実施 2026.06 ・ 更新 2026.10.02
問い合わせ返信の文案作成が約10分に JA全農ひろしまのkintone×生成AI
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 問い合わせの返信文づくりに1時間以上かかる
- 担当者によって回答の中身がばらつく
- 返信の上司確認を紙で回している
どのようなAIの取り組み?
kintoneと連携する生成AIで問い合わせの返信文案を自動生成し、1件あたりの文案作成を約10分に短縮したAI取り組み
業種
農業協同組合連合会(農業)
取り組み領域
消費者からの問い合わせ対応
使ったAI
Smart at AI for kintone Powered by GPT(生成AI)
主な成果
返信文案の作成が1件60〜90分から約10分に短縮
全国農業協同組合連合会広島県本部(JA全農ひろしま)は、消費者から寄せられる問い合わせへの返信業務に、M-SOLUTIONS株式会社が提供するkintone連携の生成AIサービス「Smart at AI for kintone Powered by GPT」を採用しました。Webサイトのフォームに届いた問い合わせはkintoneへ自動で取り込まれ、AIが過去の対応履歴と用意したプロンプトをもとに返信の下書きを作成します。担当者が内容を確認・修正し、kintone上のワークフローで上司の承認を得てから返信する流れで、AIの文案がそのまま送られることはありません。従来は一から文章を書き、紙に印刷して上司の確認を受けていた作業です。なお、地方組織からの申請で生成AIツールの利用が全国的に承認されたのは、JA全農として初めてのケースとなっています。
出典:kintone×AI連携サービス「Smart at AI」、JA全農ひろしまが導入〜地方拠点から全農初の生成AI業務利用が全国的に承認、問い合わせ対応の効率化と回答品質の標準化を実現〜 - M-SOLUTIONS株式会社 発行元:M-SOLUTIONS株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
JA全農ひろしまでは、消費者からの問い合わせ1件に返信するまでに、文案をゼロから書き起こし、紙に刷って上司の確認を仰ぐ手順を踏んでおり、60〜90分かかることもありました。担当者の知識や経験によって回答内容に差が出ることも課題でした。全農全体ではMicrosoft Copilotが全職員に開放されていたものの、それは個人の作業を補助する使い方にとどまっていました。
件数は月10件ほどと多くありません。編集部の見立てでは、困りごとの核心は量ではなく、返信の質と速さが「誰が担当するか」に左右されていた点にあったと考えられます。過去にどう答えてきたかという蓄積が組織にありながら、それが一件ごとの文章づくりに生かされず、毎回個人の力量に頼っていた構図です。
どうやって、うまくいったのか
決め手になったのは、生成AIを個人が使う道具としてではなく、kintone上の業務フローの一工程として埋め込んだ設計だと考えられます。フォームからの取り込み、文案生成、担当者の修正、上司の承認までが一つの流れにつながっているため、職員はAIを「使いこなす」必要がありません。「全員が使いこなすのは現実的ではなく、キーマンが業務に組み込めば一般職員は意識せず使える」という組織のビジョンに、この仕組みがそのまま噛み合っています。
文案の材料に、組織が積み上げてきた過去の対応履歴を使っている点も見逃せません。汎用的な文章を作らせるのではなく、自分たちの過去の回答を下敷きにすることで、担当者ごとの差をならしつつ、組織としての答え方を再現しやすくなったのではないでしょうか。業界用語を消費者向けの言葉に言い換える働きも、この仕組みの延長線上にあります。
もう一つは、人のチェックを必ず挟む運用を最初から前提にしたことです。AIの出力は下書きにすぎず、担当者の修正と上司の承認を経なければ外に出ません。JA全農には外部への情報提供可否などを確認するチェックリストがあり、厳格な審査を通す必要がありました。安全性を運用で担保した設計は、こうした審査を突破するうえでも説得力を持ったと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
AIの文案を確認・修正するだけで済むようになり、1件あたりの文案作成は60〜90分から約10分に短縮されました。月10件ほどの業務で、月換算約8〜13時間の工数が生まれています。上司の確認もkintone内でスキマ時間に完結するようになり、返信までのリードタイムは平均2〜3営業日から1〜2営業日へ。回答内容のばらつきが標準化され、業界用語を分かりやすく言い換える効果も得られています。今後は問い合わせ対応を起点に、他の業務へ段階的に活用を広げる方針です。
うちでも使える?
すでにkintoneのような業務システムで問い合わせや申請を管理しており、過去の回答が記録として残っている組織なら、応用の余地は大きいでしょう。文案を「下書き」と位置づけ、承認フローに乗せる形なら、AIへの不安が強い職場でも受け入れやすいはずです。件数が月10件程度でも、1件の負担が重ければ効果が見えやすい点も参考になります。
一方で、過去の対応履歴がメールや紙に散らばり、一か所に集まっていない場合は、AIが参照する材料そのものが不足します。また、問い合わせの内容が毎回まったく異なり、過去の回答が下敷きにならない業務では、この仕組みの強みは出にくいと考えられます。外部サービスへの情報提供に厳しい規程がある組織では、今回のように審査の時間も見込んでおく必要があります。
まずは直近の問い合わせを数件選び、過去の似た回答を横に並べてみてはどうでしょう。どれだけ流用できそうかが、見立ての材料になります。
この事例は2026年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
M-SOLUTIONS株式会社
SI事業・プロダクト事業・公共事業を展開。kintone SIベンダーとして1,400件を超える導入実績を持ち、kintoneプラグイン・連携サービスを25種類以上提供している。
全国農業協同組合連合会広島県本部(JA全農ひろしま)
出典・参考情報
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