実施 2025.12 ・ 更新 2026.09.22
上組の貿易書類をAI-OCRで自動読取、30項目超を基幹システムへ連携
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 取引先ごとに書式が違う書類の入力に追われている
- 紙やPDFの内容を手でシステムに打ち直している
- 書類仕事がベテラン頼みになっている
どのようなAIの取り組み?
生成AIで非定型の貿易書類から30項目超を読み取り、基幹システムへのデータ連携につなげたAI取り組み
業種
港湾物流(運輸・物流)
取り組み領域
通関・船積みの書類処理
使ったAI
生成AI抽出型AI-OCR「Flax Scanner HUB」
主な成果
貿易書類から30項目超を自動抽出し基幹システムへ連携
シナモンAIは、港湾運送・倉庫・国際輸送を手がける上組に、自社のAI-OCRプラットフォーム「Flax Scanner HUB」を提供しました。対象となったのは、通関や船積みの業務で発生するINVOICEなどの貿易書類です。これらは形式が複雑で非定型なものが多く、基幹システムへのデータ入力は手作業に頼らざるを得ず、工数の増大と業務の属人化が課題になっていました。今回の提供では、紙やPDFで受け取る書類をAIが読み取り、取引先名・数量・価格など30項目を超える情報を抽出します。抽出結果はCSV形式で出力され、上組の基幹システムへ連携される流れです。シナモンAIは、この仕組みによって入力作業の効率化と業務の標準化につながるとしており、今後はさらに別の業務領域へ広げることも視野に入れています。
出典:国内最大級の港湾物流企業・上組に「Flax Scanner HUB」を提供 | 株式会社シナモン(シナモンAI) 発行元:株式会社シナモン(シナモンAI)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
通関や船積みの現場では、INVOICEをはじめとする貿易書類が日々発生します。取引先や取引の形態によって体裁が変わり、定型のフォーマットに収まらない書類が多いため、基幹システムへ名称や数量、価格を打ち込む工程は人手に委ねられ、工数の増大と業務の属人化が積み重なっていました。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な問題は書類の枚数そのものではなく、「どの書類のどこを読めば必要な項目にたどり着けるか」という判断が、担当者の経験の中にしか置かれていなかった点にあるのではないでしょうか。様式が固定されていれば、入力手順は手順書に落として誰でも同じようにこなせます。ところが体裁が一枚ごとに揺れる書類では、読むべき場所を見つける工程自体に慣れが要ります。属人化は現場の怠慢から生じたのではなく、非定型という書類の性質から必然的に生まれたものだと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
座標をあらかじめ定めない読み取り方式を選べる構成が、非定型書類という壁に正面から向き合う設計になっています。従来のAI-OCRは、決められた位置から文字を拾う座標定義型が主流で、様式が無数に存在する書類には対応しきれません。Flax Scanner HUBは座標定義型・特徴量学習型・生成AI抽出型という3つのエンジンを備え、帳票の種類に応じて読み取り方を切り替えます。書類の側を業務に合わせて整えるのではなく、読み取る側が多様性を引き受ける発想への転換。
出力をCSVに定め、基幹システムとの接点を単純な形に保った点も見逃せません。AIの処理と基幹システムを直接つなぎ込もうとすると、改修の範囲も検証の手間も一気に膨らみます。ファイルを受け渡すという枯れた方式を間に挟むことで、既存の業務フローのうち入力工程だけを差し替えられる構造になりました。AI活用の可否を、基幹システム刷新という重い判断から切り離した点にこの設計の意味があります。
稼働環境と前処理の作り込みにも、実務で使うための配慮が見えます。マルチテナント型に加えてシングルテナントやオンプレミス(自社内やプライベートクラウドでの運用)も選べるため、取引条件や単価といった機微な情報を含む貿易書類でも、社内の情報管理方針に合わせた検討がしやすくなります。帳票ごとの分類や分割を自動で判定する機能は、束になって届く書類を人が仕分ける手前の工程まで自動化の射程に入れるもの。読み取り精度だけでなく、その前後にある地味な手順をどこまで巻き取れるかが、現場で回るかどうかを分けます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
公開された情報の範囲では、削減時間や削減率といった定量的な数値は示されていません。現時点で確認できるのは、INVOICEから取引先名・数量・価格など30項目を超える情報を抽出し、CSVを介して基幹システムへ連携する流れが整ったという事実です。手入力や確認作業の負荷軽減、業務スピードと正確性の向上、人材をコア業務へ振り向ける体制づくりは、これから進んでいく段階にあります。
うちでも使える?
応用しやすいのは、取引先ごとに体裁の異なる書類を継続的に受け取り、その内容を既存システムへ打ち直している業務です。読み取った結果をCSVなどのファイルで受け取れる余地があれば、基幹システムに手を入れずに入力工程だけを置き換えられるため、検討のハードルは下がります。
一方で、書類に書かれていない前提を担当者が補いながら入力している業務では、読み取りを自動化しても確認と補正の工程が残ります。過去の取引経緯や個別の取り決めを踏まえて数値を調整しているなら、まず何が書類の外にあるのかを見極める必要があります。逆に、様式が安定していて抽出項目も少ない帳票であれば、生成AIを使う仕組みまで持ち出さずとも足りる場合があります。
手始めとしては、いちばん読み取りに苦労している書類を一枚選び、担当者がどこに目を走らせ、何を根拠に項目を判断しているかを横で見てみてはいかがでしょうか。自動化できる範囲と、人が残すべき判断の境目がそこに現れます。
この事例は2025年12月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社シナモン(シナモンAI)
多様な業界・業種の様々なフォーマットの書類から、AIが意味を理解してデータを読み取る高精度AI-OCRプラットフォーム「Flax Scanner HUB」を提供するAI企業。マルチテナント型からシングルテナント、オンプレミスまで提供形態を用意し、API連携やAIモデル・UIのカスタマイズにも対応する。
株式会社上組
出典・参考情報
国内最大級の港湾物流企業・上組に「Flax Scanner HUB」を提供 | 株式会社シナモン(シナモンAI)
発行元:株式会社シナモン(シナモンAI)
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