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  5. 稚魚の数え作業を人手の半分以下の時間に、マルハニチロの養殖魚カウントAI|マルハニチロの導入事例

やさしく事例解説実施 2024.02 ・ 更新 2026.10.01

稚魚の数え作業を人手の半分以下の時間に、マルハニチロの養殖魚カウントAI

導入企業農業・林業・漁業
×
支援企業マルハニチロ
取り組み領域
養殖魚の尾数計測
使ったAI
画像解析AI(成魚AIカウンター「かうんとと」・稚魚AIカウンター)
主な成果
稼働テストで稚魚の計数が人手の半分以下の時間に
稚魚の数え作業を人手の半分以下の時間に、マルハニチロの養殖魚カウントAI のヘッダー画像※イメージ画像です

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 生き物の数を手作業で数えている
  • 重さからの概算で数がずれがち
  • 動くものの計数をカメラで自動化したい
概要困りごと工夫成果うちでも?企業

01 — Overview

どのようなAIの取り組み?

全体像

稚魚の数え作業を人手の半分以下の時間に、マルハニチロの養殖魚カウントAI の全体像の図解

取り組みの概要

水産大手のマルハニチロでは、中央研究所 技術開発課ICTチームが、養殖魚の尾数をAIで数える技術を自社で開発しています。対象は大きさも動きも異なる稚魚と成魚で、それぞれ別のAIカウンターを用意しました。稚魚は撮影部分だけを平らにした専用の配管に流し、カメラ画像から1尾ずつ認識して数えます。成魚向けの「かうんとと」は、尾を除いたラグビーボール状の魚体の形をAIに学習させることで、激しく動く魚を識別できるようにしており、この点は特許のコア要素になっています。稚魚のカウンターは、先行した「かうんとと」の技術を土台に開発され、稼働テストでは人手の半分以下の時間で数えられるとされています。

出典:成魚AIカウンター「かうんとと」が養殖の未来を切り拓く!!中央...(発行元:マルハニチロ(Oishiine!!))

02 — Problem

何に困って、AIを入れたのか

養殖の現場では、稚魚を網でバケツに移して重さを量り、1尾あたりの重さで割って尾数を出す方法が今も一般的です。魚にも作業者にも負担がかかるうえ、精度も高くありません。成魚なら目で数えることもできますが、1日に数千から数万尾、大きさも向きもばらばらで跳ね回る魚が相手です。

編集部の見立てでは、ここでの課題は「数える手間」以上に、「生き物を傷めずに、正確な数を知る手段がなかった」ことにあります。重さで割る方式は、正確さを捨てる代わりに作業を成り立たせてきた妥協の産物ともいえるでしょう。尾数は出荷や給餌など養殖経営の前提になる数字なので、その土台が概算のままだったことが、AI活用の出発点になったと考えられます。

03 — Key points

どうやって、うまくいったのか

尾を除いた魚体の形だけを学習させるという割り切りが、成魚の計数を成立させた最大の要因だと考えられます。泳ぐ魚の尾は形の変化が大きく、そのすべてを網羅して学習させるのは現実的ではありません。「覚えさせる対象を、変化の小さい部分に絞る」という発想の転換によって、AIが迷う余地そのものを減らしています。映像の中でカンパチだけを数え、混じったカワハギは数えない識別ができているのも、この形の定義が効いているからでしょう。

稚魚では、AIの性能を上げる前に「撮りやすい状況」を物理的に作っている点が目を引きます。撮影部分だけを平らにした配管は、食品工場や飲料工場で配管中の液体を目で確かめる仕組みから着想を得たもので、食品製造も手がける同社の知見が養殖に持ち込まれた形です。魚を一定の厚みと流れに整えれば、画像は安定し、認識の難度は下がります。流速の調整に苦労したという点からも、撮影環境の設計がAIの精度と一体で詰められていたことがうかがえます。

先行した成魚カウンターの技術を稚魚カウンターへ転用した進め方も、見逃せません。一つの成功で得た認識の仕組みを横展開することで、開発を一から繰り返さずに済んでいます。体長計測や魚群行動の解析へと画像解析の対象を広げていることから見ても、現場の課題ごとに技術を積み上げていく内製チームの体制が、こうした転用を可能にしていると考えられます。

04 — Results

具体的に、どんな成果が出たのか

稚魚AIカウンターは稼働テストの段階にあり、人が数えるより半分以下の時間でカウントできるとされています。成魚AIカウンター「かうんとと」では、計測対象の魚だけを識別して数え、結果をタブレットで確認できる形になっています。尾を除いた形を学習させる手法は特許を取得しており、関連して魚の体長を画像で計測する技術も特許を取得済み、魚群行動の解析技術は出願済みです。今後については、遠隔地からスマートフォンやPCで魚や養殖場の状態を確認できるようにするなど、養殖のスマート化を進める方針が示されています。作業負担の軽減で担い手が増えることへの期待も語られており、計数の自動化は人手不足対策の入り口としても位置づけられているようです。

改善・向上したこと
対応時間・リードタイムの短縮生産性向上業務の自動化

05 — For your company

うちでも使える?

応用しやすいのは、対象物を「一定の通り道」に流せる現場です。部品や農産物、小型の個体などを搬送路やシュートに通せるなら、撮影箇所の形状や流速を工夫して画像を安定させ、そのうえでAIに数えさせるという組み立ては参考になります。認識しにくい部分をあえて学習対象から外す考え方も、形が変わりやすい対象の検出全般に通じるでしょう。

一方で、対象を整列させたり流したりできない状況、たとえば広い生け簀や屋外で群れ全体を一度に数える場合は、同じ手法をそのまま持ち込むのは難しいはずです。重なりや隠れが大きいと、形の定義を工夫しても限界があります。また、この事例は配管の設計や特許化まで含めて社内の研究部門が積み上げたもので、専門チームを持たない企業では、外部の支援を前提に考える必要がありそうです。

まずは、自社で数えているものを1つ選び、それを一列に並べて流せるか、撮影しやすい場所を作れるかを現場で確かめてみてはどうでしょうか。

06 — Company

この事例の支援企業

マ

マルハニチロ

魚の養殖と食品製造を手がける企業。中央研究所 技術開発課ICTチームが養殖のスマート化に向けた技術開発を行う。

この取り組みに関心があれば、
マルハニチロの公式情報をご覧ください

記事の情報

出典
成魚AIカウンター「かうんとと」が養殖の未来を切り拓く!!中央...発行元:マルハニチロ(Oishiine!!)
作成
公開情報をもとに、WarpBiz編集部が調べてまとめた記事です。
実施時期
この取り組みの実施時期は2024年2月です(更新 2026.10.01)。
この記事に載っている企業の方へ
本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除をご希望の場合はこちらからご連絡ください。

07 — Category

カテゴリー詳細

どこで使ったか

部門
全社共通・汎用業務
業務テーマ
全社共通・汎用業務›AIによる定型業務の自動化養殖魚の尾数計測

どんなAIで

AIの種類
画像AI›行動分析個体カウント魚体長計測
活用データ
画像・動画・3D›養殖魚の撮影画像

何を使ったか

使ったAI
かうんとと
つないだシステム
タブレット撮影用特殊配管
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