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  5. 農業特化型生成AIの共同構築へ、700億ページの日本語資源と農業知識を統合

やさしく事例解説実施 2025.11 ・ 更新 2026.10.01

農業特化型生成AIの共同構築へ、700億ページの日本語資源と農業知識を統合

導入企業国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)農業・林業・漁業
×
支援企業国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
取り組み領域
営農支援/農業技術の普及
使ったAI
農業特化型生成AIモデル(大規模言語モデル)
主な成果
共同構築の連携を開始、精度と実用性の向上が期待される段階
農業特化型生成AIの共同構築へ、700億ページの日本語資源と農業知識を統合 のヘッダー画像※イメージ画像です

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 汎用AIの答えが自分の地域に合わない
  • 現場の知恵をAIに生かしきれていない
  • 技術の相談先が少なく判断に迷う
概要困りごと工夫成果うちでも?企業

01 — Overview

どのようなAIの取り組み?

全体像

農業特化型生成AIの共同構築へ、700億ページの日本語資源と農業知識を統合 の全体像の図解

取り組みの概要

情報通信研究機構(NICT)と農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が、農業に特化した生成AIモデルを共同で構築するための連携を2025年11月に開始しました。NICTは約20年かけて集めた700億ページ超の日本語中心のWebデータから学習データを整備し、日本語特化型の大規模言語モデルを試作してきた実績を持ちます。一方の農研機構は、農業技術の普及や農業データの体系化を通じて知識と実証の基盤を蓄えてきました。両者の資源を組み合わせてモデルをつくり、農研機構がそのモデルを組み込んだシステムの試作版を開発して営農支援などで実証を進める計画です。地域や作物ごとの追加学習も予定されています。現時点では連携の開始段階であり、成果は今後に期待される状態です。

出典:NICTは農研機構と連携し、農業特化型生成AIモデルの構築へ|2025年|NICT-情報通信研究機構(発行元:国立研究開発法人情報通信研究機構)

02 — Problem

何に困って、AIを入れたのか

農業技術の普及や営農の効率化を支えるうえで、地域や作物の違いに対応でき、かつ信頼できるAIが求められていた、というのがこの連携の出発点です。

編集部の見立てでは、課題の核心は「AIに日本語や農業の知識が足りない」ことそのものより、「一般的な知識と、その土地・その作物で本当に通用する答えとの間に距離がある」点にあるのではないでしょうか。同じ病害でも地域や品種によって打ち手は変わります。汎用的な答えをそのまま渡しても現場の判断材料にはなりにくく、ここに信頼性という言葉が繰り返し使われている理由がありそうです。

03 — Key points

どうやって、うまくいったのか

まだ連携が始まったばかりの段階ですが、設計から読み取れる筋の良さがあります。第一は、言語の土台と分野の知識を別々の組織が持ち寄る役割分担です。NICTが担うのは、700億ページを超えるWebデータから整えた日本語の学習資源と、AIの安全性・信頼性に関する研究の蓄積。農研機構が担うのは、農業技術の普及やデータの体系化で培った専門知識と、現場で試せる実証の場です。どちらか一方だけでは届かない「日本語として自然で、農業として正しい」回答を目指すうえで、理にかなった組み合わせと考えられます。

第二に、一つの大きなモデルで全国を覆うのではなく、地域や作物ごとに追加学習を重ねる構想が示されている点が見逃せません。気候も土壌も異なる産地を一律に扱わず、共通の基盤の上に個別の知識を上乗せしていく作り方は、前段で触れた「一般論と現場の答えの距離」を段階的に縮める現実的な手順といえます。

第三は、モデルをつくって終わりにせず、農研機構がシステムの試作版を開発し、営農支援などで実証する流れが最初から組み込まれていることです。研究段階の技術は、現場で使われて初めて弱点が見えてきます。開発と検証の担い手を分けつつ一つの計画に収めた進め方は、使える形に仕上げていくための仕組みとして評価できるのではないでしょうか。

04 — Results

具体的に、どんな成果が出たのか

現時点で公表されているのは連携の開始であり、定量的な成果はまだ出ていません。この取り組みによって農業特化型生成AIの精度と実用性が一層高まることが期待されており、農業技術の利用・普及の促進、現場の負担軽減、営農に関わる意思決定や情報提供の効率化も見込まれています。あわせて、日本発の特化型AIモデルとしての基盤を確立し、農業と情報通信の両分野で技術革新と社会実装を進める方針も示されています。編集部としては、これらが実証の中でどこまで裏づけられるかに注目したいところです。

改善・向上したこと
データ分析・意思決定支援生産性向上
取り組み内容
プロトタイプ開発(PoC)新サービス・製品開発

05 — For your company

うちでも使える?

この事例の骨格は「汎用的な言語の力に、自分たちの専門知識を重ねる」という考え方です。業界固有の知識が文書やデータとして蓄積されていて、しかも地域・品目・顧客層などによって正解が変わる業務であれば、応用の余地は十分にあると考えられます。自社で基盤モデルを一からつくる必要はなく、既存のAIに自社の資料を参照させたり、対象ごとに知識を分けて持たせたりするだけでも、同じ発想を小さく試せるはずです。

反対に、判断の根拠が文書になっておらず担当者の頭の中にしかない場合や、地域・品目ごとの違いを示す記録がそろっていない場合は、AIに上乗せする材料そのものが足りません。また、この事例は検証の場を持つ研究機関だからこそ試作と実証を回せる面があり、試した結果を確かめる現場を確保できないと、精度を上げていく流れは止まりがちです。

まずは、自社でよく受ける質問を一つ選び、その答えが地域や商品によってどう変わるかを、手元の資料だけで説明できるか試してみてはどうでしょうか。

06 — Company

この事例の支援企業

国

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

約20年にわたり収集した700億ページ超の日本語中心Webデータから学習データを整備し、日本語特化型の大規模言語モデルの試作やAIの安全性・信頼性向上の研究開発を進める研究機関。

この取り組みに関心があれば、
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の公式情報をご覧ください

記事の情報

出典
NICTは農研機構と連携し、農業特化型生成AIモデルの構築へ|2025年|NICT-情報通信研究機構発行元:国立研究開発法人情報通信研究機構
作成
公開情報をもとに、WarpBiz編集部が調べてまとめた記事です。
実施時期
この取り組みの実施時期は2025年11月です(更新 2026.10.01)。
この記事に載っている企業の方へ
本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除をご希望の場合はこちらからご連絡ください。

07 — Category

カテゴリー詳細

どこで使ったか

部門
全社共通・汎用業務
業務テーマ
全社共通・汎用業務›営農支援農業技術の普及

どんなAIで

AIの種類
AIモデル・構築手法›ファインチューニング(特定の業務向けにAIを再学習)
活用データ
外部・Web・SNSデータ›Web記事・ニュース・ブログ
文書・ナレッジ›農業データ
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