実施 2024.06 ・ 更新 2026.09.25
業務削減時間が月2,770時間へ6倍、川崎汽船の生成AI定着プログラム
プロジェクト期間:半年〜 1年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 生成AIを配ったのに使われない
- 研修をしても業務に根づかない
- AI活用の効果が数字で見えない
どのようなAIの取り組み?
法人向けの生成AIサービス導入と活用推進プログラムにより、1か月あたりの業務削減時間を6倍に伸ばしたAI取り組み
業種
海運(運輸・物流)
取り組み領域
全社の汎用業務/生成AIの活用推進
使ったAI
exaBase 生成AI(法人向けChatGPTサービス)
主な成果
1か月あたりの業務削減時間が420時間から2,770時間へ6倍に増加
海上輸送を中心に事業を展開する川崎汽船は、2024年6月に法人向けChatGPTサービス「exaBase 生成AI」を正式導入し、提供元であるExa Enterprise AIから活用推進の支援を受けました。支援の柱となったのは「業務定着実践プログラム」で、知識を身につけて終わりにせず、日々の定常業務に生成AIを組み込むところまでをゴールに据えた内容です。導入にあたっては、セキュリティの高さと画面の使いやすさが評価されました。川崎汽船側では希望者全員にアカウントを付与する運用をとり、社内ポータルでの情宣や講習会、メルマガ、社員同士の口コミを重ねて利用者を広げています。その結果、半年でユーザー数は約2倍となって全社員の半数以上に達し、1か月あたりの業務削減時間は420時間から2,770時間へと増加しました。
出典:「exaBase 生成AI」活用の川崎汽船において 活用推進支援により業務削減時間6倍に貢献 〜半年でユーザー数2倍に、全社導入に向け更なる活用率向上を目指す〜 - 株式会社エクサウィザーズ 発行元:株式会社エクサウィザーズ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
川崎汽船はDX戦略の一環としてGPT-3.5の活用を進めていましたが、LLM(大規模言語モデル)の進化が速いことに加え、使い勝手の面でも社員の活用が進まないという状態が続いていました。
編集部の見立てでは、ここでの行き詰まりの本質は、性能の古さそのものよりも「自分の担当業務のどこで使えるのか」が個々の社員に見えていなかった点にあります。全社に道具を用意しても、使う場面が本人の一日の仕事の中に具体的に位置づかなければ、試した人だけが使い、残りは触らないまま終わる。活用率が上がらないという現象は、その断絶が数字として表面に出たものだったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
知識の習得ではなく、定常業務に生成AIを組み込むことをゴールに据えたプログラム設計が、この取り組みの中心にあります。実際にexaBase 生成AIを操作しながら、さまざまなビジネスの場面で使えるユースケースを実践的に学ぶ構成がとられました。学習の到達点を「機能を理解した状態」ではなく「翌日の業務で使っている状態」に置き換えた点が、研修の設計としては踏み込んだ判断です。2,000社を超える企業へのAI開発・導入支援で蓄積された施策を組み合わせている点も、この組み立てを支えています。
ツールの評価軸をセキュリティと画面の使いやすさに置いた選び方も、後の広がり方を左右したと考えられます。法人利用で壁になりがちな管理面を押さえつつ、管理者が利用状況を把握でき、各ユーザーの生産性向上の度合いをグラフで確認できる仕組みが備わっています。推進側が手応えを感覚ではなく数値で語れる状態は、社内で次の一手を打つ根拠になります。
利用者を増やす道筋を一本に頼らなかったことも見逃せません。希望者全員にアカウントを付与する運用を土台に、社内ポータルサイトでの情宣や講習会という公式の入り口と、メルマガや社員間の口コミという自然発生的な広がりが並走しました。押し出す施策と、使った人が周囲に伝える流れの両方を確保した進め方。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
ユーザー数は半年で約2倍となり、2024年12月時点で全社員の50%以上が活用する状態になりました。1か月あたりの業務削減時間は420時間から2,770時間へと6倍に増加し、およそ15人分の業務負担を効率化したと報告されています。現在の使われ方は翻訳・要約・壁打ちが中心で、今後はアイデア出しや画像認識機能を使った独自の活用、自社データ連携(RAG)へと広がりつつあります。社内問い合わせ窓口の強化や、利用シーン・プロンプトの全社共有にも力を入れる方針が示されています。
うちでも使える?
この進め方が効きやすいのは、生成AIのアカウントはすでに配ったものの利用が一部で止まっている企業、そして翻訳・要約・文章の壁打ちのように部門をまたいで共通する作業が日常的に発生する企業です。共通業務が多いほど、一人が見つけた使い方がそのまま他部門で通用し、講習会や口コミで広がる余地が生まれます。逆に、業務が案件ごとに個別性が高く、ユースケースを他の人と共有しにくい組織では、同じやり方で一気に利用者が増えるとは限りません。現場作業が中心で、そもそも文書を書いたり読んだりする時間が短い職種では、削減時間という指標自体が効果を捉えにくくなります。
今日始められることとしては、自部署でいま起きている翻訳や資料要約の依頼を一件選び、それを教材にして三十分の実演の場を開いてみてはどうでしょうか。実務の文書を題材にすれば、参加者はその場で自分の業務への当てはめ方を持ち帰れます。
この事例は2024年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社Exa Enterprise AI
株式会社エクサウィザーズのグループ会社。生成AI等のテクノロジーを利活用したプロダクト・サービスの企画・開発・販売により、企業の業務改革と生産性向上を支援する。法人向けChatGPTサービス「exaBase 生成AI」を提供している。
川崎汽船株式会社
出典・参考情報
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