実施 2025.02 ・ 更新 2026.09.28
佐渡汽船が港の放送をAI音声化、4言語でのリアルタイム運航案内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 決まった音声しか流せない
- 臨時の案内を毎回マイクで対応
- 外国人客への案内が追いつかない
どのようなAIの取り組み?
自動音声放送を運航情報と連携させ、ターミナルの案内を4言語でリアルタイムに流せるようにしたAI取り組み
業種
海運業(運輸・物流)
取り組み領域
ターミナルの旅客案内・館内放送
使ったAI
AIさくらさん(音声合成・多言語対応の自動放送)
主な成果
運航状況に合わせた4言語のリアルタイム音声案内を実現
佐渡島と新潟を結ぶカーフェリーとジェットフォイルを運航する佐渡汽船が、ターミナルの案内放送にAIの音声システムを取り入れました。従来の放送設備はあらかじめ用意された固定音声を流すことしかできず、新しい案内を追加するのも簡単ではありません。天候や海上の状況で運航が変わるたびに、スタッフがハンドマイクを持って臨時の案内をする必要がありました。導入されたのは、株式会社ティファナ・ドットコムが提供する「AIさくらさん」の自動放送システムです。佐渡汽船のダイヤ情報・運航情報と連携させることで、その時点の状況に沿った音声案内を流せるようにし、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応させました。乗船手続きの円滑化と利用者の利便性向上を狙った取り組みです。
出典:佐渡汽船 | AIさくらさん導入事例 | AIチャットボット・アバター接客でDX推進 発行元:株式会社ティファナ・ドットコム
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
ターミナルの放送で長く続いていた不便は、固定音声しか扱えない設備と、刻々と動く運航状況とのあいだに生じたズレにありました。欠航や遅延、出航時刻の変更といった情報は天候や海上の状況で変わるのに、放送設備の側は前もって用意した文言しか持っていない。そのため想定外の案内はすべて人の声に委ねられ、スタッフがハンドマイクで補う運用が続いていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は放送そのものの手間ではなく、情報が変わる速さに案内の手段が追いついていなかったことにあるのではないでしょうか。手作業が一律に負担なのではなく、欠航や遅延でターミナルが最も慌ただしくなる場面に限って人手が必要になる、というかたちで負荷が集中する。そこにこそ、柔軟性の欠如という課題の実体があったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
放送の文面を人が組み立てるのではなく、ダイヤ情報・運航情報という既にあるデータの側から案内を生成する構成にしたことが、この取り組みの起点になっています。運航システムと連携させれば、その時点の状況は仕組みの中に入ってきますから、スタッフは「何を伝えるか」を判断して放送するという一連の作業から解放されます。案内の内容を人が持つのではなく、運航データが持つ。この主従の入れ替えが、リアルタイム性を人の反応速度に依存させない設計につながったと見ています。
音声をテキストから生成する方式を選んだ点も見逃せません。従来のように音声を事前収録して蓄える運用では、案内を一つ増やすたびに録音という工程が挟まり、追加や変更のハードルが上がります。テキストから瞬時に音声を作る仕組みに置き換えたことで、必要に応じてアナウンス内容を変更・設定する余地が生まれました。柔軟性がないという課題に対して、放送の運用ルールを変えるのではなく、音声を用意する方法そのものを入れ替えた解き方です。
4言語対応を別立ての取り組みにせず、同じ自動放送の仕組みに載せたやり方も現実的でした。多言語案内は、担当できる人を確保しようとすると途端に難しくなる領域ですが、音声合成と多言語対応を標準で備えたサービスを使えば、日本語の案内を流す流れの延長で英語・中国語・韓国語の案内も同時に扱えます。訪日外国人観光客への対応を、人員配置の問題から仕組みの設定の問題へ移し替えた点に、この構成の実用性があります。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
船舶の運航システムとの連携により、運航状況に合わせた放送がその場で流せるようになり、日本語・英語・中国語・韓国語の4言語による案内も実現しています。ティファナ・ドットコムは、多言語対応とリアルタイム案内によって利用者の満足度向上と業務負担の軽減につながったとしています。削減時間や対応件数といった定量的な数値は公表されていないため、効果の大きさそのものは外部から検証できる形にはなっていません。
うちでも使える?
応用しやすいのは、伝える内容が業務システムの中のデータとして既に存在していて、それを決まった型の案内文に落とし込めるケースです。運航情報や発着時刻のように、状況が変わってもデータの形は変わらない情報であれば、放送や表示の自動化と相性が良いといえます。空港や駅、バスターミナル、大規模施設の受付など、同じ構図の現場は少なくありません。
逆に、相手の様子を見ながら言葉を選ぶ必要がある案内や、当日の現場判断で内容が決まるような情報は、この形に載せにくいと考えられます。今回の取り組みも、案内の中身がダイヤ情報・運航情報という形で押さえられていたからこそ自動化の対象になったのであり、放送すべき内容が担当者の頭の中にしかない状態では、同じ仕組みを持ってきても動きません。
まず試すなら、直近1か月に人がマイクで流した臨時案内を思い出し、そのうち何割が「システムに入っている情報を読み上げただけ」だったかを数えてみる。その割合が、自動化で動かせる範囲のおおよその目安になります。
この事例は2025年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ティファナ・ドットコム
AIチャットボット・アバター接客サービス「AIさくらさん」を提供し、企業のDXを支援する企業。音声合成や多言語対応、基幹システムとの連携といったカスタマイズに対応する。
佐渡汽船
出典・参考情報
佐渡汽船 | AIさくらさん導入事例 | AIチャットボット・アバター接客でDX推進
発行元:株式会社ティファナ・ドットコム
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