富士ソフト株式会社
システム開発・実装
本事例の開発パートナーとして、Google Cloud上に業務特化型の生成AIアプリケーションを伴走型で共同開発した。
この取り組みに関心があれば、
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※イメージ画像です01 — Overview
建設コンサルタントの八千代エンジニヤリングは、官公庁から受注した案件で契約後14日以内に提出が必要な「業務計画書」の作成を支援する専用Webアプリを、開発パートナーの富士ソフトと共同で開発しました。Google Cloud上に構築し、発注者ごとに書式が異なる特記仕様書や自社の技術提案書から、計画書に載せるべき箇所をVertex AI経由のGeminiが抽出します。社員の資格・連絡先は社内マスタから一括で集め、最寄りの病院・消防署・警察署はGoogle Maps APIで候補を提示する構成です。2025年11月に企画が始まり、2026年9月にリリースされ、作業全体の時間は約1時間20分から約10分になっています。
出典:Google Cloud導入事例 | 八千代エンジニヤリング株式会社 様 |富士ソフト株式会社(発行元:富士ソフト株式会社)
02 — Problem
八千代エンジニヤリングの受注は8〜9割が官公庁案件で、契約から14日以内に業務計画書を出す必要があります。ところが中身をそろえる段階で、一人ずつしか検索できない社内システムを行き来して社員情報を集めるのに30分以上、現場ごとの緊急連絡先調べに20分程度、書式の異なる特記仕様書から該当箇所を探して一字一句写す作業にも30分程度かかっていました。全社では年間約1,500件にのぼります。
並んだ作業を見ると、時間を食っていたのは文章を考える部分ではなく、ばらばらの場所から材料を探して集める部分だったと読めます。しかも三つの作業は、社内データの検索、地理的な調べもの、不定形な文書の読み取りと、求められる正確さの種類がそれぞれ違う。ひとつの道具では片づかない「性質の異なる探しもの」の束だった点が、この課題の本質ではないでしょうか。
03 — Key points
作業ごとにAIを使う場所と使わない場所を切り分けた設計が、最も大きな要因と考えられます。書式がばらばらな特記仕様書から該当箇所を拾う処理は従来のスクリプトでは対応できないためGeminiに任せる一方、病院・消防署・警察署の検索はあえてAIを使わず、Google Maps APIとロジックで上位3件を出し、最終判断を人が下す形にしています。さらに生成結果には抽出元へのリンクを付けて画面に並べ、担当者がすぐ照合できるようにしました。誤りが許されない提出書類だからこそ、AIの得意な「探す」に役割を限定し、確かめる工程を人に残したことが実運用を支えているのでしょう。
汎用のAIチャットではなく、プロンプトとWord出力の手順を専用アプリに埋め込んだ判断も効いています。行政特有の用語や多様な書式から狙った情報を取り出すには細かなプロンプト設計が要り、複雑な表組みを含む文書をチャットで意図どおり出すのも困難です。そうした難所を利用者から見えない側に閉じ込めることで、ITリテラシーの差に左右されずに均質な結果が得られる状態をつくっています。
進め方の面では、「数値で選び、早く見せる」姿勢が手戻りを抑えたと見られます。社内の技術創発研究所が事前に抽出手法を検証して定量的な評価指標をつくり、Gemini 3.5 FlashとGPT 5.2を比べた結果、最高点よりも常時7割前後というばらつきの少なさを重視してGeminiを選びました。開発を担った富士ソフト側の2名は生成AIも使って実装を速め、社内イベントのデモに合わせて画面を早期に見せては作り直すアジャイル型で、要件の大きな変更にも追随しています。
04 — Results
作業時間の内訳は、社員情報の収集が30分以上から自動の一覧化へ、緊急連絡先の調べものが20分程度から即時の候補提示へ、特記仕様書の転記が30分程度からGeminiによる自動抽出と必要に応じた修正へと変わりました。合計では約1時間20分が約10分となり、1時間以上の短縮です。リリース初日には約50名が試用し、その日のうちに改善要望が届くほどの反応がありました。Google Analytics 4でダウンロード数などの利用状況を継続的に把握できるようになった一方、「プロトタイプ」と伝えても高い精度を求める声が上がり、期待値の調整に苦労した面もあります。現状は一部部署のフォーマットのみ対応で、今後は対応フォーマットの拡充と、AIを活かせる社内データ環境の整備に取り組む方針です。
05 — For your company
応用しやすいのは、決まった提出書類を繰り返しつくり、その材料が社内データ・外部情報・取引先から届く文書に散らばっている業務です。とくに取引先ごとに様式が違う仕様書や依頼書から「載せるべき箇所」を探して写す作業は、この事例でAIが担った部分とよく似ています。一方、抽出先の文書が手書き中心だったり、社員の資格や連絡先のようなマスタデータが整理されていなかったりすると、同じ効果は出にくいでしょう。事例自身も、社内データが整っていなければAIの力を引き出せないと課題に挙げています。また、部署ごとに書類の作り方が違う状態では、対応範囲を少しずつ広げる前提で臨む必要があります。
手始めに、直近でつくった提出書類を1件開き、各欄の中身を「どこから持ってきたか」で色分けしてみてはどうでしょう。社内の台帳か、地図や公開情報か、相手から届いた文書か。色ごとにAIに任せるべきか、確実なロジックで処理すべきかを考えると、この事例の切り分けがそのまま自社の設計図になります。
06 — Company
システム開発・実装
本事例の開発パートナーとして、Google Cloud上に業務特化型の生成AIアプリケーションを伴走型で共同開発した。
この取り組みに関心があれば、
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07 — Category
関連度の高い事例を選定しています。少しお待ちください。