実施 2026.02 ・ 更新 2026.09.24
JR東日本えきねっと、音声認識AIとFAQ連携で通話後の記録作成を効率化
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 電話のあとの記録作成に追われている
- 応対品質のばらつきを把握できない
- 覚える決まりが多く新人が育たない
どのようなAIの取り組み?
音声の書き起こし・要約AIとFAQシステムを自動でつなぎ、通話後の応対記録づくりをAIが支える流れを組み立てたAI取り組み
業種
旅客鉄道・オンライン予約サービス(運輸・物流)
取り組み領域
コンタクトセンター/応対記録作成・品質モニタリング
使ったAI
PKSHA Speech Insight(音声認識・要約AI)、PKSHA FAQ(FAQシステム)
主な成果
通話後の後処理時間を削減し、オペレーターの約8割以上が満足度が高いと回答
東日本旅客鉄道が運営するオンラインサービス「えきねっと」のコンタクトセンターに、PKSHA Technologyの「PKSHA Speech Insight」と「PKSHA FAQ」が本格導入されました。前者が通話をその場で文字に起こして要約をつくり、後者と自動で連携することで、通話後の応対記録づくりをAIが支援する業務フローが組み立てられています。管理者側の見方も同時に変わり、複数のオペレーターの会話ログを一つの画面で並行して追う運用へ移行しました。通話の途中から確認を始めても冒頭まで遡れるため、経緯をつかんだうえで指示やフォローに入れます。導入後は通話後の後処理時間が短くなり、アンケートではオペレーターの約8割以上がシステム全体への満足度が高いと回答しています。
出典:JR東日本、「PKSHA Speech Insight」「PKSHA FAQ」を導入。コンタクトセンターの応対後処理時間を削減 | News | PKSHA Technology Inc. 発行元:株式会社PKSHA Technology
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
えきねっとのコンタクトセンターでは、音声認識システムを含む既存のIT基盤のアップデートが求められる一方、中長期の運用効率とコストのバランスも見直す必要がありました。求められていたのは単なるコスト削減ではなく、オペレーターの負荷軽減と管理者による品質管理の効率化を同時に成り立たせることで、なかでも通話後の応対ログ作成については、作業負荷を下げながら記録の品質も安定させるという二つの要請が重なっていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は問い合わせの件数そのものではなく、一件あたりに要求される知識と注意の重さにあったのではないでしょうか。入会方法の案内から輸送障害時の払いもどしまで対象は幅広く、鉄道特有の用語や規則の複雑さも加わります。通話中は神経を集中させ、切った直後には正確なログを書き起こす。この二重の負担は、人を増やすだけでは軽くならない構造を抱えていました。
どうやって、うまくいったのか
先行して同じベンダーのシステムがえきねっとサイトのFAQツールとして使われ、データの蓄積と運用実績があった。その土台の上に音声側のAIを載せた選定が、この取り組みの起点になっていると考えられます。連携先のナレッジが後から用意する対象ではなく、すでに現場で使われている状態だったため、書き起こしと要約が「記録に落とすところまで」つながる設計を最初から描けたのではないでしょうか。機能と費用のバランス、これまでの信頼性という判断軸が明記されている点も、技術の新しさより運用の接続性を重く見た選び方をうかがわせます。
リアルタイムの書き起こしを、オペレーターの記録作成と管理者のモニタリングという二つの用途へ同時に流した設計も効いています。同じ一本のデータが、現場では後処理の下書きになり、管理側では状況把握の材料になる。複数オペレーターの会話ログを一画面で並べて追える運用は、従来の抜き取り的な確認とは性質が異なり、観察の対象を「今まさに動いている全体」へ広げる考え方だと読み取れます。
途中から確認を始めても会話の冒頭まで遡れる仕組みは、地味に見えて実務上の意味が大きい部分です。経緯を知らないまま割り込むと的外れな指示になりかねませんが、遡って読めるなら文脈をつかんだうえで介入できます。さらにフォロー優先度の高い応対を視覚的に捉えられることで、オペレーターからの要請を待たずに支援へ入る運用が成立しました。助けを求める行為そのものが負担になりやすい現場で、その一手間を取り除いた点は注目に値します。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
通話後の後処理時間が削減され、オペレーターの業務効率向上につながりました。管理者側では、リアルタイムにテキスト化された複数の会話ログを同時に確認する運用へ移行したことで、状況把握のスピードと管理効率が大きく向上しています。導入後のアンケートでは約8割以上のオペレーターがシステムへの全体的な満足度が高いと回答しました。現在は蓄積された全通話の書き起こしデータを使い、より定量的で客観性の高い品質評価の運用を進めている段階で、一人ひとりの成長につながるフィードバックの実現が目標に置かれています。
うちでも使える?
移しやすいのは、問い合わせの多くが規則や手順の案内で占められ、その根拠となるFAQやナレッジがすでに文書として整備・運用されている窓口です。この事例で要約が記録づくりまで届いたのは、連携先のFAQに実データが蓄積されていたからで、参照先が空のまま音声AIだけを入れても、書き起こしがログとして溜まるだけに終わりかねません。逆に、個別の交渉や感情的な折衝が中心で、応対内容を定型的な記録に落としづらい業務では、要約の下書きをそのまま使える場面が限られます。
もう一点、管理者の運用を変えるかどうかで結果が分かれる可能性があります。書き起こしが画面に出ても、確認の仕方が従来どおりの事後チェックのままなら、先回りのフォローという価値は生まれません。まず試すなら、直近の通話を数件選び、通話後に書いている記録のうちどれだけが既存のFAQや定型回答と対応しているかを数えてみてはいかがでしょうか。その割合が、AIに任せられる範囲のおおよその目安になります。
この事例は2026年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社PKSHA Technology
「未来のソフトウエアを形にする」というミッションのもと、自然言語処理技術等の独自技術を基盤にAIおよびAIエージェントの研究開発を行う企業。金融・製造・教育など各業界に最適化したAIソリューションと、「PKSHA AI ヘルプデスク」「PKSHA Chat Agent」などの汎用性の高いAI SaaSを展開している。
東日本旅客鉄道株式会社
出典・参考情報
JR東日本、「PKSHA Speech Insight」「PKSHA FAQ」を導入。コンタクトセンターの応対後処理時間を削減 | News | PKSHA Technology Inc.
発行元:株式会社PKSHA Technology
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