ULSコンサルティング株式会社
AIコンサルシステム開発・実装
ULSグループの中核子会社。事業戦略立案や業務改革、システムの企画・開発、AI活用支援などを伴走型のコンサルティングで手がける。
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※イメージ画像です01 — Overview
電気・空調・通信などの建築設備工事を手がける関電工は、設備工事の概算積算に使う「自動項目概算システム」を、ULSコンサルティングの支援を受けて構築しました。関電工は以前にもAI関連サービス事業者と2回のPoC(概念実証)を行っていましたが、期待した成果は得られていませんでした。ULSコンサルティングは既存データを分析したうえで、積算そのものをAIに任せるのは現時点では難しいと判断。過去の類似案件の呼び出しや工事項目ごとの金額算出はロジックで、自然言語からの情報抽出や得意先ごとの用語・書式の違いへの対応はAIで受け持つ構成を提案しました。アジャイル方式で約1年半かけて開発し、従来1〜2週間かかっていた作業が数十分程度に短縮されています。
出典:ULSコンサルティング、関電工のAI導入と業務変革を支援 | ULSコンサルティング株式会社のプレスリリース(発行元:ULSコンサルティング株式会社)
02 — Problem
手作業による概算積算は担当部門の負担が重く、得意先へ見積もりを出すまでに1〜2週間を要していました。経験豊富な社員に頼る部分も大きく、ベテランの定年退職が近づくなかで属人化の解消も急がれていました。AI関連サービス事業者と2度のPoCを試みたものの、思うような成果には届いていません。
編集部の見立てでは、つまずきの根は「AIの性能不足」よりも、AIに何をさせるかという問いの立て方にあったのではないでしょうか。積算の大部分は、ベテランが頭の中で踏んでいる手順の再現です。確率的に答えを出すAIに金額そのものを当てさせようとすれば、根拠を説明できる見積もりにはなりにくい。本当に必要だったのは、AIに任せない領域を先に決めることだったと考えられます。
03 — Key points
金額を決める部分はロジックに、AIは入力の揺れを吸収する役回りに限定した切り分けが、最大の要因と考えられます。類似案件の呼び出しや工事項目ごとの金額算出はルールベースで処理し、AIは自然言語からの情報抽出や、得意先ごとに異なる用語・書式のばらつきへの対応に回しています。算出手法の80〜90%は従来の手作業を踏襲したロジックで組まれており、出てきた金額をたどれば積算担当者が納得できる根拠に行き着く構造です。不確かさを伴うAIを「読み取り」の入口に置き、答えを確定させる部分には置かなかったことが、実務で通用する精度と説明のしやすさを両立させたのではないでしょうか。
既存データを分析したうえで「今のデータではAIによる積算は難しい」と線を引き、データ整備を将来の課題として切り離した判断も効いています。2度のPoCで成果が出なかった後に同じ方向で精度を追い続けていれば、ビジネス上の効果が見えないまま時間を費やしていた可能性があります。早期に成果を得るための現実解と、将来のAI積算に向けたデータ整備を並行させる構えが、プロジェクトを止めずに前へ進める道筋になったと考えられます。
属人性の高い業務を形にするうえでは、完成像を段階的にすり合わせるアジャイル方式の進め方が適していたとみられます。まずプロトタイプで利用イメージと積算精度への認識を揃え、現場のフィードバックを反映して正式版へと進めています。IT、積算実務、技術開発研究所、営業という複数部署の知見を、外部のULSコンサルティングが軸となって横断的に束ねた体制も、全体を統括する部署が社内になかった状況を補う役割を果たしたはずです。
04 — Results
約1年半の開発期間を経て完成したシステムにより、概算積算の作業時間は従来の1〜2週間から数十分程度へ短縮され、得意先への見積提示を早められるようになりました。裏付けのある積算を高精度かつ画一的に行える状態になったことは、属人化への備えとしても意味を持ちます。概算見積もり作成業務の負担軽減にもつながっており、営業担当者が早い段階で概算金額を把握できることで、積算担当者との認識の食い違いが解消されることも期待されています。今後はシステムの速度・精度の向上、既存システム群とのデータ連携、関連業務全体の最適化に取り組む方針が示されています。
05 — For your company
応用しやすいのは、見積もりや料金算定のうち、計算の手順そのものはベテランに聞けば言葉にできる一方で、顧客から届く依頼文や書式がばらばらで、その読み取りに手間がかかっている業務です。過去案件のデータがある程度たまっていれば、類似案件を呼び出す仕組みも組み立てやすくなります。「AIに全部任せる」試みが行き詰まっている会社ほど、計算はルール、読み取りはAIという分け方を検討する価値がありそうです。
逆に、案件ごとの判断の振れ幅が大きく、手順の大半をルールとして書き起こせない業務では、ロジック側の土台が作れません。また今回は約1年半の開発期間をかけ、IT・積算実務・研究所・営業を横断して進めています。部署をまたいで取りまとめる役がいない、あるいは数か月で結果を求められる状況では、同じ規模の取り組みは難しいでしょう。まずは最近の見積もり1件を題材に、「依頼内容の読み取り」と「金額の計算」にそれぞれ何時間かかったかを測ってみること。どちらに時間が偏っているかで、AIを置くべき場所が見えてきます。
06 — Company
AIコンサルシステム開発・実装
ULSグループの中核子会社。事業戦略立案や業務改革、システムの企画・開発、AI活用支援などを伴走型のコンサルティングで手がける。
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07 — Category
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