実施 2026.03 ・ 更新 2026.10.06
請求照合を5〜6時間から15分へ、ホクレンのノーコードアプリとAI照合
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 取引先とのやり取りが電話とメール頼み
- どのExcelが最新版か分からない
- 請求と実績の突き合わせに半日かかる
どのようなAIの取り組み?
ノーコードの業務アプリとAIによる書類照合で、外部組織との受発注や契約事務を一元化したAI取り組み
業種
農業協同組合連合会(農業)
取り組み領域
受発注管理/契約・書類照合
使ったAI
kintone(ノーコードツール)上のAIによる書類自動照合
主な成果
請求内容の照合時間を5〜6時間から15分に短縮
北海道の農業協同組合連合会であるホクレンは、ドローンによる農薬の請負散布を始めたものの、ホクレン・JA・散布業者の3者間の受発注は電話やメール、Excelで回しており、請求と散布内容の突き合わせに手間がかかっていました。そこでサイボウズのノーコードツール「kintone」を採用し、3者が受発注を扱えるアプリを作成。外部組織を招き入れて共同編集できるゲストスペースも使っています。さらに、法改正で約5,000件の生乳生産者との契約が必要になった場面では、入力情報から契約書を自動生成する仕組みと、AIが登録内容と添付書類を照合し、評価の算出や受理報告メールの作成・送信まで行うアプリを自作しました。請求照合の所要時間は5〜6時間から15分になり、散布事業の規模は従来の3倍に広がっています。
出典:ホクレン、ドローンを使った農薬散布にkintoneを活用。事業規模を3倍に拡大 5,000件の契約書作成自動化とAI照合で、業務削減とミスゼロも達成 | サイボウズ株式会社 発行元:サイボウズ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
ドローン散布の現場では、ホクレン・JA・散布業者の3組織が電話・メール・Excelで情報をやり取りしており、どのファイルが最新か分からなくなる混乱や書式のばらつきが起きていました。その結果、請求内容と実際の散布内容を突き合わせる作業に長い時間がかかり、事業を広げる余地が狭まっていました。
編集部の見立てでは、問題の核心は作業量そのものより、「正となるデータが組織ごとに散らばっていたこと」にあったと考えられます。3者がそれぞれ手元のファイルを持つ限り、照合とは食い違いを探す作業にならざるを得ません。事業を伸ばすほど照合の手間も比例して膨らむ構造だった点が、伸び代を抑えていた本当の理由ではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
外部組織を同じ画面に招き入れるゲストスペースの活用が、最も大きな転換点だったと考えられます。受発注の情報を3者が別々に持つのではなく、一か所のアプリに入力して共同編集する形に変えたことで、「どれが最新版か」という問い自体が消えます。照合の手間を減らすより先に、照合が必要になる原因を断つ設計です。この仕組みは30の組織、外部連携プラグインを含めて100社以上の関係先へと広がっており、社外との共有を前提に作られた土台だからこそ横展開しやすかったのでしょう。
次に効いているのは、データが揃った状態を前提に自動化を重ねていった順序です。約5,000件の生乳生産者との契約では、入力情報から契約書を生成し、AIが登録内容と添付書類を突き合わせ、評価の算出から受理報告メールの送信までを一続きで処理するアプリを現場側で自作しています。入力が構造化されているため、AIの照合対象がはっきりし、人が書類を一枚ずつ見比べる工程を丸ごと置き換えやすくなったと考えられます。
もう一つは、ツールを使い分ける方針を明確にしたことです。デジタル推進課は「デジタルシフト相談会」で現場の課題を直接集め、社外との連携や現場主導の開発が必要な業務にはkintone、社内に閉じて高度なIT知見を要する業務にはMicrosoft製品やRPAを充てています。すべてを一つのツールで賄おうとしない線引きが、ノーコードの強みが生きる領域に取り組みを集中させたのではないでしょうか。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
ドローン散布では、請求内容の照合にかかる時間が5〜6時間から15分へ短くなり、事業規模は従来の3倍に拡大しています。生乳生産者との契約業務では、234時間の労働時間削減とミスゼロを達成しました。事業者は24時間いつでも内容を確認・修正できるようになり、問い合わせも大幅に減っています。書類管理の負担がなくなったことで、現場の心理的な負担軽減と業務スピードの向上が両立した点も成果として挙げられています。今後は2025年度に始めたグループ全体の業務改善支援を軸に、情報共有ポータルからの発信を強めていく方針です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、自社だけでなく取引先や委託先など複数の組織が同じ案件の情報を扱い、そのやり取りがメールや表計算ファイルに分散している業務です。発注・実施・請求の各段階で同じ情報を何度も書き写しているなら、共有の入力画面に寄せるだけでも照合作業の性質が変わる可能性があります。件数の多い定型的な契約や申請で、登録内容と添付書類を突き合わせる工程がある場合も、AI照合を組み込む余地があるでしょう。
一方で、相手先の組織が外部のツールへの参加に消極的だったり、取引先ごとに書式や項目を変えざるを得なかったりする場合は、この事例のような一元化は難しくなります。照合の判断基準が担当者ごとに異なり明文化されていない書類も、自動照合に乗せる前に基準づくりが必要です。まずは直近1か月分の請求と実績の突き合わせで、どの項目の食い違いに最も時間を取られたかを確かめてみてはどうでしょうか。
この事例は2026年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
サイボウズ株式会社
ノーコード・ローコードツール「kintone」を提供。東証プライム上場企業の47%を含む41,000社以上が利用。
ホクレン農業協同組合連合会
出典・参考情報
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