実施 2025.09 ・ 更新 2026.09.17
自動フォークリフト8台で倉庫の荷役を自動化、物流会社の省人化への一手
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- フォークリフト作業の人手が確保できない
- 作業する人によって荷役の品質がばらつく
- 建屋を改造せずに倉庫を自動化したい
どのようなAIの取り組み?
自動フォークリフト8台により、倉庫の格納・出庫作業を自動で担う体制に切り替えたAI取り組み
業種
運送業・倉庫業(運輸・物流)
取り組み領域
倉庫内の荷役・搬送
使ったAI
自動フォークリフト「ラピュタAFL」(自律走行ロボット)
主な成果
自動フォークリフト8台の稼働で省人化と作業標準化を推進
千葉県野田市で運送業と倉庫業を手がける総武物流が、中根製品倉庫にラピュタロボティクス製の自動フォークリフト「ラピュタAFL」を8台導入し、稼働を開始しました。配置は1階に4台、2階に4台。パレタイザーから平置き保管庫への格納、保管庫から垂直搬送機や仮置き場への出庫といった荷役を機体が自動で担います。さらに空パレット置き場からパレットマガジンラックへの搬送など、単純な往復搬送にとどまらない運用にも対象を広げています。労働人口の減少を見据えた早期の自動化策として位置づけられており、省人化と同時に、作業の標準化と荷役品質の安定化を狙った取り組みです。
出典:ラピュタロボティクスの自動フォークリフト「ラピュタAFL」が総武物流株式会社、中根製品倉庫で稼働開始 | ラピュタロボティクス 発行元:ラピュタロボティクス株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
物流は社会インフラとして止めることができない、という前提が、この倉庫の出発点にあります。総武物流は労働人口の減少が加速するなかで人材確保の難しさを早くから見据え、自動化への備えを重視してきました。ただ、現場の実情はもう少し込み入っています。導入前の中根製品倉庫では、フォークリフトのオペレーターが一つの作業を繰り返すのではなく、複数の作業を掛け持ちし、そのつど状況を見て次にやるべきことを判断していました。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は作業量の多さそのものではなく、判断と実行が一人の作業者のなかで分かちがたく結びついていた点にあります。判断が人の側に残ったままだと、機械に任せられるのは切り出しやすい一部分にとどまり、人は結局その前後に張り付くことになる。「どれか1部分だけが自動化されるのでは作業負荷の軽減に留まる」という現場の言葉は、この構造を指しているのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
効いているのは、搬送機を単体の作業代替として置かず、状況に応じて次の作業を選び取るところまで含めて任せた設計です。パレタイザーからの格納、保管庫から垂直搬送機や仮置き場への出庫といった複数の作業を、一連の流れとして機体側が完了させられる形になっています。判断の部分を人に残さない組み立てにしたことで、人が工程の前後に張り付く必要が薄れ、部分最適で終わりがちな自動化の壁を越えやすくなります。
8台を1階に4台、2階に4台とフロアごとに束ねた配置も、見どころのある判断です。タスクの優先度を設定し、フロア内で機体同士が仕事を分け合う運用にすることで、限られた空間に複数台を入れても互いの動きが詰まりにくくなります。台数を増やすほど待ちや渋滞が起きやすいのが多台数運用の難所ですが、優先度と分担というルールを先に決めておくやり方は、その難所への現実的な答えになっています。
導入のしやすさという面では、倉庫の建屋に大がかりな造作を伴わずに入れられる方式であったことが大きい。稼働中の倉庫を止めて改修する前提の自動化は、それだけで検討が進まなくなります。加えて、空パレット置き場からパレットマガジンラックへの搬送や、垂直搬送機から空パレット置き場への戻しといった、本筋の荷役の外側にある搬送まで対象に広げている点も見逃せません。こうした細かな片付け仕事ほど人が担いがちで、そこを含めて任せられるかどうかが、現場の体感としての省人化を左右します。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
稼働開始により、1階と2階を合わせて8台のラピュタAFLが倉庫内の格納・出庫を担う体制になりました。自動搬送への置き換えによって作業のばらつきが減り、再現性の高いオペレーションを継続できる状態が生まれ、荷役品質の安定と従業員の負荷軽減につながっています。現場からは、状況に応じて作業を選択し作業全体を完了できる点が倉庫の省人化に大きく貢献したとの評価が示され、今回の導入で得た知見を、さらなる効率化や将来の倉庫運用設計に生かす方針が語られています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、パレット単位の荷物を決まった場所のあいだで運ぶ工程が、一日のなかで何度も繰り返される現場です。格納先や出庫先がある程度定まっていて、作業の順番にルールを与えられるなら、優先度と分担を決めて複数台で回すという考え方はそのまま参考になります。建屋に手を入れずに設置できる方式かどうかも、検討が前に進むかを大きく左右する条件になります。
反対に、荷姿が毎回変わる、パレットに載らない不定形の荷物が多い、通路幅や保管の配置が機体の走行を前提にしていない、といった倉庫では同じようにはいきません。人が荷物を一つひとつ見て積み方を決めている工程も、置き換えの対象としては難しい部類に入ります。まず試すなら、自社の倉庫で一日に何回、どこからどこへパレットが動いているかを数えてみるところから。往復の本数が集中している区間ほど、自動化の効き目は見えやすくなります。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
ラピュタロボティクス株式会社
物流向けロボティクスソリューションを提供する、チューリッヒ工科大学(ETH Zürich)発のベンチャー企業。「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げ、制御技術および人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクスプラットフォームの開発と、ロボットソリューションの開発・導入・運用支援を行う。世界30ヵ国以上から集まったエンジニアと、ロボティクスに精通した営業チーム、カスタマーサクセスチームで構成される。代表取締役CEOはモーハナラージャー・ガジャン。
総武物流株式会社
出典・参考情報
ラピュタロボティクスの自動フォークリフト「ラピュタAFL」が総武物流株式会社、中根製品倉庫で稼働開始 | ラピュタロボティクス
発行元:ラピュタロボティクス株式会社
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