実施 2026.06 ・ 更新 2026.09.20
AI需要予測で配送を1日1便に集約し積載率93%、コープさっぽろの物流改革
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 曜日によって荷物の量がバラバラ
- トラックに空きがあるまま走らせている
- ドライバー不足で配送を維持できない
どのようなAIの取り組み?
AIの需要予測で荷量を平準化し、毎日の配送便を2便から1便へ集約して積載率を高めた物流改革の取り組み
業種
生協の物流子会社(運輸・物流)
取り組み領域
配送業務/発注業務
使ったAI
AI需要予測(需要予測型自動発注システム)
主な成果
デイリー便を2便から1便へ集約し、積載率を78%から93%へ向上
生活協同組合コープさっぽろの物流を担う北海道ロジサービスが、配送の仕組みそのものを組み替えた取り組みです。需要予測型の自動発注システムを使って曜日ごとに偏っていた荷量をならし、毎日運行していたデイリー便を2便から1便へ完全に集約しました。あわせて、協力業者と組んで輸送を融通し合う地域シェアリングモデルを構築し、自社だけの効率化にとどまらない形を目指しています。この「『DX×匠の現場力』による物流構造改革」は、日本物流団体連合会が主催する第一回「日本物流大賞」の受賞対象となりました。
出典:北海道ロジサービス 物流DXで第一回「日本物流大賞」を受賞 地域インフラ維持と効率化を両立|インフォメーション|生活協同組合コープさっぽろ 発行元:生活協同組合コープさっぽろ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
北海道という広い商圏で毎日の配送を維持することは、ドライバーの時間外労働規制に端を発する物流2024年問題のもとで年々難しくなっています。受賞対象の取り組みが「地域インフラの維持」を掲げていた点にも、その切実さが表れています。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの中心は配送回数が多いことそのものではなく、曜日によって荷量が大きく振れることだったと考えられます。ピークの曜日に合わせて車両と便数を用意すれば、荷の少ない曜日は空きスペースを抱えたまま走ることになります。かといって便を減らせば、荷の多い日に運びきれない。この振れ幅こそが、便数を動かせなくしていた本当の制約だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
配送の効率を配送側の工夫だけで上げようとせず、発注という上流を動かした点が、この構造改革の起点になっています。需要予測型の自動発注システムで曜日別の荷量を平準化すれば、ピークに備えて車両を余分に構える必要が薄れ、1便で運びきれる見通しが立ちます。便を減らしてから現場に無理を押しつけるのではなく、減らせる荷の形をつくってから便を減らすという順序が、2便から1便への完全集約という思い切った判断を成り立たせたと考えられます。
協力業者との協業で地域シェアリングモデルを組み立てた点も見逃せません。1社だけで積載率を押し上げようとすると、どこかに運びきれない波が残り、結局は便を戻すか現場にしわ寄せがいくかのどちらかになります。個社最適を超えて輸送の枠を分け合う仕組みを並走させたことで、平準化しきれない部分を地域全体で受け止める余地が生まれたのではないでしょうか。
取り組みの名称に「匠の現場力」が併記されていることも、この事例の性格をよく表しています。予測システムが出す数字は、荷を積み、走らせ、届ける現場の段取りと噛み合って初めて便の集約という形になります。技術の導入自体を目的とせず、現場の運用能力と一体で設計する考え方が、計算上だけで終わらない改革につながったと読み取れます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
荷量の平準化を前提にデイリー便は2便から1便へ完全に集約され、積載率は従来の78%から93%へ高まりました。空きを抱えたまま走る便が減ったことを、数字で示せた形です。この構造改革は、事業者間連携や先進技術活用、働き方改革への貢献までを評価対象に含む第一回「日本物流大賞」の受賞につながりました。
うちでも使える?
応用しやすいのは、日々の出荷量が曜日や時期で大きく振れ、そのピークに合わせて車両や人員を構えている事業です。発注や生産指示を出す側が自社やグループ内にあり、荷量そのものをならせる立場にあるなら、上流の平準化から入って結果として便数を見直すという、この事例と同じ順序を取りやすいはずです。
一方、荷量を決めるのが取引先で、自社は受けた注文をこなす立場にある場合、同じやり方はそのまま持ち込めません。単独で積載率を押し上げるには限界がありますし、協力業者と輸送を融通し合う関係をゼロから築くには相応の時間もかかります。まずは直近数か月の出荷データを曜日別に並べ、便あたりどれだけ空きが出ているかを見るところから。振れ幅の大きさが見えれば、荷をならす側と便を減らす側、どちらに先に手を付けるべきかの判断材料になります。
この事例は2026年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
プロジェクト実施・導入企業
北海道ロジサービス株式会社
生活協同組合コープさっぽろの物流関連会社。AI需要予測を用いた配送の1便化と、協力業者との地域シェアリングモデル構築による物流構造改革に取り組む。
出典・参考情報
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