実施 2026.02 ・ 更新 2026.08.15
伊予銀行、AIアバターと応対練習 約80名の非対面窓口で応対品質の標準化へ
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 応対の指導が担当者ごとにばらつく
- 練習の相手役に管理者の時間が取られる
- 研修を増やしたいが現場を止められない
どのようなAIの取り組み?
AIアバターとの対話演習と自動採点を、非対面窓口の日常業務に組み込んだAI取り組み
業種
地方銀行(金融・保険)
取り組み領域
非対面窓口/応対品質・人財育成
使ったAI
exaBase ロープレ(AI対話型ロールプレイング)
主な成果
約80名の非対面窓口部門で利用を開始し、応対品質の向上を期待する段階
愛媛県松山市に本店を置く伊予銀行が、非対面の有人窓口を担うダイレクトコンサルティング部で、AI対話型ロールプレイングサービス「exaBase ロープレ」の利用を開始しました。提供元は、AIを使ったサービス開発を手がけるエクサウィザーズです。銀行窓口の手続き内容や商品案内といった実際の顧客対応を想定したシナリオを自社で設定し、伊予銀行が想定する顧客像に合わせて新たに開発したAIアバターと会話する形で演習を重ねます。演習の結果はあらかじめ定めた評価基準に沿って100点満点で採点され、AIが担当者ごとに個別のフィードバックを返します。約80名のメンバーがこの演習を日常のルーティン業務に組み込み、対話品質とコンサルティング力の向上を図る取り組みです。
出典:伊予銀行、AI対話型ロールプレイングサービス 「exaBase ロープレ」を導入 ~人財育成をAIで高度化し「高度なコンサルティング集団」への変革を支援~ - 株式会社エクサウィザーズ 発行元:株式会社エクサウィザーズ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
複雑化する商品や多様な顧客ニーズに応えるため、伊予銀行は人財育成に力を注いできましたが、人が顧客役を務める従来のロールプレイングには、管理者の工数が膨らむことと、評価を標準化しにくいことという二つの課題が残っていました。
編集部の見立てでは、ここでの詰まりの本質は職員の練習不足そのものではなく、練習の相手役と評価者を同じ管理者が兼ねていた構造にあります。この形のままでは、回数を増やそうとするほど管理者の持ち時間が先に尽き、量を確保しようとすれば評価の目が人によってぶれてしまう。世界基準の応対品質を掲げていても、育成の仕組みが管理者個人の時間に依存している限り、組織全体の底上げは頭打ちになりやすかったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
練習の題材を、銀行窓口の手続き内容や商品案内といった実際の顧客対応に寄せてシナリオ化した点が、この手法の起点になっています。アバターは性別や年齢を自由に設定できる仕組みですが、この事例では汎用の設定で済ませず、想定する顧客像に合わせたアバターを新たに用意しています。練習相手が実際に窓口へ相談してくる顧客に近づくほど、演習で得た手応えは本番で使える感覚に変わっていく。カスタマーサポートから営業提案まで幅を持たせたシナリオ構成も、多様な相談にワンストップで応じられる職員を育てるという狙いと素直につながっています。
評価の担い手を管理者個人から、あらかじめ定めた基準へ移し替えた設計が二つ目の要因と考えられます。100点満点という共通の尺度とAIが返す個別のフィードバックを組み合わせることで、指導のばらつきという課題に、指導者を増やす方向ではなく評価軸を固定する方向から答えを出している点が目を引きます。点数と具体的な指摘がその場で返る形は、指摘された側が課題を自分の問題として受け止めやすくする働きも持ちます。
三つ目は、演習を単発の研修イベントではなく、日々のルーティン業務の一部として埋め込んだ運用です。場所や時間、相手役の都合に縛られずに反復できるため、自分で弱点を確かめて直すという学習サイクルが職員本人の手の中に収まります。デジタルが得意な領域はデジタルに、人にしかできない領域は人にという切り分けの考え方が、反復練習と客観的な採点をAIに、顧客への価値提供を人に配分する設計として具体化されています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
現時点で公表されているのは、ダイレクトコンサルティング部の約80名が利用を開始し、演習がオペレータの日常業務に組み込まれたところまでです。定量的な効果はまだ示されておらず、同部の部長は、非対面・有人領域における育成の手段として応対品質や顧客への価値提供力の向上につながることを期待すると述べています。管理者の負荷軽減や職員のマルチスキル化も、達成された成果ではなく、これから目指す状態として置かれている段階です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、応対にある程度の型があり、良い応対と物足りない応対の差を言葉で説明できる業務です。窓口や電話対応、店頭での商品説明のように、起こりうる場面をシナリオとして組み立てられるなら、練習相手と採点役をAIに任せる形は比較的移しやすいでしょう。反対に、顧客ごとに前提条件が大きく変わる込み入った相談や、その場の空気の読み方そのものが価値になる交渉では、点数化できる評価基準を用意する段階でつまずきます。シナリオづくりには実務知識を言葉に落とす作業が伴うため、応対の勘所がベテランの頭の中にしか残っていない組織では、AIを入れる前にその整理が先に来ます。
まず試すなら、直近の応対を一つ記録から拾い、自分で決めた三つの観点に沿って点数を付けてみるのはどうでしょうか。その採点が同僚の見方と重なるかどうかで、評価基準として使える粒度に届いているかが見えてきます。
この事例は2026年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社エクサウィザーズ
AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決を事業内容とする企業(証券コード4259)。AI対話型ロールプレイングサービス「exaBase ロープレ」などを提供。
株式会社伊予銀行
出典・参考情報
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
