実施 2025.11 ・ 更新 2026.10.04
ドローン写真の自動解析で森林調査を約8割短縮、港湾運送会社の山林評価
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 現地調査に人手と日数がかかる
- ベテランと新人で判断基準がずれる
- ドローンを持っていても活かしきれない
どのようなAIの取り組み?
ドローン写真を自動解析するソフトで、森林調査にかかる時間を体感で約8割短縮したAI取り組み
業種
港湾運送・林業(農業・林業・漁業)
取り組み領域
森林調査/山林評価(材積の把握)
使ったAI
DF Scanner(ドローン写真の森林画像解析ソフト)
主な成果
森林調査の時間を体感で約8割短縮(6ha調査が合計2日で完了)
秋田県で港湾運送を営む能代運輸は、きみまち営業所で社有林の育成や素材生産、丸太や木質チップの供給も手がけています。スギ人工林の買い取り依頼を受けた際などに森林の材積(木材の量)を把握する必要があり、その調査は人が山に入って一本ずつ測る毎木調査が中心でした。そこでDeepForest Technologiesの森林解析ソフト「DF Scanner」を導入し、自社保有のカメラドローンで撮影した写真から、樹冠の分離、単木ごとの樹種識別、材積の推定までを一つのソフトで行う形に切り替えています。社有林を6ha買い足した際にこの方法で調査したところ、従来の毎木調査に比べて調査時間がおよそ8割短縮できたという実感が得られています。
出典:導入事例:能代運輸株式会社 様 | DeepForest Technologies 発行元:DeepForest Technologies株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
従来の毎木調査では、境界の確認、立木一本ずつの計測、金額の見立てと工程が分かれ、延べで3人が5〜6日山に入る規模の作業になっていました。加えて調査には経験が求められ、入社間もない社員と10〜20年のベテランとで、同じ山を見ても評価がそろわない状態が課題として意識されていました。
編集部の見立てでは、困りごとの核心は「時間がかかること」よりも、山林の価値を決める判断が人に依存していた点にあります。山林の買い取りは金額の根拠が問われる場面であり、評価が担当者によって揺れること自体が、事業上のリスクになっていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
手元にあった機材を起点に、解析の最後の一歩だけを埋めた選び方が導入の決め手になっています。能代運輸はすでにRTKドローン(高精度な位置情報を記録できるドローン)を持ちデータ解析も行っていましたが、材積までは算出できていませんでした。新たに高価な計測機器をそろえるのではなく、既存のカメラドローンの写真だけで樹種判別から材積推定まで完結できる道具を選んだことで、現場の撮影手順を大きく変えずに成果物だけを一段引き上げられたと考えられます。
もう一つの要因は、全自動解析を主に使うという運用の割り切りです。同じ手順で処理すれば誰がやっても同じ結果が出るという性質は、単なる操作のしやすさではなく、課題だった属人化への直接の処方箋になっています。熟練者の目利きに頼っていた判断を、手順の再現性に置き換えた点が、この事例の設計上の要でしょう。
さらに、価格帯が林業事業体向けに設定され、採算が合うと判断できたことも見逃せません。広い面積ほど効果が大きいと現場が捉えている点から見ても、費用と効果の見通しを最初に立てられたことが、試しで終わらず業務に組み込む後押しになったと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
6haの社有林を買い足した際の調査では、従来は境界調査に2人で半日、毎木調査に3人で5〜6日、金額見立てに1人で半日かかっていた工程が、ドローン活用により合計2日で完了しています。現場の感覚としては調査時間が約8割短縮され、調査面積が広いほどコスト削減効果が大きいと捉えられています。熊の出没リスクがある中で山に入る時間を減らせたことも、労働安全の面で重要な成果と受け止められています。今後はドローンと解析ソフトによる資源量把握をシステム化し、山林売買時の森林評価の標準にすることや、レーザードローンによる地形情報の把握も検討されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、屋外の広い範囲を定期的に、あるいは取引のたびに人が歩いて調べている業務です。すでにドローンを持っていて撮影はできるものの、そこから業務に必要な数字まで落とし込めていない組織なら、この事例と同じ構図が当てはまる可能性があります。評価基準を社内でそろえたいという動機がある場合は、自動解析の再現性がとくに効いてくるでしょう。
一方で、上空からの写真で判別しにくい対象、たとえば樹種が入り混じり樹冠が重なり合う林や、幹の内部の状態まで評価が必要な場面では、写真だけで完結させるのは難しいと考えられます。この事例もスギの優勢な人工林が中心であり、対象の性質が解析と相性の良い条件だった点は押さえておきたいところです。調査面積が小さい場合は、効果が相対的に小さくなることも現場の声からうかがえます。
まずは直近の現地調査1件について、工程ごとに何人が何日かけたかを記録してみてはどうでしょうか。どの工程が写真で代替できそうかが見えてきます。
この事例は2025年11月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:画像・動画・3D
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:画像AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
DeepForest Technologies株式会社
ドローン用森林解析ソフトウェア「DF Scanner」や現地調査アプリ「DF Walker」を開発・提供する企業
能代運輸株式会社
出典・参考情報
導入事例:能代運輸株式会社 様 | DeepForest Technologies
発行元:DeepForest Technologies株式会社
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