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  5. 安全帯フック未使用をAIで自動検知、奥村組の現場で9割超が安全意識向上|株式会社奥村組の導入事例

やさしく事例解説実施 2020.10 ・ 更新 2026.10.20

安全帯フック未使用をAIで自動検知、奥村組の現場で9割超が安全意識向上

導入企業株式会社奥村組建設・土木従業員 1,000人以上
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支援企業株式会社日立ソリューションズAIコンサルシステム開発・実装
取り組み領域
建設現場の安全管理/墜落・転落災害の防止
使ったAI
画像認識AI(クラウドカメラ画像の解析)
主な成果
導入現場の作業員の90%以上が安全意識の向上を回答し、墜落・転落災害は発生せず
安全帯フック未使用をAIで自動検知、奥村組の現場で9割超が安全意識向上 のヘッダー画像※イメージ画像です

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 安全ルールを決めても守られない
  • 現場の巡回に時間を取られている
  • 高所作業の危険を常に見張りたい
概要困りごと工夫成果うちでも?企業

01 — Overview

どのようなAIの取り組み?

全体像

安全帯フック未使用をAIで自動検知、奥村組の現場で9割超が安全意識向上 の全体像の図解

取り組みの概要

総合建設会社の奥村組は、建設現場で後を絶たない墜落・転落災害を防ぐため、鉄骨上で安全帯(墜落制止用器具)のフックを掛けていない作業員をAIで見つけ出す仕組みづくりに取り組みました。2020年10月に検討を始め、画像認識AIの技術を持つ日立ソリューションズと協創の形で開発を進めています。奥村組が現場の画像約6,000枚を提供し、日立ソリューションズがAIモデルとAI処理用のクラウドサービスを開発しました。技術検証と奥村組の現場検証を経て、2023年5月にサービスとして提供を開始。導入現場では、作業員の9割超が安全意識の向上を実感したと回答し、墜落・転落災害は発生していません。

出典:株式会社奥村組様 建設業向け 墜落制止用器具フック不使用者検知サービスの導入事例やシステム構築例を紹介|事例紹介|株式会社日立ソリューションズ(発行元:株式会社日立ソリューションズ)

02 — Problem

何に困って、AIを入れたのか

奥村組は、建設現場の墜落・転落災害の多くが安全帯フックの掛け忘れに起因すると捉えていました。各社がルールを定めて対策しているにもかかわらず、災害がなかなか減らないことが悩みどころでした。

編集部の見立てでは、問題の核心は作業員の知識不足ではなく、「ルールが守られているかを確かめる目」が足りていなかった点にあります。フックが外れている危険な時間は、移動や段取り替えの合間の数秒に生まれがちです。安全管理者が巡視で回れる頻度には限りがあり、その一瞬を人の目で捉え続けるのは現実的ではありません。監視の密度そのものを上げる手段として、カメラとAIに白羽の矢が立ったと考えられます。

03 — Key points

どうやって、うまくいったのか

判定の対象と条件を、鉄骨上の高所作業に絞り込んだ設計が実用性の土台になったと考えられます。カメラが見るのは作業員・フック・親綱・親綱支柱の4つに限られ、1秒ごとの監視で3秒間フックの不使用が続いたときだけアラームを出す仕様になっています。一瞬の映り込みや姿勢の変化で警報が鳴り続ければ、現場はすぐに通知を無視するようになるはずです。「数秒続いたら」という猶予の置き方に、誤報を抑えて現場に受け入れられる警報にしようとする意図が読み取れます。

建設会社とIT企業が得意分野を持ち寄る役割分担も効いています。奥村組は自社現場の画像約6,000枚を学習データとして提供し、完成後の現場検証も担いました。日立ソリューションズはAIモデルとクラウドサービスの開発を受け持ち、加えてビジネスモデルや協創の進め方についても助言しています。他社向けに同種の検知を検証した経験を持つパートナーを選んだことで、ゼロから手探りする工程を短縮できたのではないでしょうか。

リリースをゴールにせず、モデルを育て続ける運用を組み込んだ点も見逃せません。学習データは当初の約5倍となる約3万件まで増やし、回転や反転によるデータ拡張も加えています。判定の対象も土留め支保工の作業へ広げ、単管や足場部材へのフック掛け、撮影距離の延長も検討中です。現場ごとに異なる掛け方やカメラ位置への対応力を、継続的なデータ追加で底上げしていく姿勢がうかがえます。

04 — Results

具体的に、どんな成果が出たのか

技術検証の段階で、判定の適合率とF値(適合率と再現率のバランスを見る指標)が90%以上になることを確認しています。奥村組は提供開始後に複数の現場へ導入し、アンケートでは回答者の90%以上が「安全意識が向上した」と答え、「カメラが常に見てくれているので安心」という声も寄せられました。導入現場で墜落・転落災害は発生しておらず、フック不使用者を明確に判定できることで安全管理者の巡視の時間や回数も減っています。2024年2月にはリース会社を通じた外販(レンタル)も始まりました。作業員が「見られている」と意識すること自体が抑止力として働いた面は大きいと考えられます。

改善・向上したこと
品質・安全性向上生産性向上業務の自動化
取り組み内容
PoC(実証実験)独自モデルの開発新サービス・製品の開発

05 — For your company

うちでも使える?

応用しやすいのは、「装備を着けているか」「決められた位置にいるか」のように、写真で見て判別できる状態を、決まった作業エリアで見張りたいケースです。対象の物体と警報の条件をこの事例ほど具体的に定められれば、AIに任せる範囲を描きやすくなります。

一方で、施工範囲が広い現場ではカメラ台数が増えてコストがかさむことを、当事者自身が課題に挙げています。作業場所が日々大きく移る現場や、フックの掛け先が多様な作業は、まだ検討段階の領域です。画像の学習にも数千枚単位の現場写真が必要になるため、撮影データを集められる体制があるかどうかも分かれ目になります。

まずは見張りたい作業場所を固定した位置からスマートフォンで何枚か撮り、守れている状態と守れていない状態が画像上ではっきり見分けられるかを確かめてみてはどうでしょうか。

06 — Company

この事例の支援企業

株

株式会社日立ソリューションズ

AIコンサルシステム開発・実装

独自の画像認識AI技術を持ち、建設業の安全衛生管理を支援してきた実績を持つIT企業。

この事例で使われたサービス建設業向け 墜落制止用器具フック不使用者検知サービス

この取り組みに関心があれば、
株式会社日立ソリューションズの公式情報をご覧ください

公式サイトへ行く

記事の情報

出典
株式会社奥村組様 建設業向け 墜落制止用器具フック不使用者検知サービスの導入事例やシステム構築例を紹介|事例紹介|株式会社日立ソリューションズ発行元:株式会社日立ソリューションズ
作成
公開情報をもとに、WarpBiz編集部が調べてまとめた記事です。
実施時期
この取り組みの実施時期は2020年10月です(更新 2026.10.20)。
この記事に載っている企業の方へ
本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除をご希望の場合はこちらからご連絡ください。

07 — Category

カテゴリー詳細

どこで使ったか

部門
建設・土木の業務
業務テーマ
建設・土木の業務›現場の安全管理

どんなAIで

AIの種類
認識・検知›画像認識AI
構築手法›機械学習モデル
活用データ
画像・動画・3D›監視カメラ映像

何を使ったか

使ったAI
建設業向け 墜落制止用器具フック不使用者検知サービス
つないだシステム
クラウドカメラ
提供方式
動かし方›クラウド(SaaS)
カスタマイズ›個別開発
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