実施 2025.02 ・ 更新 2026.09.12
AIドラレコで事故4割削減、熊本のタクシー会社が進めた現場定着の運用設計
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 事故が起きてから映像を確認している
- 拠点ごとに指導の基準がばらばら
- 安全教育の準備に時間を取られる
どのようなAIの取り組み?
AIドライブレコーダーサービスの全車両導入と運用ルールの一本化により、導入半年で事故件数を4割削減したAI取り組み
業種
タクシー・貸切バス(運輸・物流)
取り組み領域
安全運転管理/運行管理
使ったAI
AIドライブレコーダー『DRIVE CHART』
主な成果
導入半年で事故件数を4割削減
熊本県で約245台の車両を持つタクシー会社、株式会社TaKuRooは、2024年に重大事故が起きたことを受けて、2025年2月にAIを搭載したドライブレコーダーサービス『DRIVE CHART』を全車両へ導入しました。急ハンドルや急減速といったリスク運転を自動で検知し、その場面の映像と周辺データをあわせて確認できる仕組みです。導入と同時に、5つの営業所で基準を分けず1社で一本化した運用ルールを整備し、管理者は毎日、乗務員は週1回ログインすること、減らす項目を一時不停止に絞ることを定めました。週次・月次のレポートを営業所に掲示して目標と進捗を共有する運用も続けられ、導入から半年で事故件数の4割削減という結果につながっています。
出典:TaKuRoo、「初動の徹底」により『DRIVE CHART』導入半年で事故4割削減、 業務効率化も同時達成した「運用の秘訣」 | DRIVE CHART(ドライブチャート)- 次世代AIドラレコサービス 発行元:DRIVE CHART(ドライブチャート)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前は、事故が起きた後にドライブレコーダーのSDカードを抜き出して映像を確認する対応が中心で、乗務員への指導までに時間差が生まれていました。予防としてランダムに車両を選んで映像を確認する取り組みもありましたが、どの車両をどこまで見るかの基準があいまいなまま、確認作業だけに多くの工数がかかる状態が続いていました。
編集部の見立てでは、ここでの詰まりは映像が足りないことではなく、映像を見る順番を決める材料がなかったことにあります。すべての車両が同じ確率で危ないわけではないのに、優先順位をつける手がかりがないため、担当者は当てずっぽうに近い確認を続けるしかない。事故を減らしたいという意思がありながら結果に結びつかなかった背景には、この構造があったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
現場に説明する前に、運行管理者や整備責任者といった実務側の幹部を巻き込んだプロジェクトを立ち上げた順序に、この取り組みの設計思想が表れています。新しい仕組みへの反発は、機能そのものよりも「誰がどんな意図で持ち込んだのか」が分からないことから生まれます。各営業所への説明に社長が必ず同席し、重大事故という事実を起点に背景を語る形をとったことで、ツールの説明が会社の意思表明として届く構造がつくられました。監視ではないかという懸念にも、映像がアップロードされるのはリスク運転の検知時だけであること、遠隔で映像を取得できる機能は管理者側の手間も減らすことを、個別に説明しています。
5つの営業所それぞれに判断を委ねず、1社で基準を一本化した運用ルールの整備も、成果を早めた要因と考えられます。ログイン頻度、重点的に減らす項目、声かけの基準までを先に決めたことで、営業所ごとの温度差がそのまま指導内容の差に変わることを防いでいます。重点項目を一時不停止に絞った判断も効いていて、追いかける指標が一つに定まれば、管理者も乗務員も何を直せばよいかで迷いません。乗務員自身にも週1回のログインを課し、会社スマホのQRコードから自分の運転データを見られるようにしたことで、指導される側が自分の数字を持つ構図になりました。
検知データを評価や資格につないだ設計は、この事例で最も応用の余地が大きい部分です。週次・月次レポートを営業所の目立つ場所に掲示して営業所間の競争を促し、良い結果を出した乗務員には褒める声かけを徹底する。貸切や大型車両を運転できる「プレミアムドライバー制度」では、受験の条件にリスク運転数の水準を組み込み、従来の推薦制から数値で開かれた仕組みへ切り替えました。AIの出力が評価の材料になった時点で、それは管理側だけが見る数字から、乗務員自身が意味を持って追う数字へ変わったと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
重点項目とした一時不停止は半年で70%削減され、月間のリスク運転が0件という乗務員も複数あらわれています。事故件数は4割削減され、更新月を迎えた任意保険料の削減にもつながりました。運行管理者からは事故の事後対応が大きく減ったという反応が出ています。副次的な効果として、乗客からのクレームがあった際に遠隔で映像を確認し、乗務員へ適切なフィードバックができるようになった点も挙げられています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、車両や機械の稼働状況を一台単位で記録でき、複数の拠点に同じ職種の担当者がいる組織です。運送や送迎、営業車の管理などは、検知された内容がそのまま個人への指導内容に変換できるため、この事例の型が近い形で当てはまります。一方で、成果の多くを担っているのは検知そのものではなく検知後の運用です。データを毎日確認して声をかける管理者の時間が確保できない場合や、安全のように全社が納得できる共通目標を置きにくい業務では、同じようには進みにくいと考えられます。
始めるなら、ツールを比べるより先に「これだけは減らす」という項目を一つ決めてみてはどうでしょうか。狙う項目が定まっていれば、どんな検知が必要か、誰が毎日それを見るのかも自然に絞り込めます。
この事例は2025年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:画像・動画・3D
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:動画AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
DRIVE CHART(ドライブチャート)
リスク運転の検知と映像・周辺データの解析を行う次世代AIドライブレコーダーサービス『DRIVE CHART』を提供。導入企業に対してはカスタマーサクセス担当者が運用ルールづくりの相談に応じ、週次サマリーレポート・月次レポートや遠隔動画取得などの機能を提供している。
株式会社TaKuRoo
出典・参考情報
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