実施 2025.03 ・ 更新 2026.08.15
明治安田生命がAIモデルを内製化、顧客データから「健活年齢」を算出する新サービス
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 外部の評価サービス頼みで精度に不満
- 予測の仕組みを自社で調整できない
- 溜まった顧客データを活かしきれていない
どのようなAIの取り組み?
自社の顧客データからAIモデルで疾病・死亡リスクを予測し、「健活年齢」として顧客に示す新サービスを立ち上げたAI取り組み
業種
生命保険(金融・保険)
取り組み領域
顧客向けサービス開発/リスク予測
使ったAI
DataRobot(機械学習による予測モデル構築基盤)
主な成果
AIモデルの内製化により新サービス「健活年齢」を提供
生命保険を手がける明治安田生命保険相互会社は、自社に蓄積された顧客データをもとに疾病や死亡のリスクを予測するAIモデルを構築し、その結果を「健活年齢」という形で顧客に示す新しいサービスを立ち上げました。それまでリスクの評価は外部のサービスに頼っていましたが、精度と柔軟性の面で限界を抱えていました。モデルづくりの基盤には、精度の高いモデルを比較的容易に構築でき、運用管理の機能も備えたDataRobotを採用しています。導入と構築のパートナーには日鉄ソリューションズが立ち、プロジェクト管理と問い合わせ対応の面で信頼性を確保する役割を担いました。AIモデルを自社で構築できる体制が整い、サービスの拡充や新規立ち上げに動きやすくなっています。
出典:顧客の健康増進に新サービスを展開 独自AIモデルで「健活年齢」を算出|明治安田生命保険相互会社 | お客様事例 |Move! | 日鉄ソリューションズ(NSSOL)のITソリューション・サービス紹介サイト 発行元:日鉄ソリューションズ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
疾病や死亡のリスクをどう見積もるかは、生命保険という事業の中核にある判断です。明治安田生命保険相互会社はこの評価を外部のサービスに委ねてきましたが、精度の面でも柔軟性の面でも限界に突き当たっていました。
編集部の見立てでは、ここでの本当の困りごとは予測精度の数値そのものではなく、評価の仕組みが自社の手の内になかったことにあります。外部の枠組みを使う限り、どのデータを入力に使い、どんな観点でリスクを捉えるかは、あらかじめ決められた範囲を出られません。長年の契約を通じて蓄積された顧客データが手元にあるのに、それを自社の見立てとして組み替えられない。柔軟性の限界という言葉には、精度の不足以上に、自分たちの判断軸を持てないもどかしさが含まれていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
リスク予測の結果を「健活年齢」という年齢の形に置き換えた設計が、この取り組みの起点にあります。疾病や死亡の確率をそのまま示されても、受け取った側は自分の生活と結びつけにくいものです。年齢という誰もが日常的に使っている物差しに翻訳することで、予測は社内の内部指標にとどまらず、顧客が健康づくりに向かうきっかけとして働く余地が生まれます。予測モデルの出口を顧客との接点に置いた判断と言えます。
ツール選定の基準を、モデルの作りやすさと運用管理機能の充実の両方に置いた点も効いています。AIモデルは一度作れば終わりではなく、データが増え、前提が変わるたびに作り直しと監視が要ります。採用理由に運用管理の充実が並んでいることは、新サービスを一度立ち上げるためではなく、モデルを継続的に回し続ける前提で基盤を選んでいることを示しています。
自社でモデルを構築する体制を目指しながら、プロジェクト管理と問い合わせ対応を日鉄ソリューションズが引き受ける分担も、現実的な組み立てです。内製化は、すべてを自前でこなすことと同義ではありません。モデルの中身という譲れない部分に自社の力を集中させ、進行管理や技術的な問い合わせの受け皿は経験のあるパートナーに預ける。この切り分けが、初めての基盤導入でつまずきやすい部分を吸収したと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
公開されている範囲に定量的な数値はありませんが、AIモデルを自社で構築できる体制が整ったことで、サービスの拡充や新規の立ち上げに取りかかりやすくなり、顧客に寄り添う姿勢を形にしやすくなったと整理されています。査定への活用については、従来の医学的知見に基づく判断にAIモデルの予測を加味することで、これまで以上に正確な査定を目指す段階にあります。すでに得られた実績ではなく、これから向かう方向として示されている点は押さえておきたいところです。
うちでも使える?
応用しやすいのは、顧客との取引が長く続き、その過程で属性や利用の履歴が自社に溜まっている事業です。蓄積されたデータから何らかのリスクや傾向を予測でき、しかもその結果を顧客に返せる出口があるなら、同じ組み立てが検討できます。ツールを選ぶときに、作るときの手軽さだけでなく運用管理の機能まで見るという観点も、業種を問わず流用できるでしょう。
一方で、この事例は予測結果が顧客の健康行動や保険の判断に関わるため、精度の検証と伝え方の丁寧さが前提になっています。データが部署ごとに散在していて同じ顧客だと突き合わせることすらできない段階や、予測が当たったのか外れたのかを誰も確かめられない体制のままでは、モデルを内製化しても使いどころが定まりません。まず確かめたいのは、いま外部のサービスに任せている評価のうち、どれが自社の手元のデータで説明できるかという点です。ひとつ選んで、外部から返ってくる評価と自社データから見える傾向を突き合わせてみる。そこに現れるずれが、内製化を検討する価値があるかどうかの判断材料になります。
この事例は2025年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:経営・企画
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
日鉄ソリューションズ株式会社
ITソリューション・サービスを提供する企業。明治安田生命保険のAIモデル構築において、DataRobotの導入パートナーとしてプロジェクト管理と問い合わせ対応を担当した。
明治安田生命保険相互会社
出典・参考情報
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