実施 2025.10 ・ 更新 2026.09.16
倉庫の搬送を自律走行ロボットへ、フォークリフト2台を削減したLIXIL物流の現場
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- フォークリフトの有資格者が足りない
- 倉庫の運搬が人の手に頼りきり
- 空のまま戻る運搬の無駄をなくしたい
どのようなAIの取り組み?
自律走行する搬送ロボットを倉庫内の運搬に充て、フォークリフト2台の削減につなげたAI取り組み
業種
物流センター運営(運輸・物流)
取り組み領域
倉庫内の搬送・構内物流
使ったAI
自律走行搬送ロボットAMR「Neibo」
主な成果
フォークリフト2台を削減
株式会社LIXIL物流の関東物流センターは、住宅サッシや玄関ドア、シャッター、インテリア建材などを関東甲信越・福島の1都10県へ届ける拠点です。最大6mに及ぶ長尺物を複数まとめて運ぶため荷物は重く、搬送は有資格者がフォークリフトを操作する人中心のオペレーションで回っていました。ここにエクセディが提供する自律走行搬送ロボットAMR「Neibo」を入れ、無人での牽引搬送を始めています。導入にあたっては、人や他のフォークリフトなど前方の障害物を検知して確実に停止・回避する安全性、重量物を引ける運搬性能、大掛かりな床工事なしで倉庫内の段差を越える走破性を条件に、数社の製品を比較しています。稼働後はフォークリフトを2台削減し、今期は4台の追加導入と九州・岡山など他拠点への展開、WMS(倉庫管理システム)との連携を進めています。
出典:株式会社LIXIL物流 関東物流センター|導入事例|AMRロボット「Neibo」公式サイト|エクセディ 発行元:エクセディ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
広大な倉庫の中では、人がフォークリフトを運転して製品を運ぶ体制が続いていました。この作業には高い運転技術が求められるため有資格者の確保が常に課題で、将来的な労働力不足も大きな懸念でした。加えて、荷物を降ろしたフォークリフトが空のまま戻る「空走」の無駄も、効率化の宿題として残されていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとは単なる人手の不足ではなく、運べる量が有資格者の人数に直結してしまう構造にあったのではないでしょうか。資格という条件が間に挟まると、忙しい時期に搬送力だけを増やすことも、他の持ち場から応援を回すこともできません。空走が気になるのも同じ根から来ていると考えられます。確保しにくい有資格者の時間が、荷物を載せていない移動に削られていたわけです。
どうやって、うまくいったのか
ロボットに求める条件を、カタログの機能比較ではなく自社倉庫の物理条件から逆算して定義したことが、この取り組みの起点にあります。最優先に置いたのは安全の確保で、人や他のフォークリフトを正確に検知し、確実に停止・回避できる精度を第一の要件としました。次に、最大6mの長尺物を複数運ぶ現場に合わせた運搬性能、そして倉庫内にある若干の段差を大掛かりな床工事なしで越えられる走破性を必須条件に据えています。床を作り替える前提を外した点は見落とされがちですが、稼働中の倉庫を止めずに済ませるという意味で、設備投資以上に効いた判断だと考えられます。
操作の主導権を現場に置いた選び方も、定着を左右した要因でしょう。標準アプリのフローチャート機能はプログラミングの知識がなくても直感的に扱えるため、搬送の手順をベンダーに依頼せず現場側で組み替えられます。製品選定の際に「こちらの要望がどこまで実現可能か」を重視し、細かいニーズや様々なパターンへの対応力を軸に数社を比べたのも、同じ発想の延長にあります。
稼働開始から数か月は監視員をつけ、そのうえで本格運用へ移すという段階を踏んだやり方も、無人搬送というリスクの高い変更を現場が受け入れられる形に変えています。安全性そのものはテスト段階で確認済みでしたが、自分たちの通路と荷物で確かめる時間を別に設けたことで、「本当に運べるのか」という半信半疑の空気を実地の観察で解いていきました。社内の改善チームが製品を見つけ、重量物を牽引するデモを現場が自分の目で確認するという入り方も、この流れと地続きです。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
フォークリフトは2台削減され、そこで空いた人員は他の重要な業務に移っています。導入から半年以上が経過しても故障は一度もなく、監視員をつけて運用した期間も人や棚、荷物への接触事故は起きていません。夏場に倉庫内が40度近くまで上がる日でもオーバーヒートによる停止はなく、現場からは「次はどこに導入するのか」と次の展開を期待する声が出ています。今期は4台を追加してリフト4台の削減を目指し、リフト作業全体の効率化と組み合わせて合計十数台の削減を目標に掲げています。要望として残っているのは搬送速度の向上です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、運ぶ物と経路がある程度決まっていて、なおかつ運転に資格や熟練を要する搬送が日常的に発生している現場です。この事例が条件として並べた重量、床の段差、人やフォークリフトとの交差といった物理的な前提を、契約前の段階で具体的に言葉にできるかどうかが、導入の可否をほぼ決めます。逆に、荷姿が毎回変わる、経路が日ごとに組み替わる、あるいは運搬距離が短く人が手で運んだほうが早いという現場では、投資に見合う効果は出にくいはずです。倉庫内が40度近くになっても止まらなかったという話も、裏を返せば、温度や粉塵、床の状態といった自社固有の条件で耐えられるかは実際に置いてみるまで分からない、ということでもあります。
最初の一歩は、仕様表を読み比べることよりも、自社で最も重い荷物を用意して実際に牽引させるデモを申し込むことではないでしょうか。この事例でも、「本当にこれで運べるのか」という疑いは、資料ではなく目の前で走る姿によって覆されています。
この事例は2025年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
エクセディ
自律走行搬送ロボットAMR「Neibo」を提供する企業。倉庫や物流現場向けに、重量物の牽引搬送に対応するロボットと、プログラミング知識がなくても操作できる標準アプリを提供している。
株式会社LIXIL物流
出典・参考情報
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