実施 2026.05 ・ 更新 2026.09.10
京成バスグループ4社が電話の一次応答をAI化、有人対応5〜7割減を目指す設計
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 電話対応に現場の人手を取られている
- 別の窓口への取次ばかりで一日が終わる
- よくある質問を自動で案内したい
どのようなAIの取り組み?
電話の一次応答を対話型の音声AIに任せ、忘れ物対応で有人対応時間の約50〜70%削減を目指す受電体制を築いたAI取り組み
業種
バス運行(運輸・物流)
取り組み領域
電話応対/問い合わせ窓口
使ったAI
対話型音声AI SaaS「アイブリー」
主な成果
忘れ物対応の有人対応時間を約50〜70%削減する目標を設定
東京都内と千葉県下で路線バスを、成田空港発着などの高速バスを運行する京成電鉄バスホールディングス傘下の4社が、各本社・営業所にかかってくる電話の一次応答を、IVRyの対話型音声AIサービス「アイブリー」に任せる体制を整えました。AIが用件を聞き取り、2026年4月に新設したインフォメーションセンターか、各社の担当部門・営業所の固定電話へと振り分けます。問い合わせで最も多い忘れ物については、発着駅などの状況を音声認識で把握したうえで該当する営業所へ自動転送し、照会ページのURLをSMSで送信。運賃や運行状況といった定型的な用件も確認先URLをSMSで案内し、利用者自身での解決を促します。4社への展開は、先行して運用した京成バス千葉ウエストの結果を受けて決定されました。
出典:京成電鉄バスホールディングス傘下のグループ4社が 対話型音声AI SaaS「アイブリー」を導入 〜営業所とAIコンタクトセンターのハイブリッド運用で顧客満足度向上と電話応対業務削減の両立へ〜 | アイブリー 発行元:株式会社IVRy
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
バス業界では人手不足と採用難、物価高騰が重なり、限られた人員で安全運行を支える運行管理と日々の電話対応の両方を回す必要が生じています。京成電鉄バスグループ4社でも、運賃・忘れ物・運行状況に関する問い合わせが日々膨大に発生し、利用者がWeb検索で最初に見つけた営業所へ架電するケースが多いため、正しい窓口へつなぎ直す取次業務が現場の大きな負担になっていました。
編集部の見立てでは、この現場の困りごとの本質は着信の件数そのものではなく、「どこにかければよいか」を利用者側が判断できない状態に置かれていた点にあります。窓口が地域ごとに分かれた広域ネットワークでは、正しい担当が誰かを知っているのは受けた側だけで、その仕分けは人の耳を通さないと成立しません。つまり削りにくい負荷は、回答そのものではなく、回答にたどり着くまでの経路整理のほうに溜まっていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
効いているのは、集約か分散かの二者択一を避け、AIに振り分けだけを担わせた設計だと考えられます。この体制では、地域の事情を知る担当者でなければ答えられない専門的な内容は各営業所に残したまま、定型的な問い合わせだけを新設のインフォメーションセンターへ寄せています。窓口を一本化してすべてを集約する方式なら、地域固有の知識が届かない問い合わせをセンターが抱え込みかねません。判断の対象を「誰が答えるべきか」に絞ったことで、現場の専門性を壊さずに負荷だけを移せる構造になっています。
用件の種類ごとに応答手段を作り分けた点も、実運用を成り立たせている要素です。路線バスと高速バスの性格の違いに合わせた二層構造のIVR(自動音声応答)を土台に、忘れ物は音声認識で発着駅などを聞き取って自動取次、運賃や運行状況は確認先URLをSMSで送って自己解決へ、予約が必要な高速バスはプッシュ番号での分岐へと、それぞれ別の道筋を用意しています。音声で自由に話してもらうべき用件と、番号選択で確実に絞るべき用件を混ぜなかった判断が、案内の正確さを支えているように見えます。
展開の順序も見逃せません。京成バス千葉ウエストで先に運用し、その結果を踏まえて残る3社へ広げる段取りを取り、あわせて受け皿となるインフォメーションセンターを立ち上げています。AIが仕分けても、その先に受ける場所がなければ電話は結局現場へ戻ります。振り分けの仕組みと受け皿を同時に用意したことが、この体制の前提条件になっているとみています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
忘れ物に関する問い合わせでは、自動転送とSMSによる照会ページ案内によって有人対応時間の約50〜70%削減を目指す、という目標が掲げられています。これは達成済みの実績ではなく、これから確かめる水準です。現時点で動いているのは4社での導入と、2026年4月に立ち上がったインフォメーションセンターでの活用まで。今後はグループ横断で集まる受電データを構造化して分析し、FAQの精度向上や利用者の声に基づくサービス改善へつなげる方針が示されています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、着信の上位を占める用件がはっきりしていて、その答えがWebページや既存の照会画面で足りる窓口です。バスの忘れ物と同じように、聞き取る情報が「いつ」「どこ発着」といった数項目に定まるなら、音声で受けて転送先を決める処理は組み立てやすくなります。拠点や店舗が複数あり、利用者がどこにかけるか分からないまま架電してくる業種であれば、取次の削減余地はさらに大きいはずです。
逆に、事故や遅延の対応のように状況が一件ごとに異なり、聞き取り項目を事前に決められない用件は、この方式だけでは受けきれません。SMSで送る先のページが整っていない場合も、自己解決への誘導が空振りします。まず試すなら、自社名を検索したときに利用者が最初にたどり着く電話番号を確かめ、そこに実際どんな用件が届いているかを見るところから。入口の実態が分かれば、AIに任せる範囲の線引きも決めやすくなります。
この事例は2026年5月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:顧客対応・サポート
活用したデータ:音声・音響
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:音声AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社IVRy
月額3,980円から利用できる対話AIプラットフォーム「アイブリー」を運営・開発する企業。アイブリーは24時間365日稼働するAIが電話応答を自動化・標準化し、通話内容の文字起こし・要約・分析やFAQ自動生成、意図分類、KPIモニタリングに対応する。47都道府県・98業界以上で累計60,000件以上のアカウントを発行し、累計着電数は9,000万件を超える。
京成電鉄バスグループ4社(京成バス東京、京成バス千葉ウエスト、京成バス千葉セントラル、京成バス千葉イースト)
出典・参考情報
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