実施 2025.11 ・ 更新 2026.09.19
AI-OCRと生成AIで紙の資料を使える情報へ、文書保管企業のAI活用
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 紙の資料が探せず眠っている
- 書類のデータ入力に人手を取られている
- 倉庫の運搬作業で体力を消耗している
どのようなAIの取り組み?
AI-OCRと生成AIで紙やPDFの資料をデータ化し、倉庫の搬送や安全運転にもAIを広げたAI取り組み
業種
機密文書保管・情報管理(運輸・物流)
取り組み領域
文書のデータ化サービス/倉庫・輸送オペレーション
使ったAI
AI-OCR、生成AI、AIドライブレコーダー、自動搬送機
主な成果
搬送工数を削減し、安全運転評価で物流部門全国6位
機密文書の保管や情報管理を手がけるNXワンビシアーカイブズは、AIを二つの方向で使い分けています。ひとつは顧客に向けたサービスで、AI技術を持つ株式会社Cogent Labsと資本業務提携を結び、文書の自動データ化サービス「COGENT AI SmartRead PLUS+」の提供を開始しました。専門のオペレーターが監督するもとで、AI-OCR(文字を読み取るAI)が書類の仕分けと読み取りを担う形です。2025年11月には、生成AIを使った特化型チャットボットの構築支援サービスも始めています。もうひとつは自社の現場で、人を検知して追従する自動搬送機THOUZER、そしてGOドライブ株式会社のAIドライブレコーダー「ドライブチャート」を業務に取り入れています。
出典:サステナビリティ | 企業情報 | 株式会社NXワンビシアーカイブズ 発行元:株式会社NXワンビシアーカイブズ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
紙やPDFのまま保管されている資料は、なくならない代わりに、必要なときにすぐ取り出して使える状態にもなっていません。同社が文書から構造化データへ、さらに情報としての活用へとつなげることを掲げている点は、この断絶が出発点にあったことをうかがわせます。テキスト化の難しさも具体的で、縦書きと横書き、印字と手書き、多段組や表形式と、資料のレイアウトは一様ではありません。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は、AIの読み取り精度が足りないことではなく、書類の見た目がばらばらである以上、単一の手段で一律に処理しようとすればどこかで必ず破綻する、という構造のほうにあったのではないでしょうか。あわせて自社の倉庫では、自動倉庫から取り出した出庫物を荷捌場まで運ぶ作業が、人の手間としてそのまま残されていました。
どうやって、うまくいったのか
資料に合わせてAI-OCRを選び分けるという前段の設計が効いています。縦書き・横書き、印字・手書き、多段組・表形式といった違いを踏まえて適したAI-OCRを選定し、テキスト化したうえで、生成AIが理解しやすい形式に構造化するところまでを一連の工程として組み立てています。読み取りの負荷を単一のエンジンに背負わせず、資料の性質によって手段を切り替える判断が、種類の揃わない資料を扱ううえでの前提条件になっていたと考えられます。
専門のオペレーターの監督のもとでAI-OCRに仕分けと読み取りを任せる「ヒューマン・イン・ザ・ループ」(AIの処理の中に人の確認を組み込む考え方)も、機密文書を預かる事業と噛み合った置き方です。AIの出力をそのまま成果物にせず、人の監督を工程の内側に据えることで、信頼度が高くすぐ活用できるデータという水準を保っています。Cogent Labs側の最先端AI技術と、同社のセキュリティ環境および実績の豊富なオペレーションを組み合わせた役割分担も明快で、AI技術か運用のどちらか一方だけでは成立しにくい部分を互いに埋める構図。
自社の現場に入れたAI・ロボティクスは、人の仕事を置き換えるのではなく、人に付き添う形をとっています。自動搬送機THOUZERは人を検知して作業者の後ろを追従し、台車などを牽引します。動線や手順を大きく変えないまま、負担の重い部分だけを機械へ移す設計は、現場が受け入れやすい導入の仕方です。AIドライブレコーダーも、危険運転が検知された場面を動画で共有し、その日の運転評価をレポートやランキングで確認できる機能が、検知して終わりにせず改善を回す仕掛けとして働いています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
自動搬送機の活用により、出庫物を荷捌場まで運ぶ搬送工数が削減され、業務効率の向上と作業負荷の軽減につながっています。安全運転の面では、AIドライブレコーダーの評価をもとに優秀な企業を表彰する「DRIVE CHART Award 2025」で、物流部門全国6位という結果を得ました。顧客向けの特化型チャットボット構築支援サービスは、2025年11月に提供が始まった段階です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、手元に紙やPDFの資料が大量にあり、それを何に使いたいのかがはっきりしている場合です。この事例の要点は高性能なAIを一つ選ぶことではなく、資料の形式に応じて読み取り手段を変え、生成AIが扱える形に整えるところまでを工程として設計している点にあります。社内に眠る規程集や過去の報告書をチャットボットから引けるようにしたい、といった場面にも移しやすい考え方でしょう。
一方で、扱う文書に機密性が高く誤りが許されない情報が含まれるなら、出力を専門の担当者が監督する体制まで含めて構想する必要があります。人の確認を省いた自動化の部分だけを切り出して真似ると、精度を誰が保証するのかが宙に浮きます。まず試すなら、自社の資料を数種類手に取り、縦書きか横書きか、手書きが混ざるか、表組みが多いかを見比べてみるところから。形式の違いが見えてくれば、どこまで一括で処理でき、どこから個別の手当てが要るのかの当たりがつきます。
この事例は2025年11月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社NXワンビシアーカイブズ
NXグループの一員として、機密文書の保管・情報管理を手がける企業。コンテンツ管理ストレージ「WAN-RECORD Plus」、電子契約サービス「WAN-Sign」、機密抹消処理サービス「RECOLO」、文書の自動データ化サービス「COGENT AI SmartRead PLUS+」などを提供し、埼玉県・滋賀県などに情報管理センターを置く。ISO9001、ISO/IEC27001、ISO/IEC27017、ISO22301、プライバシーマークを取得している。
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