実施 2025.06 ・ 更新 2026.10.08
生成AIで契約書を自動台帳化、王子HDが挑むグループ契約管理の一元化
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 締結後の契約書がどこにあるか分からない
- 契約書の管理が担当者任せになっている
- グループ各社の契約情報がばらばら
どのようなAIの取り組み?
生成AIが締結済み契約書を読み取って台帳を作るクラウドサービスで、グループの契約書管理の一元化を進めている事例
業種
製紙・生活産業資材(製造業)
取り組み領域
法務/締結済み契約書の管理
使ったAI
Hubble mini(GPT-4oによる契約書解析・台帳自動作成)
主な成果
法務部と一部グループ会社で本格運用を開始し、契約管理の一元化を段階的に推進中
製紙を起点に生活産業資材や機能材、資源環境ビジネスなどを展開する王子ホールディングスは、法務部による契約審査ですでにHubbleの契約業務・管理クラウドサービス「Hubble」を使っていました。今回、ホールディングス法務部と一部のグループ事業会社を対象に、同社の締結済み契約書向けサービス「Hubble mini」を正式導入し、本格運用を始めています。このサービスでは、契約書のPDFをアップロードすると、OpenAIのGPT-4oが内容を解析して契約台帳を自動で作ります。締結前の審査に加えて締結後の保管・管理も同じ系列のサービスでつなぎ、グループ全体で契約情報を集めて活用できる体制づくりを段階的に進めている段階です。
出典:王子ホールディングス株式会社に、契約書管理クラウドサービス「Hubble mini」が導入されました|Hubble|AI契約業務・管理クラウドサービス 発行元:株式会社Hubble
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
王子ホールディングスでは、契約審査はホールディングスの法務部、契約締結の実務は各事業会社という分担を取っています。締結前の審査はすでにHubbleを通じて各社とつながっていた一方、締結後の契約書は管理が担当者任せになり、情報も各所に散らばったままでした。
編集部が注目するのは、課題が「締結後」という特定の区間に偏っていた点です。審査の段階では法務部という集約点がありますが、締結された契約書は各事業会社の手元に戻ります。そこから先に共通の置き場や入力ルールがないため、保管の仕方が担当者ごとに分かれてしまう。困りごとの本質は、法務部と事業会社の分担の境目で、契約情報の流れが途切れていたことにあったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
第一の要因は、すでに使っていた審査用サービスの延長線上に、締結後の管理を足すという選び方です。Hubbleは審査業務の情報集約のために導入済みで、法務部はその操作性をすでに体感していました。同じ系列のサービスで締結前後をつなげば、事業会社側に新しい操作を一から覚えてもらう負担が小さくて済みます。グループ会社を巻き込む取り組みほど、現場になじんだ道具を起点にする意味は大きいはずです。
第二の要因は、台帳づくりの入力作業をAIに任せる仕組みにあります。締結済み契約書のPDFを読み込ませると、GPT-4oが契約内容を解析し、主要9項目に加えて企業ごとに決めた管理項目まで自動で埋めていきます。属人化の温床になりやすいのは、誰がどの項目をどう書くかという入力のばらつきです。人の手を介さずに同じ形式の台帳ができあがる設計は、各社に散らばった契約書を一つの基準でそろえる土台になると考えられます。
もう一つ見逃せないのが、対象をホールディングス法務部と一部の事業会社に絞り、定着を段階的に進めている点です。いきなり全社に広げず、運用が回る範囲から固めていく進め方は、分担体制の異なる事業会社が多いグループ組織では現実的な選択といえます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
現時点で公表されているのは、Hubble miniの正式導入と本格運用の開始であり、作業時間の削減などの定量的な成果は示されていません。ホールディングス法務部と一部のグループ事業会社で運用定着に向けた取り組みが段階的に進められており、契約締結の前後を通じた一元的な運用体制の構築と、契約業務全体の高度化を目指している段階です。効果の検証はこれからであり、成果の評価は今後の運用を待つ必要があります。
うちでも使える?
応用しやすいのは、契約書のように書式がある程度決まっていて、締結日や更新期限など管理したい項目がはっきりした文書が、複数の部署や拠点に散らばっている組織です。特に、審査や承認は本社、保管は現場という分担になっている会社では、この事例と同じ「締結後に情報が途切れる」構造を抱えている可能性があります。
一方で、この事例は審査用サービスをすでに使っていたという前提の上に成り立っています。契約業務のどの工程にもまだ仕組みがない会社では、締結後の管理だけを先に整えても、審査側との連携までは得られません。また、AIが読み取った項目が正しいかを誰が確認するのか、各社のどこまでを対象にするのかといった運用の線引きは、ソースからは読み取れず、自社で決める必要があります。
手始めに、直近で締結した契約書を数件取り出し、更新期限がすぐに答えられるかを試してみてはどうでしょうか。答えに詰まる件数が、台帳化の必要性をはかる目安になります。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社Hubble
契約業務・管理クラウドサービス「Hubble」、締結済み契約書をAIでデータベース化する「Hubble mini」、NDA締結プラットフォーム「OneNDA」、法務向けメディア「Legal Ops Lab」を提供・運営。Hubbleシリーズは500社以上が利用(2025年6月時点)。
王子ホールディングス株式会社
出典・参考情報
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