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  5. 切らずに冷凍マグロの脂のりを判定する超音波AI、検査時間は最大80%短縮へ|ソノファイ株式会社×富士通株式会社の導入事例

やさしく事例解説実施 2022.04 ・ 更新 2026.10.01

切らずに冷凍マグロの脂のりを判定する超音波AI、検査時間は最大80%短縮へ

導入企業ソノファイ株式会社製造業
×
支援企業富士通株式会社
取り組み領域
水産物の品質検査・選別
使ったAI
超音波解析AI技術(Fujitsu Kozuchiのコア技術)
主な成果
検査時間を最大80%削減でき、1本あたり12秒程度で判定可能に
切らずに冷凍マグロの脂のりを判定する超音波AI、検査時間は最大80%短縮へ のヘッダー画像※イメージ画像です

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 目利きできる職人が年々減っている
  • 検品を担当者の勘に頼っている
  • 手間がかかり全数検査をあきらめている
概要困りごと工夫成果うちでも?企業

01 — Overview

どのようなAIの取り組み?

全体像

切らずに冷凍マグロの脂のりを判定する超音波AI、検査時間は最大80%短縮へ の全体像の図解

取り組みの概要

冷凍ビンチョウマグロの脂のりは、これまで尾を切り落として解凍し、職人が目で確かめる方法で見極められてきました。この工程をAIに置き換えるため、東海大学と富士通が2022年4月から共同研究を始め、低周波の超音波とAIで凍ったまま内部を判定する技術を確立しました。その技術をソノファイが富士通から実施許諾・技術供与を受けて装置に実装し、ハードウェアはイシダテックが開発しています。東洋冷蔵との2度の実証実験で精度や省力化の効果を確認したうえで、自動検査装置「ソノファイT-01」として2025年6月から国内で販売を始めると発表されました。1本あたりの検査は12秒程度で、検査時間は従来の手作業から最大80%削減できるとされています。

出典:NEWS  | SONOFAI | 富士通の超音波解析 AI 技術を搭載した世界初の冷凍ビンチョウマグロの脂のり検査装置をソノファイが販売開始(発行元:ソノファイ株式会社)

02 — Problem

何に困って、AIを入れたのか

ビンチョウマグロの脂のりを確かめる「尾切り選別」は、冷凍魚の尾を切って解凍し、職人が目視で判断する工程です。人手と時間がかかるうえ、判定は作業者によってぶれ、熟練者も足りていません。安価な魚種であることも手伝って、全数を正確に選別するのは現実的ではありませんでした。

編集部が注目したいのは、この困りごとが単なる作業負担ではなく、「本来の価値が値段に反映されない」という流通上の損失につながっていた点です。脂ののった「ビントロ」が見逃されれば、高く売れるはずの魚が安値で出回ってしまう。検査の手間が、そのまま商品の値付けの精度を縛っていたと読み解けます。

03 — Key points

どうやって、うまくいったのか

凍ったまま、切らずに内部を測るという入口の設計が、全数検査への道を開いたと考えられます。従来の尾切り選別は、魚を傷つけ、解凍を待ち、人が見るという三つの手間が一体になっていました。低周波の超音波を当てて得た信号をAIで解析する方式にしたことで、この工程そのものが不要になり、バンドソーを扱う危険な作業からも解放されます。検査の判断だけをAIに任せるのではなく、判断の前提となる「測り方」から組み替えた点に、この取り組みの本質があるのではないでしょうか。

研究・ハードウェア・実装・現場検証を役割ごとに分けた体制も見逃せません。マグロのおいしさ研究に知見を持つ東海大学と、超音波解析AI技術を持つ富士通が判定技術を固め、イシダテックがその技術に最適化した装置を開発し、ソノファイが富士通から実施許諾と技術供与を受けてAIを実装しています。研究成果を論文や試作で終わらせず、食品加工装置を手がける企業の知見と組み合わせたことが、現場で動く製品への橋渡しになったと編集部はみています。

実証実験を二段階に分けた進め方も効いています。2024年の初回は東洋冷蔵と富士通が判定精度や処理速度といった技術の基礎性能を確かめ、2025年の2回目は東洋冷蔵とソノファイが商用利用を想定し、実際の加工現場での省力化や作業効率を検証しました。技術として正しいかと、現場で使えるかを別々に問うたことで、販売前に評価すべき観点の取りこぼしを防げたと考えられます。

04 — Results

具体的に、どんな成果が出たのか

東洋冷蔵との実証実験を通じて、従来の尾切り選別と比べ高精度な脂のり判定と省力化の両面で有用性が確認されています。検査時間は手作業から最大80%削減でき、1本あたり12秒程度、操作に必要な人員は1名程度とされています。今後は鮮度や硬さなど身質の判定機能の追加、対応魚種の拡大、体長・体重の全数計測なども予定されています。流通現場の評価はこれからですが、見逃されていた高付加価値品を拾い上げる仕組みとしての意味は大きいでしょう。

改善・向上したこと
業務の自動化対応時間・リードタイムの短縮人手不足の解消コスト削減属人化解消品質・安全性向上生産性向上売上・収益の向上
取り組み内容
プロトタイプ開発(PoC)新サービス・製品開発システムへのAI機能組込み

05 — For your company

うちでも使える?

この事例の考え方が応用しやすいのは、品質のばらつきが価格に直結し、しかも検査のために商品を切る・開ける・解凍するといった「壊す手間」が発生している現場です。検査を非破壊に変えられれば、抜き取りから全数へと検査の範囲そのものを広げられる可能性があります。一方で、判定の正解データを職人の目利きや研究機関の知見から集められることが前提になっており、評価基準が人によって定まっていない品目や、超音波のような計測手段で内部の違いが捉えにくい素材では、同じ流れを組むのは難しいかもしれません。自社に大学やAI技術を持つ企業との接点がない場合、研究段階から始める道のりは長くなる点も踏まえておきたいところです。

最初の一歩として、自社の検査工程のうち「確かめるために商品を傷めている」ものがどれだけあるか、そしてその検査を省いた結果どれほどの品が安く出荷されているかを、一度数字で確かめてみてはいかがでしょうか。

06 — Company

この事例の支援企業

富

富士通株式会社

AIサービス「Fujitsu Kozuchi」を提供し、そのコア技術として超音波解析AI技術を開発した企業

この取り組みに関心があれば、
富士通株式会社の公式情報をご覧ください

記事の情報

出典
NEWS  | SONOFAI | 富士通の超音波解析 AI 技術を搭載した世界初の冷凍ビンチョウマグロの脂のり検査装置をソノファイが販売開始発行元:ソノファイ株式会社
作成
公開情報をもとに、WarpBiz編集部が調べてまとめた記事です。
実施時期
この取り組みの実施時期は2022年4月です(更新 2026.10.01)。
この記事に載っている企業の方へ
本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除をご希望の場合はこちらからご連絡ください。

07 — Category

カテゴリー詳細

どこで使ったか

部門
全社共通・汎用業務
業務テーマ
全社共通・汎用業務›AIによる定型業務の自動化品質検査・選別

どんなAIで

AIの種類
音声AI›超音波解析AI
活用データ
数値・Excel・ログ›品質検査・測定データ
音声・音響›超音波データ

何を使ったか

使ったAI
Fujitsu KozuchiソノファイT-01
つないだシステム
自動検査装置
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