更新 2026.08.14
大樹生命の3か年DX人材育成、立案7施策のうち5件が予算化に至った設計
プロジェクト期間:3年以上
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 研修をやっても現場で続かない
- 学びが企画や予算に結びつかない
- DX人材の育て方が決まらない
どのようなAIの取り組み?
3か年の実践型カリキュラムと役員の直接関与により、立案された7施策のうち5施策の予算化・推進体制の確保まで進んだDX人材育成の取り組み
業種
生命保険(金融・保険)
取り組み領域
DX人材育成/社員研修
使ったAI
TalentQuest(アセスメント・eラーニング)、生成AI実践ワークショップは3年目に実施予定
主な成果
立案7施策のうち5施策の予算化を含む推進体制を確保
大樹生命保険は2024年度から、自動化できる業務のデジタル化を進めて「人にしかできないこと」に集中する態勢づくりを掲げ、その担い手となるDX推進人材を3か年で育てるプログラムを進めています。カリキュラムの設計と伴走を担ったのはSTANDARDで、初年度はアセスメントとeラーニングで基礎知識を固めたうえで、DXマインドや企画立案、データ利活用を扱う全6日間の実践型ワークショップを実施。2年目は初年度の学びを振り返りながら自部署の課題と施策を整理し、プロジェクトマネジメントの要素を加えたフォローアップ研修へつなげました。3年目にあたる2026年度には、生成AIに絞った実践ワークショップの実施が予定されています。研修の前後には、役員や部長が受講生一人ひとりと個別に面談する運用も置かれています。
出典:「研修で終わらせない」大樹生命の決意 │ 人事×現場×役員が三位一体で挑むDX人材育成の全貌 - 株式会社STANDARD 発行元:株式会社STANDARD
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
DX戦略部が発足した当初、この会社が置かれていたのは、組織としての具体的な活動内容を模索している状態でした。一律の教育ではなく変革を牽引する人材を育てるという方針までは定まったものの、実効性のあるカリキュラムをどう組み立てるかが決まらない。加えて、受講後に現場へ戻れば多忙や周囲の無理解にぶつかって企画が止まってしまうのではないかという懸念、学習を投資判断やプロジェクト化といった実務成果へつなげる仕組みがないことも、課題として挙げられていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は知識の不足ではありません。研修で描いた構想を、会社の意思決定の土俵に乗せる経路が存在しないこと。それこそが問題だったのではないでしょうか。経路がないまま学びだけを提供すれば、その先は受講者個人の熱意と交渉力に委ねられてしまいます。
どうやって、うまくいったのか
学んだ内容をDX企画書に落とし込み、プレゼンテーションまで行わせる設計が、この取り組みの軸に据えられています。企画の妥当性や実効性を受講者自身の言葉で説明できる水準まで考え抜くことを求めたため、研修の出口が「アイデアが出た」ではなく「投資判断にかけられる案件になった」という地点へ移りました。業務分析の手法とデータ分析の手法を、どちらかに偏らせず双方深く扱った構成も、企画の解像度を引き上げる方向に効いたと考えられます。
役員や部長が受講生一人ひとりと1on1で向き合う運用は、激励の場という以上の役割を担っています。研修後に企画が止まる要因の多くは、本人の力量ではなく、上長の理解や検討時間の確保といった環境側にあるためです。上位職を巻き込み、受講者の上長への説明を事務局が丁寧に重ねるやり方は、その環境側の障害を先回りして外す動きに当たります。役員がセレモニーの場で意義を語る形も、受講者が現場で動くための後ろ盾として機能したはずです。
1期生から寄せられたコメントを読み込んで次年度の設計へ反映し、2期生、3期生とカリキュラムを改訂し続ける年次のブラッシュアップも、この設計を支える要素です。基礎知識から企画立案、プロジェクト実行の要所へと進み、3年目に生成AIという即効性のある道具立てを置く段階の組み方からは、受講者が越える段差を毎年小さく保とうとする意図が読み取れます。
具体的に、どんな成果が出たのか
推進したこと
この事例で出た成果
立案された7つの施策のうち5施策が選抜され、予算化を含む推進体制の確保にまで至りました。DX・構造改革推進部からは、いくつかの取り組みが具体的な業務改善として動き始め、成果創出に向けた道筋が見えつつあるという受け止めが示されています。人材が育ったこと以上に、企画が会社の予算プロセスに乗ったという事実が、この取り組みの到達点をよく表していると考えられます。なお、3年目の生成AI実践ワークショップは、これから実施される段階です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、育てた人材の企画を受け止める出口が社内にある組織です。予算化を判断できる立場の人が関与し、企画を審議する場が用意されているなら、研修の出口を企画書とプレゼンに設定するやり方はほぼそのまま持ち込めます。逆に、企画を審議する枠組みがなく、上長が受講者の検討時間を確保できないままであれば、同じカリキュラムを導入しても、その後の推進は個人の踏ん張り次第になってしまいます。3年という時間軸と、毎年カリキュラムを見直す手間を許容できるかどうかも、判断の分かれ目になります。
最初の一歩は、次に社内研修を企画するときに、修了時の提出物を「レポート」から「誰に何を承認してもらうための企画書か」へ置き換えてみること。宛先が決まるだけで、研修の設計も受講者の構えも変わってきます。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社STANDARD
人材育成を柱に、DXの実現とその先のDXの内製化まで一気通貫で支援する企業。DX戦略コンサルティング、DX人材育成プランニング、AI実装支援などを提供している。
大樹生命保険株式会社
出典・参考情報
「研修で終わらせない」大樹生命の決意 │ 人事×現場×役員が三位一体で挑むDX人材育成の全貌 - 株式会社STANDARD
発行元:株式会社STANDARD
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