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  5. カメラAIの声かけで肥育牛が数分で起立、和牛肥育農場の事故対策|合同会社きたやつファームの導入事例

✓ やさしく事例解説
農業・林業・漁業
黒毛和種の肥育(畜産業)

実施 2024.12 ・ 更新 2026.10.04

カメラAIの声かけで肥育牛が数分で起立、和牛肥育農場の事故対策

開発(実装支援・AI搭載支援)
AIツール・サービス

プロジェクト期間:半年〜 1年

※イメージ画像です

カメラAIの声かけで肥育牛が数分で起立、和牛肥育農場の事故対策 のプロジェクト概要図解

取り組み概要

やさしく事例解説

プロジェクト解析

実施・導入企業

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 夜中の家畜の急変に駆けつけられない
  • 少人数で複数の事業を回している
  • 通知が来ても間に合わない事故がある
OVERVIEW

どのようなAIの取り組み?

カメラ映像のAI判定と特殊音による声かけで、肥育牛の起立困難に現場へ行かずに対処したAI取り組み

業種

和牛肥育(農業・畜産)

取り組み領域

家畜の見守り/事故防止

使ったAI

ブジダス(カメラ映像のAI判定と声かけ)

主な成果

通知後2〜3分、長くても5〜10分で牛が声かけにより自ら起立

カメラAIの声かけで肥育牛が数分で起立、和牛肥育農場の事故対策 のプロジェクト概要図解

長野県佐久市で黒毛和種を肥育する合同会社きたやつファームは、2024年12月、NTTテクノクロスが開発した起立困難対策サービス「ブジダス」を導入しました。起立困難は、横向きに寝た牛の胃にガスがたまって起き上がれなくなり、数時間で命に関わる事故です。ブジダスはカメラ映像だけをAIで解析して兆候を判定し、特殊な音を鳴らして牛が自分で起きるよう促します。同時にメールで通知が届き、映像はスマートフォンなどで確認できます。農場では最初に4台のカメラを設置して1台から稼働を始め、月齢の進んだ牛の増加と効果の実感を受けて2台目を稼働させています。

出典:合同会社きたやつファーム様 | 導入事例 | NTTテクノクロス株式会社 発行元:NTTテクノクロス株式会社

EASY GUIDE

やさしく事例解説

何に困って、AIを入れたのか

きたやつファームの代表は、兄が営む酪農牧場の仕事と並行して肥育を手がけており、時間の多くを手間のかかる酪農側に割かれる状況でした。そこで壁になったのが起立困難です。見つけたらすぐ牛を起こさなければならず、その作業自体が重労働で、夜間やお産と重なれば手が回りません。

獣医師である当事者が、病気なら持ち直せても起立困難だけは時間制限と人手の問題でどうにもならないと捉えている点に、この課題の核心が表れています。編集部の見立てでは、問題は「異常に気づけないこと」よりも、「気づいてから人が到着して処置するまでの時間」を埋められないことにありました。知らせる仕組みだけでは解けない種類の困りごとだったと考えられます。

どうやって、うまくいったのか

最も大きな要因は、AIの役割を「検知して人に知らせる」で止めず、その場で牛に働きかけるところまで一続きにした設計にあると考えられます。起立困難は発生から2〜3時間で死に至るうえ、人が着いた時点では自力で起き上がれないことが多い事故です。兆候の段階で特殊音を鳴らして自発的な起立を促す仕組みは、人の移動時間というボトルネックそのものを工程から外しています。メール通知や映像確認は、人が判断するための補助として後ろに控える構成です。

通信環境の弱い現場を前提にした作りも、実運用を支えた要素といえます。この農場はネット環境が十分でなく、使えるサービスが限られていました。送るデータ量を絞り、回線が切れても声かけだけは動き続ける設計であれば、通知が届かない事態があっても最低限の安全網は残ります。命に関わる用途で、失敗時の挙動まで考えた作りが選定を後押ししたと見られます。

さらに、段階的な拡張を見越した導入の組み立ても合理的です。取り付け工事の手間とコストを避けるためにカメラを最初から4台設置し、稼働は1台から始め、リスクの高い月齢の牛が増えるのに合わせて台数を増やしています。設備は先に整え、使う範囲は必要に応じて広げるという順序が、小規模な農場でも無理のない投資にしていると考えられます。

具体的に、どんな成果が出たのか

改善・向上したこと

業務の自動化
品質・安全性向上
従業員満足度・働き方改善
データ分析・意思決定支援

この事例で出た成果

長時間横になっている旨の通知が来ても、2〜3分後、長くても5〜10分後には声かけで牛が起きており、代表は通知を受けて現場に向かったことが一度もない状態です。想定外の効果も出ています。長く座っている牛や顔を上げて寝ている牛の通知から、脚を痛めた牛に早く気づいて治療でき、出荷にこぎつけたケースがありました。声かけの稼働統計からは、給餌の約6時間後に牛がよく眠ることが分かり、その時間帯は音を立てる作業を控えるようになっています。今後は増頭に合わせ、最終的に6台の稼働を考えています。

うちでも使える?

この事例の骨格は、「異常を検知したら、人が来る前に現場の設備が最初の対処をする」という組み立てです。家畜に限らず、発生から対処までの猶予が短く、かつ最初の一手が機械的に打てる事象であれば応用の余地があります。逆に、最初の処置に人の手や判断がどうしても必要な事象では、同じ効果は見込みにくいでしょう。起立困難の場合は、音で牛が自分から起きるという対象側の反応があって初めて成り立っている点に注意が必要です。

副次的な使い方にもヒントがあります。本来は事故防止のための記録が、けがの早期発見や、牛が休む時間帯の把握にもつながりました。検知の記録を「いつ・どこで多く起きているか」という視点で見直すと、作業の段取りを変える材料になり得ます。まずは、自社で「気づいたときには手遅れだった」事象を一つ取り上げ、発生から手遅れになるまでに何分の猶予があるかを測ってみてはいかがでしょうか。

この事例は2024年12月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。

ANALYSIS

プロジェクト解析

プロジェクト内容

AI導入・支援形態

SaaS・AIツール導入

AIツール・サービスの提供形態

標準機能のみで導入

導入部門・データ活用

導入部門:全社共通・汎用業務

専用AIツールの導入
生育状況のモニタリング

活用したデータ:数値・Excel・ログ

システムログ・操作履歴
牛舎のカメラ映像

採用したAI技術・ツール

採用したAI技術:動画AI

動画解析
行動分析
監視・異常行動検知

AIモデル・ツール

ブジダス

連携ツール

連携したシステム・外部サービス

エッジデバイス・IoT機器
COMPANIES

プロジェクト実施・導入企業

実施・支援企業 (VENDOR)

NTTテクノクロス株式会社

肥育牛の起立困難をカメラ映像のAI判定と声かけで防ぐサービス「ブジダス」を開発・提供する企業

この取り組みに関心があれば NTTテクノクロス株式会社の公式情報をご覧ください

導入先企業 (CLIENT)
合同会社きたやつファーム
業種:黒毛和種の肥育(畜産業)

出典・参考情報

※本事例は以下の公開情報を元にWarpBiz編集部がリサーチ・作成しました。

合同会社きたやつファーム様 | 導入事例 | NTTテクノクロス株式会社

発行元:NTTテクノクロス株式会社

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