更新 2026.10.03
FAX注文書をAI-OCRでデータ化、受注作業を3分の1程度短縮した食品会社の事例
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- FAX注文の手入力に追われている
- 取引先ごとに注文書の書式がバラバラ
- 入力ミスが怖くて何度も見直している
どのようなAIの取り組み?
AI-OCRでFAX発注書をデータ化し、受注処理の作業時間を3分の1程度短縮したAI取り組み
業種
食品製造・販売(製造業)
取り組み領域
受注業務/FAX発注書の入力
使ったAI
発注書AI-OCR(invox)(AI文字認識)
主な成果
受注処理の作業時間を3分の1程度短縮
JA全農グループの全国農協食品株式会社では、菓子類を扱うソリューション営業部が、月2,000件前後に及ぶFAX注文を5名で手入力していました。注文書の約9割は取引先側の書式で、手書きも混じります。同部はインフォマートの『発注書AI-OCR(invox)』を無料トライアルで試したうえで採用し、導入前に業務フローの棚卸しと納品先コードの統一を実施しました。導入後はFAXをAIで読み取り、画面で確認してCSVで取り出したデータを発注書に貼り付ける流れに変わり、現在は受注の9割をこの仕組みで処理しています。
出典:発注書AI-OCR - 導入事例|全国農協食品株式会社 発行元:株式会社インフォマート
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
全国農協食品のソリューション営業部では、注文の約9割がFAXで届き、繁忙期には月2,500件を超える受注を5名で処理していました。画面で確認し、Excelへ打ち込み、発注書を作ってFAXし、さらに基幹システムにも入力する。どの工程にも手作業が挟まり、入力後の見直しにも時間を取られていました。FAX発注は業界の商習慣として根付いており、Web発注への切り替えも現実的ではありませんでした。
編集部の見立てでは、負担の核心は件数の多さよりも、同じ情報を人の手で何度も書き写す「転記の連鎖」にあったと考えられます。転記が重なるほどミスの入り口が増え、そのぶん確認作業と精神的なプレッシャーも膨らんでいく構造です。取引先の書式を変えられない以上、変えられるのは受け手側の入口だけだった、という点がこの事例の出発点といえます。
どうやって、うまくいったのか
取引先に書式の変更を求めず、受け手側の読み取りで吸収する方針が、FAXという商習慣と正面からぶつからずに済んだ最大の要因と考えられます。発注書の約9割が他社フォーマットで手書きも混じるという条件下では、ツールの良し悪しは「実際の注文書をどこまで読めるか」で決まります。そのため選定では展示会で複数社を比較し、無料トライアルで自社に届く本物の発注書を読ませて識字率を確かめています。カタログ上の性能ではなく、自社の紙で検証してから決めた手順が、導入後の手戻りを防いだのではないでしょうか。
もう一つは、ツールを入れる前に業務側を整えた点です。各担当者がどの作業にどれだけ時間を使っているかを洗い出し、AI-OCRでどこを効率化できるかを先に特定しています。あわせて、自社倉庫向けとメーカー向けで別々だった納品先コードを統一しました。読み取ったデータを後工程へ流すとき、コード体系が割れたままでは結局人が変換作業を担うことになります。データの受け皿を先にそろえておいたことが、読み取りの効果を後ろの工程まで届かせたと見ています。
さらに、手書き伝票を一度に完璧に処理しようとせず、印字の注文書から着手し、手書き分は順次広げている段階的な進め方も現実的です。識字率が落ちる領域を最初から主戦場にしなかったことで、現場が効果を早く実感でき、定着につながったと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
受注処理にかかる作業時間は3分の1程度短縮され、残業時間も大きく減っています。コンビニなどからまとめて届く大量の注文も、以前は午前中に終えられないことがありましたが、今では余裕をもって午前中に処理できるようになりました。手書き文字でも7〜8割の識字率を維持しており、現場では実用レベルと評価されています。担当者からは「間違えてはいけない」という重圧から解放された点が最も大きいという声が上がっています。今後は見積書・請求書・契約書のデジタル化や、他部署への横展開も視野に入れています。
うちでも使える?
取引先から書式の異なる注文書がFAXやPDFで届き、それを基幹システムやExcelへ打ち直している職場なら、応用の余地は大きいはずです。特に、書式を統一してもらう交渉が難しい業界ほど、受け手側で読み取る方式が生きてきます。一方で、手書きが大半を占める場合は識字率が下がり、確認作業が残る点を織り込む必要があります。また、社内のコードや品番の体系が部署ごとにばらついていると、読み取ったデータをそのまま流せず、効果が半減しかねません。
まずは、先月届いた注文書を書式別に仕分け、印字と手書きがそれぞれ何割あるかを数えてみてはいかがでしょうか。その内訳が分かれば、トライアルでどの書式を試すべきかも自然と見えてきます。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社インフォマート
発注書をAIで読み取りデータ化するサービス『発注書AI-OCR(invox)』を提供
全国農協食品株式会社
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