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  5. 写真で病害虫を診断するAIと営農地図を連携、地域の発生状況を共有する構想|日本農薬株式会社の導入事例

やさしく事例解説実施 2024.04 ・ 更新 2026.10.01

写真で病害虫を診断するAIと営農地図を連携、地域の発生状況を共有する構想

導入企業日本農薬株式会社製造業
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支援企業株式会社NTTデータCCS
取り組み領域
病害虫・雑草の防除管理/農作業記録
使ったAI
病害虫雑草診断AIアプリ(画像AI)+営農管理システム連携
主な成果
地域の病害虫発生状況を地図で把握できる仕組みを2025年4月に提供予定
写真で病害虫を診断するAIと営農地図を連携、地域の発生状況を共有する構想 のヘッダー画像※イメージ画像です

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 病害虫の発生状況をつかむのが遅れがち
  • 現場の記録が紙や個人のスマホに散らばる
  • 見回りできる指導役が足りない
概要困りごと工夫成果うちでも?企業

01 — Overview

どのようなAIの取り組み?

全体像

写真で病害虫を診断するAIと営農地図を連携、地域の発生状況を共有する構想 の全体像の図解

取り組みの概要

日本農薬は、スマートフォンで撮った写真から作物の病害虫や雑草を診断するアプリ「レイミーのAI病害虫雑草診断」を2020年から配信しています。このAIは同社と株式会社NTTデータCCSが共同で開発したものです。今回の発表では、アプリに写真とタグで病害虫や作業内容を残せる記録機能を2025年3月に加え、JA全農の営農管理システム「Z-GIS」とつなぐ新しいソリューションを2025年4月から提供する計画を示しています。診断データの連携は2024年4月からベータ版として動いており、新ソリューションの提供にあわせて正式版となる予定です。複数の利用者が残した記録をZ-GISの地図上にまとめて表示し、指導員や生産者が地域全体の状況を把握できるようにする狙いです。

出典:000030830.pdf(発行元:日本農薬株式会社)

02 — Problem

何に困って、AIを入れたのか

背景には二つの事情があります。気候変動や物流の活発化によって、地域の外から入り込む病害虫や雑草が増え、その発生をできるだけリアルタイムにつかみたいという要請が強まっていること。そして、防除の指導を担う普及指導員やJA指導員の人手が足りなくなっていることです。

編集部の見立てでは、困りごとの芯は「診断できないこと」ではなく、「一つひとつの圃場で得た気づきが、地域の情報として束ねられていないこと」にあったのではないでしょうか。個々の生産者がアプリで診断できても、その結果が手元にとどまる限り、侵入してくる病害虫の広がりは見えてきません。少ない指導員で広い地域を見るには、現場の目を増やし、その記録を一か所に集める仕組みが要る。今回の連携は、その課題への答えとして読めます。

03 — Key points

どうやって、うまくいったのか

まず注目したいのは、記録の入力を「写真を撮ってタグを付けるだけ」にまで削ぎ落とした設計です。位置情報と日時は自動で取得されるため、スマートフォン操作に不慣れな生産者でも、圃場の場所や記録した日付を打ち込む必要がありません。地図上に集めて意味を持つデータにとって、位置と時刻は欠かせない要素です。そこを人の手に委ねない作りにしたことが、集まるデータの質と量の両方を支えると考えられます。

次に、AIアプリと地図システムの役割をはっきり分けた点です。レイミーは現場で写真を撮り、診断し、記録する「入口」に徹し、Z-GISは圃場の区画情報と営農データをひもづけて地図上で管理する「集約先」を担います。JA全農のZ-GISはすでにJAグループの担い手サポーターであるTACを中心に普及が進められており、新たな管理画面を一から広めるより、使われ始めている基盤に記録を流し込むほうが現場に届きやすい。診断AIを単体で完結させず、別組織のシステムと組み合わせた判断の妥当性はここにあると編集部は見ています。

もう一つ見逃せないのが、データ共有を完全なユーザー承認制にした点です。Z-GIS側の利用者はレイミー利用者の認証を受けて初めて記録を取得でき、無断で使われることはありません。生産者にとって圃場の病害虫情報は外に出したくない場合もあるはずで、提供するかどうかを本人が決められる設計が、記録を寄せてもらうための信頼の土台になると考えられます。診断データの連携を1年近くベータ版として運用してから正式版に移す段取りも、実際の使われ方を確かめながら仕組みを固めていく進め方として注目できます。

04 — Results

具体的に、どんな成果が出たのか

本件は2025年1月時点の発表で、記録機能は2025年3月の実装予定、新ソリューションは同年4月の提供開始を目指して開発中の段階です。そのため、定量的な成果はまだ示されていません。期待される効果として、病害虫の発生情報をタイムリーに集めて拡散リスクを素早く評価すること、写真を撮るだけで農作業の記録と進捗管理を一元化すること、霜や大雨といった災害時の被害を早くつかみ対策の検討につなげることが挙げられています。日本農薬は今後もアプリの機能拡充と社外パートナーとの連携強化を進める方針を示しています。

改善・向上したこと
データ分析・意思決定支援生産性向上
取り組み内容
既存システムとのAI連携新サービス・製品開発

05 — For your company

うちでも使える?

応用しやすいのは、多くの人が広い範囲に散らばって現場を見ており、その観察結果を場所と時刻つきで集めれば全体像が浮かび上がる業務です。設備の巡回点検、店舗の売場チェック、地域の見回りなどは構造が近く、写真と位置情報を自動で結びつける入口を用意し、既存の地図や管理システムに流し込むという発想はそのまま参考になるでしょう。

一方で、この仕組みは記録を寄せてくれる人が一定数いてこそ成り立ちます。今回の事例では、無料で使える診断アプリという「記録する理由」がすでに生産者の手元にありました。記録する側に直接の見返りがない業務や、情報提供に強い抵抗がある現場では、承認制を設けても集まるデータが薄くなりやすいはずです。また、集約先となる地図・管理システムが組織内に根づいていなければ、つなぎ先そのものから用意する必要が出てきます。

まずは、現場の担当者が今どんな写真をスマートフォンに撮りためているかを一度見せてもらい、そこに位置と日時が付いていれば何が分かるかを考えてみてはいかがでしょうか。

06 — Company

この事例の支援企業

株

株式会社NTTデータCCS

日本農薬と共同で「レイミーのAI病害虫雑草診断」のAIを開発した企業

この取り組みに関心があれば、
株式会社NTTデータCCSの公式情報をご覧ください

記事の情報

出典
000030830.pdf発行元:日本農薬株式会社
作成
公開情報をもとに、WarpBiz編集部が調べてまとめた記事です。
実施時期
この取り組みの実施時期は2024年4月です(更新 2026.10.01)。
この記事に載っている企業の方へ
本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除をご希望の場合はこちらからご連絡ください。

07 — Category

カテゴリー詳細

どこで使ったか

部門
農林水産業全社共通・汎用業務情シス・社内DX
業務テーマ
農林水産業›病害虫・雑草の画像検知
全社共通・汎用業務›自社システムへのAI連携
情シス・社内DX›システム連携

どんなAIで

AIの種類
画像AI›病害虫雑草の画像診断
活用データ
画像・動画・3D›衛星・地図・空間データ圃場の撮影画像
機械・設備・位置›GPS・位置情報・走行データ

何を使ったか

使ったAI
レイミーのAI病害虫雑草診断
つないだシステム
モバイルアプリ(iOS/Android)Z-GIS
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