株式会社きゅうりトマトなすび
一次産業や食に関連する現場に特化してデータサイエンス技術を社会実装する東大発農業AIスタートアップ。デジタルツイン農業基盤や農業特化型AIエージェントを通じて、食農バリューチェーン全体のDXを推進している。
この取り組みに関心があれば、
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※イメージ画像です01 — Overview
全国農業協同組合連合会(JA全農)は、営農・技術センター施設園芸研究室(神奈川県平塚市)の試験圃場で、農業AIスタートアップの株式会社きゅうりトマトなすび(CTE)が提供する農業デジタルツイン「ノウノウビジョン」を有償で導入し、本格運用を開始しました。これに先立ち、両者は施設園芸向けの生育データ取得技術を共同で開発しています。圃場内をカメラで撮影した映像から、AIが茎葉・花・果実を見分け、植物を三次元データとして組み立て直し、圃場全体を画面上に再現します。担当者はWebブラウザ上で、茎の長さや太さ、花や果実の数、葉面積といった生育情報を数値として確認できます。これまで人の目と手で行ってきた生育調査を、個体から圃場全体まで継続的に捉える仕組みに置き換えることが狙いです。
出典:株式会社きゅうりトマトなすび(発行元:株式会社きゅうりトマトなすび)
02 — Problem
施設園芸では、温度・湿度・CO₂・日射量といった環境データの取得と制御はすでに進んでいました。一方で、その環境のもとで作物が実際にどう育っているかは、人による生育調査や目視に頼る部分が多く残っていました。伸長量や茎径、葉面積、開花・着果の状況を細かく測るには手間がかかるため、調べられる株数・頻度・項目はどうしても絞られます。
編集部の見立てでは、困りごとの核心は「調査が大変」という労力の問題そのものより、環境側と作物側のデータ量が釣り合っていない点にあったと考えられます。環境は常時記録されているのに、作物の反応は一部の株を時々測った値しか残らない。これでは、せっかく集めた環境データを「その結果どう育ったか」と突き合わせることができず、栽培研究の分析が片側だけで止まってしまいます。
03 — Key points
カメラ映像から植物を三次元で組み立て直し、長さや太さ、葉面積を数値として取り出す設計が、人が物差しで測っていた作業を撮影の繰り返しに置き換えています。写真を見て判定するだけの画像解析では、花や果実の数は数えられても、茎径や葉面積のような立体的な量は測りにくいはずです。3Dデータを介在させたことで、調査項目を削らずに対象株数を広げる道が開けたと考えられます。
もう一つの要因は、技術を持つ側と栽培の知見を持つ側が役割を分けて共同開発した点です。CTEが画像解析・3D解析・デジタルツインの技術基盤を担い、全農の営農・技術センターが施設園芸の栽培・研究知見を持ち込む形で、実際の試験圃場を舞台に開発が進められました。どの部位を見分け、何を測れば栽培判断に役立つのかは、研究現場の知見なしには定めにくいもの。現場の問いから逆算して計測項目を決められたことが、実運用に耐える形につながったのではないでしょうか。
さらに、このサービスが単体の計測ツールではなく、栽培計画や作業記録、販売までを扱う農業特化型のAIエージェント群「ノウノウシリーズ」の中で、現実の作物状態を取り込む入口として位置付けられている点も見逃せません。取得したデータの行き先があらかじめ描かれているため、測ること自体が目的化しにくい設計になっています。
04 — Results
今回の発表は本格運用の開始段階であり、定量的な成果はまだ示されていません。導入で目指す効果として、生育調査の省力化、調査対象の株数と取得情報量の拡大、圃場全体の生育状況や個体差・時系列変化の可視化、生育異常の早期把握、収量予測精度の向上、作物状態に応じた環境制御への活用などが挙げられています。今後は時系列で蓄積される作物データを使い、生育診断や病害虫検知、収穫時期・収穫量予測への応用を進める計画です。いずれも現時点では狙いの段階であり、実際にどこまで効果が出るかは運用の蓄積を待つ必要があります。
05 — For your company
応用を考えやすいのは、同じ場所で同じ対象を繰り返し観察し、その変化を記録している現場です。温室のようにカメラを設置・巡回させやすい閉じた空間で、すでに環境データは取れているのに対象物の状態は手で測っている、という組み合わせなら、この事例の構図がそのまま当てはまります。形や大きさ、数といった「見れば測れる」指標が判断材料になっていることも条件になるでしょう。
反対に、葉が密に重なって映像に映らない部分が多い作物や、露地のように天候や光の条件が大きく変わる場所では、三次元での再現や部位の見分けの精度が落ちる可能性があります。また、糖度や食味のように外見から読み取れない指標が判断の中心なら、撮影だけでは足りません。そもそも環境データの記録がなければ、作物データと突き合わせるという本来の価値も生まれにくいはずです。
まずは、いま手作業で測っている生育項目のうち、映像で置き換えられそうなものとそうでないものに印を付けてみてはいかがでしょうか。
06 — Company
一次産業や食に関連する現場に特化してデータサイエンス技術を社会実装する東大発農業AIスタートアップ。デジタルツイン農業基盤や農業特化型AIエージェントを通じて、食農バリューチェーン全体のDXを推進している。
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07 — Category
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