実施 2025.03 ・ 更新 2026.10.09
JAの未収金案内電話をAIが自動発信、時間外の折り返し受付まで担う仕組み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 未払いの確認電話に職員が追われている
- 督促の電話が気が重く後回しになる
- 窓口時間外の折り返しに対応できない
どのようなAIの取り組み?
AIの電話自動案内で、共済掛金・購買代金の未収案内電話の自動化を始めたAI取り組み
業種
農業協同組合(農業・林業・漁業)
取り組み領域
未収金の案内電話/入金確認
使ったAI
電話自動案内システム「AIコンシェルジュⓇ」(音声認識・音声合成)
主な成果
職員の工数削減と未収金回収率の向上を見込む
福島県のJAふくしま未来が、組合員や利用者への「未収案内電話」をAIに任せる運用を2025年3月12日に開始しました。使われているのは、株式会社TACTが提供する電話自動案内システム『AIコンシェルジュⓇ』です。AIが対象者へ自動で発信し、共済掛金や購買代金の入金状況を確認します。未収があれば払込み方法を案内し、音声認識で入金予定日を聞き取ります。電話に出られなかった人には折り返し電話の受付を24時間365日用意し、あわせて個別にSMSで未収金の存在を知らせる流れです。狙いは職員の工数削減と、時間外の折り返し受付による回収率の向上で、いずれも現時点では期待される効果として示されています。
出典:JAふくしま未来にて、電話自動案内システム『AIコンシェルジュⓇ』を用いた「共済掛金・購買代金の未収案内電話」の自動化を開始 | TACT 発行元:株式会社TACT
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
JAふくしま未来では、共済掛金や購買代金の未収案内電話を職員が担ってきましたが、業務量が非常に多く、職員の負担が大きな課題になっていました。加えて、窓口時間外にかかってくる折り返しには対応できていませんでした。
編集部が注目するのは、この困りごとが「電話の本数が多い」だけの話ではない点です。未収案内は、相手が電話に出る時間と職員が電話をかけられる時間が噛み合わなければ、何度かけ直しても前に進みません。日中に働いている組合員ほど連絡がつきにくく、その分だけ職員の再架電が積み上がる。負担の根っこには、窓口の営業時間という枠に連絡手段が縛られていた構造があったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
まず、確認から案内、入金予定日の聞き取りまでを一続きの会話として定型化した点が、この設計の要になっていると考えられます。未収案内は、入金の有無を確かめ、払込み方法を伝え、いつ払うかを聞くという、話す順番がほぼ決まった業務です。AIが担うのは判断を要する交渉ではなく、この決まった流れの読み上げと聞き取りに限られており、音声認識で予定日を回収できれば、職員はその結果を見て次の対応を考えるだけで済みます。
次に効いているのは、「かける」だけでなく「受ける」と「送る」を組み合わせた連絡経路の設計です。電話に出られなかった人向けに24時間365日の折り返し受付を開き、さらに個別のSMSで未収の存在を知らせています。発信・受電の両方に対応できる仕組みだからこそ、相手の都合に合わせて接点を後ろにずらせるわけで、前段で見た「時間が噛み合わない」問題に正面から応える構成です。
もう一点、既製の電話自動案内システムを、JAがもともと抱えていた定型の架電業務にそのまま当てはめた導入の仕方も見逃せません。TACTはBPOやコールセンター運営を軸に、電話自動案内やSMS送信のサービスを提供している事業者で、システムの提供元と業務の持ち主の役割がはっきり分かれています。業務側が「どの電話をAIに渡すか」を切り出せていれば、個別開発を挟まずに運用へ進める余地が生まれます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
自動化は2025年3月12日に始まったばかりで、公表されている効果はいずれも見込みの段階です。定型的な電話発信を自動化することで職員の工数を削減すること、そして従来は対応できなかった窓口時間外の折り返し受付によって未収金の回収率向上が期待されています。削減時間や回収率の具体的な数値は示されておらず、実績の評価は今後の運用結果を待つ必要があります。
うちでも使える?
応用しやすいのは、相手と伝える内容があらかじめ決まっていて、会話の流れがほぼ固定された発信業務です。会費や利用料の未払い確認、予約や更新手続きのリマインドなど、「確認して、案内して、予定を聞く」で完結する電話なら、この事例と同じ構造に乗せられる可能性があります。電話がつながりにくい相手が多い業務ほど、時間外の折り返し受付やSMS併用の価値は大きくなるでしょう。
一方で、未払いの背景に家計の事情や契約上の争いがあり、分割や猶予の相談に発展しやすい相手が多い場合は、AIの定型会話だけでは受け止めきれません。どこで職員に引き継ぐかを決めないまま自動化すると、かえって関係をこじらせる恐れもあります。まずは直近1か月の督促電話の記録を見て、「入金予定日を聞いて終わった通話」がどれだけあったかを数えてみてはいかがでしょうか。その割合が、AIに任せられる範囲の目安になります。
この事例は2025年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:音声AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社TACT
USEN&U-NEXT GROUPの企業。BPO・コールセンターオペレーションを軸にAI・ICT技術でコールセンターの効率化・コスト削減を支援し、AIコンシェルジュ事業、RPAコンサルティング事業、コールセンター受託運営事業を展開。
ふくしま未来農業協同組合(JAふくしま未来)
出典・参考情報
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