょうか。
募集の方法をグループ各社の裁量に委ねた点も特徴的です。参加資格を設けず全員に門戸を開いた会社もあれば、ITスキルを持つ社員へ人事部経由で個別に声をかけた例、社内研修のステップアップとして位置づけ研修との接続を意識して告知した例もありました。運営面では、参加者からの問い合わせにSlack上で素早く応じ、参加者同士のやり取りで着地点が見えにくくなった場面にも運営側が入る体制が敷かれています。制度を一律に配るのではなく、各社の事情に合わせて入口を変えた設計が、専門部署の外にいる人を拾い上げる経路になったと見ています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
2023年度のコンペにはグループ15社から756名が参加しました。上位者の顔ぶれには変化が現れ、前年度はDXやデータサイエンス関連部署の経験者が多くを占めたのに対し、今回は業務経験も大学での学習経験もない参加者のランキング入りが目立っています。幅広い部署の参加者から、今後の業務に活用できる知識が身に付いたという声も寄せられました。アンケートでは満足度が高い傾向を示し、Advancedの第一位が三菱UFJ信託銀行の社員だったことで、マネジメント層の注目度も上がっています。事務局は、コンペを継続してきたことが社員の自己研鑽を続けるきっかけになっていると受け止めています。
うちでも使える?
参考にしやすいのは、正解を数値で判定できる課題を用意でき、順位という形で結果を返せる領域です。予測や分類のように精度を測れるテーマであれば、規模の小さい組織でも社内公募の形は成り立ちます。逆に、判断の良し悪しが数字に落ちない業務や、部署をまたいで共有できるデータが整っていない状況では、競技という形式そのものが機能しません。運営側にも、難易度を調整し、参加者の疑問にその場で答えられる知見が要ります。この事例が企画着手から開催まで半年を見ていることを踏まえると、思い立ってすぐ開ける施策ではない点は押さえておきたいところです。
小さく始めるなら、社内の誰かが手元で扱っている数値データを一つ選び、「これが当てられたら助かる」という問いを一行で書いてみるところから。その一行が書けるかどうかが、コンペの題材になるテーマかどうかの分かれ目になります。
この事例は2023年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社AVILEN
AI人材育成、生成AI導入支援、コンサルティング、開発、AI技術実装、デジタル組織開発などのサービスを提供する企業。データサイエンスに精通したスタッフによるデータ分析コンペティション研修やEラーニングを提供する。JPX東証上場、ISO 27001(IS 723955)およびプライバシーマークを取得。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
出典・参考情報
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