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  5. 精度84%のAI選果機で選別を初心者にも、秋田のシイタケ生産法人の試み|株式会社みずほライス×伯東株式会社の導入事例

やさしく事例解説実施 2025.03 ・ 更新 2026.10.01

精度84%のAI選果機で選別を初心者にも、秋田のシイタケ生産法人の試み

導入企業株式会社みずほライス農業・林業・漁業
×
支援企業伯東株式会社
取り組み領域
選果・選別作業/栽培環境管理
使ったAI
AIカメラによる画像判別(画像AI)、IoTセンサー
主な成果
AI選果機が1秒・精度約84%で良品を判別(約2年経験のスタッフと同程度)
精度84%のAI選果機で選別を初心者にも、秋田のシイタケ生産法人の試み のヘッダー画像※イメージ画像です

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 選別の目利きがベテラン頼み
  • 新人が判断に迷って作業が進まない
  • 勘に頼った管理で品質がばらつく
概要困りごと工夫成果うちでも?企業

01 — Overview

どのようなAIの取り組み?

全体像

精度84%のAI選果機で選別を初心者にも、秋田のシイタケ生産法人の試み の全体像の図解

取り組みの概要

秋田県横手市で米・エダマメ・シイタケを手がける株式会社みずほライスは、菌床シイタケの生産にデジタル技術を取り入れています。栽培ハウスには温度・湿度・二酸化炭素濃度などを測るセンサー(3メーカー・5種類)とネットワークカメラを置き、異常時はスマートフォンに通知が届く仕組みを整えました。蓄積したデータは環境の見直しや収穫時期・収穫量の予測に使われています。あわせて、代表の前職である伯東株式会社と共同で、収穫したシイタケを「良品」か「良品以外」かにAIカメラで判別する選果機を開発しました。判定は1秒ほどで、精度は約84%。今後は障がい者の作業所である「農福加工センター」での実証が予定されています。

出典:株式会社みずほライス | AKITA DeX(発行元:AKITA DeX(秋田県))

02 — Problem

何に困って、AIを入れたのか

同法人では、秋のような寒暖差を人工的に再現するハウス管理が経験と勘に委ねられ、猛暑も重なって収穫量や品質が安定せず、赤字になる年もありました。選別作業でも知識と経験が求められる一方、地域では生産者の高齢化や廃業で熟練者が減り、人手不足と品質低下が懸念されていました。

栽培と選別という別々の工程に見えますが、根は同じところにあると編集部は見ています。どちらも「良い状態」を判断する基準が人の頭の中にしかなく、その人がいなければ品質が保てない構造だったことです。人が足りないこと以上に、判断を渡す手段がなかったことが本当の弱点だったのではないでしょうか。

03 — Key points

どうやって、うまくいったのか

AI選果機の開発で最も手間をかけたのは、人が良品と良品以外をどの特徴で見分けているかを突き止め、その特徴が表れた画像データを大量にそろえる工程でした。微妙な差を見抜く判断は、熟練者自身も言葉にしにくいものです。AIに学ばせる前に「何を見ているか」を特定する作業を挟んだことで、ベテランの目利きを機械が扱える形に変換できたと考えられます。

学習の途中で、シイタケの形だけでなく作業場の外光が判定を左右すると気づき、選果機にLEDライトを付けて光量を一定にした点も見逃せません。モデルの側をいじるのではなく、撮影条件という入力の側を揃えにいった判断です。現場の照明は時間帯や場所で変わるため、この対処がなければ試験では動いても日々の作業では揺らぐ仕組みになっていた可能性があります。

判定を「良品」か「良品以外」かの二択に絞り、緑と赤のライトで示す設計も、使い手を初心者やスポットワーカーに据えた発想と噛み合っています。細かな等級分けまで担わせず、最も迷いやすい一点の判断だけを肩代わりさせることで、経験の浅い人でも迷わず手を動かせる道具になっています。栽培側でも、センサーデータと即時通知で環境の異変を早くつかむ仕組みが、同じく勘に頼っていた判断をデータに置き換える役割を果たしています。

04 — Results

具体的に、どんな成果が出たのか

ハウスの環境管理では、異常通知ですぐに調整できるようになり品質低下を防げたほか、異常の原因にエアコンの過剰運転が多かったことから無駄な電力消費も減りました。環境を見直した結果、品質が向上して秋田県種苗交換会で2年連続の三等賞を受け、1菌床当たりの売上高は2倍になっています。収穫予測に基づく人員配置で収穫時期を逃すことも減りました。開発したAI選果機は1秒で判別し、精度約84%は選別に約2年従事したスタッフと同程度です。初めて選別する人は1個に4〜5秒かかっていたため、作業時間の短縮や、ベテランへの質問が減ることによるストレス軽減が見込まれています。今後は農福加工センターでの実証と、そのデータを基にした自動選別装置の開発が予定されています。

改善・向上したこと
属人化解消人手不足の解消対応時間・リードタイムの短縮品質・安全性向上売上・収益の向上コスト削減従業員満足度・働き方改善データ分析・意思決定支援
取り組み内容
新サービス・製品開発

05 — For your company

うちでも使える?

応用しやすいのは、合否の判断が見た目に表れ、その判断を担える人が限られている工程です。二択に絞った判定なら、完璧な精度でなくても初心者の迷いを減らす効果が期待できます。ハウスや倉庫のように環境の変化が品質を左右する現場なら、センサーと通知の組み合わせは比較的小さな投資から始めやすいでしょう。

一方で、良否を分ける特徴が外観に出ない品目や、等級を細かく分ける必要がある工程では、同じ設計はそのまま使えません。また、この事例では熟練者の注目点を特定し、大量の画像をそろえる労力が前提になっています。判断の見本を示せる熟練者が協力できない状態では、学習データづくりが止まる恐れがあります。撮影場所の光のように、現場固有の条件が判定を揺らす点にも備えが必要です。

手始めに、選別に迷った品を捨てずに数日分とっておき、ベテランに「どこを見て判断したか」を一つずつ聞いてみてはどうでしょうか。

06 — Company

この事例の支援企業

伯

伯東株式会社

電子部品関係の商社。株式会社みずほライスと共同でAIカメラを活用したシイタケの選果機を開発。

この取り組みに関心があれば、
伯東株式会社の公式情報をご覧ください

記事の情報

出典
株式会社みずほライス | AKITA DeX発行元:AKITA DeX(秋田県)
作成
公開情報をもとに、WarpBiz編集部が調べてまとめた記事です。
実施時期
この取り組みの実施時期は2025年3月です(更新 2026.10.01)。
この記事に載っている企業の方へ
本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除をご希望の場合はこちらからご連絡ください。

07 — Category

カテゴリー詳細

どこで使ったか

部門
農林水産業全社共通・汎用業務
業務テーマ
農林水産業›生育状況のモニタリング収穫量予測
全社共通・汎用業務›選果・選別作業

どんなAIで

AIの種類
画像AI›外観検査検品自動化
活用データ
画像・動画・3D›製品・部品画像
機械・設備・位置›生体・環境・ウェアラブル

何を使ったか

つないだシステム
エッジデバイス・IoT機器スマートフォン通知
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