実施 2025.11 ・ 更新 2026.09.18
発注データと請求書の照合をAIが代行、貿易実務の工数を最大8割削減する見込み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 請求書と発注書の突合に時間を取られている
- 取引先ごとに書類の様式がばらばら
- 確認漏れによる過払いが怖い
どのようなAIの取り組み?
発注内容とインボイス(請求書)の照合をAIエージェントが自動で行い、目検による突合作業の最大80%削減を見込む、貿易業務のAI取り組み
業種
貿易実務を担う荷主企業(運輸・物流)
取り組み領域
輸入業務/発注内容と請求書の照合
使ったAI
AIインボイス照合(AIエージェント)
主な成果
照合工数の最大80%削減を見込む
貿易管理クラウドを提供する株式会社Shippioが、2025年11月、自社プラットフォームの新機能として「AIインボイス照合」の提供を開始しました。輸入取引では、自社が出した発注の内容と、サプライヤーから届くインボイス(請求書)の中身が合っているかを確かめる工程が欠かせません。この突合を、AIエージェント(AIが自律的に処理を進める仕組み)が担い、数量・単価・金額などの食い違いを検出します。確認すべき項目は一覧の形で示され、サプライヤーごとにばらばらだった書類の体裁も共通のレイアウトに整えられます。同社は目検で行われていた照合作業を最大80%削減する効果を見込んでおり、提供開始に先立って株式会社ゴンチャ ジャパンと株式会社アナナスジャパンが実業務で試用しています。
出典:最大80%の作業削減!Shippio、新たに「AIインボイス照合」をリリース | 株式会社Shippioのプレスリリース 発行元:株式会社Shippio
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
従来、発注内容とインボイスの照合は、人が目で追って確かめる作業でした。サプライヤーごとに書類の様式が違ったり、品目数が多かったりすると確認漏れが起きやすく、それは過剰な支払いを招くリスクにつながっていました。
困りごとの本質は、作業時間の長さそのものよりも、支払いが正しいかという後戻りしにくい判断を、担当者の注意力だけで支えていた点にあったのではないでしょうか。様式が揃っていなければ、照合に入る前に「どこに何が書かれているか」を探す工程が毎回発生します。トライアルに参加した企業からは心理的な負担やストレスへの言及が出ていますが、これは単なる作業量の話ではなく、間違えられない確認を延々と続けることの重さが現場に溜まっていたことの表れだと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
照合の土台となる発注情報が、あらかじめ同じプラットフォーム上に置かれていたことが効いていると考えられます。Shippioのクラウドは見積もりや発注、貿易書類の一元管理、関係者間での情報共有を担う場として作られており、AIが突き合わせる「正しいはずの側」のデータがすでにそこにあります。照合を機能として成立させるうえで、比較の基準を外から集め直さずに済む構造は軽視できません。
AIに任せる範囲を「一致しているかどうかの検出」に絞り込んだ設計も、実務に乗せやすさを高めています。数量・単価・金額という照合の軸がはっきりしているため、出てきた結果が妥当かどうかを人が判断でき、確認項目を一覧化する作り方は、最終的な確認を人が引き受ける前提で組まれています。支払いに直結する業務で、判断そのものまでは委ねきらなかった線引き。
サプライヤーごとにばらばらだった書類の体裁を、標準化されたレイアウトに揃えて見せる設計は、見落としが生まれる構造そのものに手を入れるやり方です。読み取りの精度を上げるだけでは、確認する人が様式差に振り回される状態は残ります。品目数の多さに悩む現場と、メーカーごとの様式差に悩む現場という条件の違う2社が実業務で試したうえで提供が始まった進め方も、机上の自動化に終わらせないための手順として理にかなっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
Shippioは、目検で行っていた照合作業を最大80%削減する効果を見込んでいます。トライアルに参加した株式会社ゴンチャ ジャパンでは、品目数が多い場合に1件あたり10分ほどかかっていた突合が2分程度で終わり、約80%の工数削減になるとの評価が示されました。株式会社アナナスジャパンでは工数が最大で約50%まで減り、確認項目の一覧化による確認漏れリスクの低下と、書式が統一されて迷わず作業を進められる点が挙げられています。数値以上に心理的負担の軽減を効果として語っている点は、この機能の性格をよく表しています。
うちでも使える?
応用が効きやすいのは、発注した内容がシステム上にデータとして残っていて、請求側の書類と項目単位で突き合わせられる業務です。輸入取引に限らず、外注費や仕入の請求処理でも、比較の基準になる発注データが揃っていれば同じ考え方が使えます。品目数が多く、取引先ごとに書式が違うほど、人が確認する負荷は重く、置き換える価値も出やすいでしょう。
一方で、発注内容がメールや電話のやり取りにしか残っていない場合は、AI以前に基準側が定まらないため、そのままでは持ち込めません。数量や単価の差異が仕様変更や価格交渉の結果として日常的に生じ、一致・不一致の二択では判定しきれない取引も、自動照合とは相性がよくありません。
まず試すなら、直近ひと月の請求書のうち、発注内容と実際に食い違っていたものが何件あり、その発見にどれだけ時間をかけたかを数えてみてはどうでしょうか。
この事例は2025年11月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社Shippio
「国際物流を、アドバンストに」をビジョンに掲げ、貿易プラットフォームを構築する企業。国際物流プラットフォームの企画・開発・運営を事業内容とし、荷主企業および国際物流事業者向けに貿易管理クラウド・AI通関クラウド等を含むShippio Platformを提供する。クラウド上で貨物船トラッキング、見積もり・発注、貿易書類の一元管理と関係者間の情報共有、チャットコミュニケーションなどを可能にしている。資本金8億4000万円、未上場。第一種・第二種貨物利用運送事業者の登録、IATA公認代理店認可を取得。
株式会社ゴンチャ ジャパン、株式会社アナナスジャパン
出典・参考情報
最大80%の作業削減!Shippio、新たに「AIインボイス照合」をリリース | 株式会社Shippioのプレスリリース
発行元:株式会社Shippio
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