実施 2026.07 ・ 更新 2026.09.22
航空貨物の輸出業務でスマホ撮影とAI-OCR、貨物情報の手入力を自動化した仕組み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 現物を見て伝票に打ち直している
- 現場の情報が事務所に届くのが遅い
- 入力のやり方が人によって違う
どのようなAIの取り組み?
AI-OCRとスマートフォン撮影を組み合わせ、航空貨物輸出の現場作業とシステム登録をひとつながりにしたAI取り組み
業種
国際物流・航空貨物輸出(運輸・物流)
取り組み領域
倉庫現場/航空貨物輸出の貨物情報登録
使ったAI
AI-OCRソリューション「Future EdgeAI」(エッジAI・文字認識)
主な成果
撮影による自動入力で現場業務を省力化し、情報共有のタイムラグを解消
商船三井ロジスティクスグループで国内オペレーションを担うエムオーエアロジスティックスが、成田ロジスティクスセンターの航空貨物輸出業務にAI-OCR(画像から文字を読み取る技術)を取り入れ、2026年7月に本格運用へ移りました。採用されたのは、フューチャーアーキテクトが提供するAI-OCRソリューション「Future EdgeAI」です。これは、AIを載せた端末が集めたデータをその端末の中で処理し、瞬時に判断を返すエッジAIの考え方に立つ仕組みで、名称はフューチャー株式会社の登録商標にあたります。倉庫作業員が貨物に記されたケースマーク(梱包に印字された荷印)をスマートフォンで撮影すると、必要な項目がそのまま入力される形をとり、読み取りからシステムへの登録までが一続きのデジタル処理としてつながりました。データが自動で連携されることにより、業務の標準化と効率化が図られています。
出典:エムオーエアロジスティックス、AI-OCR技術を活用した 航空貨物輸出業務の効率化を推進 発行元:商船三井ロジスティクスグループ(エムオーエアロジスティックス株式会社)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
今回の取り組みが解消したものとして挙げられているのは、現場業務の負荷と、情報共有のタイムラグです。裏返せば、貨物に記されたケースマークを人が目で確かめ、それを別の場面でシステムに打ち直すという手順が、これまでの輸出業務の流れに組み込まれていたことになります。
編集部の見立てでは、問題の中心にあったのは入力の手間そのものよりも、現物と情報の間に生まれる時間差だったのではないでしょうか。読み取る人と登録する場面が分かれている限り、担当者がどれだけ手早く処理しても、現場が把握している最新の状態と、システム上の情報との間にずれが残ります。しかも撮影や転記の手順が人によって異なれば、そのずれの幅も読みにくくなる。省力化と情報共有の遅れが同時に課題として並んでいることからも、両者が同じ一つの構造から生じていたと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
効いたのは、現場がすでに行っている動作をそのまま入力手段に据えた設計だと考えられます。倉庫作業員にとって、貨物を確認することは元から仕事の一部であり、そこにスマートフォンで撮影するという一動作を重ねるだけなら、新しい業務を覚え直す負担は小さくなります。入力画面を作り込んで「正しく打ってもらう」方向ではなく、撮れば項目が埋まる方向に寄せた判断が、現場に受け入れられる形を作ったとみるのが自然でしょう。
もう一つは、端末の中で処理を完結させるエッジAIを選んだ点です。収集したデータを端末内で処理し、推論して瞬時に判断を返すという性質は、貨物を前にした数秒のうちに結果が返ってくることを意味します。判定を待つ時間が体感できるほど長ければ、作業者は結局これまでのやり方に戻ってしまうため、この即時性は現場定着の前提条件にあたります。
範囲の取り方も見逃せません。ケースマークの読み取りからシステム登録まで、途中で人の手作業を挟まない一続きの流れとして設計したからこそ、データの自動連携が成り立ち、情報共有の時間差という課題に届いています。対象を成田ロジスティクスセンターの航空貨物輸出業務という具体的な現場に絞ったことも、扱う表示のパターンや運用の型を定めやすくした要素と考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
2026年7月に本格運用が始まり、成田ロジスティクスセンターの航空貨物輸出業務は、撮影による自動入力を前提とした進め方に切り替わりました。示されている効果は、現場業務の省力化、データ自動連携による情報共有のタイムラグの解消、そして業務の標準化と効率化です。削減時間や処理件数といった数値は公表されておらず、効果の大きさまでは読み取れませんが、実証段階ではなく本格運用として踏み出した点は、この事例の性格を示しています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、現物に印字された表示を人が読み、それを別のシステムに打ち込む工程が残っている業務です。荷札、型番プレート、検査シートなど、書式がある程度そろっていて、読み取った先に登録するシステムがはっきりしている場合、撮影を入力手段に置き換える発想はそのまま持ち込めます。端末が手元で処理するタイプであれば、通信環境が安定しない倉庫や屋外でも動かしやすいという利点もあります。
反対に、手書きの追記が多い、汚れや破れで表示が判読しづらい、荷主ごとに表記ルールがばらばらといった条件では、読み取り精度そのものが運用の足を引っ張ります。読み取った後に人の照合や例外判断が必ず入る業務も、自動入力だけでは時間差が消えません。まず手元の現場で、直近1週間に撮った貨物や部材の写真を並べ、表示が機械で読める状態かどうかを見比べてみる。そこが分かれ目になります。
この事例は2026年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
フューチャーアーキテクト株式会社
経営とITをデザインしながら顧客のDXを推進するITコンサルティング企業。最新のテクノロジーをベースに、グランドデザインからシステム開発、運用保守までを一気通貫で担う。代表取締役社長は齋藤洋平氏。2016年4月1日にフューチャー株式会社よりITコンサルティング事業を継承して設立。AI-OCRソリューション「Future EdgeAI」を提供する。
エムオーエアロジスティックス株式会社
出典・参考情報
エムオーエアロジスティックス、AI-OCR技術を活用した 航空貨物輸出業務の効率化を推進
発行元:商船三井ロジスティクスグループ(エムオーエアロジスティックス株式会社)
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