実施 2025.02 ・ 更新 2026.09.24
生成AIを本部の全部署へ、利用率70%に到達した総合ディスカウント店の進め方
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内で生成AIを使うのが一部の人だけ
- 業務のどこにAIを使えるか分からない
- 情報漏えいが心配で踏み切れない
どのようなAIの取り組み?
生成AI活用プロダクトと伴走支援を本部の全部署に導入し、社内の利用率を70%まで広げたAI取り組み
業種
総合ディスカウントストア(小売・流通)
取り組み領域
本部の全部署(EC商品登録・物流データ分析ほか)
使ったAI
Graffer AI Studio(生成AI活用プロダクト)
主な成果
本部での社内利用率が70%に到達
福岡市に本社を置く総合ディスカウントストア、ミスターマックス・ホールディングスが、本部の全部署を対象に生成AIを導入した事例です。もともとはDX戦略室がChatGPT(GPT-3.5)を試験的に使っていた段階で、セキュリティ面の不安と、小売業でどう使えば効果が出るのかという見極めの難しさが残っていました。そこで、生成AI活用プロダクト「Graffer AI Studio」と伴走支援を組み合わせた「Graffer AI Solution」を提供するグラファーと組み、課題の分析、生成AIを当てはめる業務の選定、運用設計、社員向けの事例共有会までを含む形で全部署への展開に進みます。ECサイトへの商品登録や、物流センターでの商品破損状況の分析といった実務での利用が広がり、本部全体での利用率は70%に到達しました。
出典:総合ディスカウントストアのミスターマックス、生成AI活用による企業変革を実現する「Graffer AI Solution」を本部の全部署で導入 | Graffer, Inc. 株式会社グラファー 発行元:株式会社グラファー
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
最初に生成AIに触れたのはDX戦略室で、ChatGPT(GPT-3.5)の試験利用が出発点でした。そこで浮かび上がったのは、セキュリティ面の懸念と、小売業として効果の出る使いどころを見つけられないという二つの壁です。
編集部の見立てでは、この二つは別々の問題に見えて、根は同じ場所にあります。困りごとの本質はツールの性能ではなく、自社の業務のどこに当てはめれば価値が出るのかを、社内だけでは言語化しきれなかった点にあったのではないでしょうか。小売・飲食・飲料の業界は生成AI活用の推進度が相対的に低いという調査結果も示されており、参照できる先行事例が少ない領域では、使い道を見つける作業そのものが最大の難所になります。試験利用が一部門にとどまったのも、手本の不在が効いていたと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
効き目があったのは、ツールを渡して終わりにせず、課題の分析と「生成AIを当てはめる業務の選定」から一緒に進める設計でした。業務フローを分析し、プロンプト設計にまで踏み込む進め方は、先行事例の少ない小売業で使いどころを探す作業を現場任せにしないための仕組みだったと読み取れます。新しい活用方法を提案し、事例を共に作っていくという関係の置き方も、正解が社外に用意されていない領域では意味を持ちます。
プロダクト側では、プロンプトを書かなくても使えるタスクライブラリを備えた構成が、全部署への展開と噛み合っています。生成AIの利用が詳しい人に偏りやすいのは、多くの場合、指示文の書き方という入口でつまずくためです。使いたい業務を選べば動く形に入口を定型化した設計は、AIに不慣れな部署を最初の一歩で振り落とさないための工夫といえます。同時に、チャットからデータ分析にまで踏み込める機能も併せ持つため、慣れた利用者が扱える幅は狭まりません。
三つ目は、使い方を社内で循環させる仕掛けを最初から組み込んだことです。勉強会や事例共有会を通じて、ある部署で見つかった使い方が別の部署へ伝わる流れができれば、外に少ない事例を社内で増やしていけます。加えて、プライバシーマークや情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証、200を超える行政機関への提供実績といった判断材料が、試験段階で足を止めていた不安に具体的な形で答える役割を果たしました。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
本部全体での生成AIの利用率は70%に到達し、ECサイトへの商品登録や物流センターでの商品破損状況の分析といった具体的な業務で使われています。同社の上席執行役員は、データ分析の効率化や業務改善が進み、生成AIが社内で当たり前のツールとして浸透しつつあると述べています。今後は各部署での活用事例をさらに広げ、業務プロセスの高度化や新たなイノベーションの創出につなげる方針です。
うちでも使える?
この進め方が向くのは、部署ごとに扱う情報も業務の型も異なり、全社で使い方を一つに決められない組織です。商品情報を扱う部署と物流の現場とでは求めるものが違うため、共通のツールを配ったうえで、部署ごとに使い道を見つけて持ち寄る形のほうが広がりやすくなります。逆に、利用する人が数人に限られ、業務の型も一つしかない組織では、全部署展開や事例共有会といった仕組みは重くなりがちで、特定の作業を個別に自動化したほうが早く結果が出ることもあります。社外秘の情報や個人情報を扱う比重が高い業務では、認証や提供実績といったセキュリティの判断材料をどこまで確認できるかが、そのまま導入の可否を左右します。
一歩目としては、月に一度でよいので、部署をまたいで「今月AIに何をやらせたか」を見せ合う短い時間を設けてみてはどうでしょうか。社内に手本が一つ生まれるだけで、使い道探しの難度は目に見えて下がります。
この事例は2025年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社グラファー
「プロダクトの力で 行動を変え 社会を変える」をミッションに掲げ、企業・行政機関における業務のデジタル変革を手掛けるスタートアップ企業。生成AI活用支援の「Graffer AI Solution」や、デジタル行政プラットフォームを提供する。行政デジタルプラットフォームは全国200以上の自治体が導入し、政令指定都市での導入率は70%。2021年10月に経済産業省主導の「J-Startup2021」に選定。資本金15億4,497万7,927円(資本準備金含む)。
株式会社ミスターマックス・ホールディングス
出典・参考情報
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