実施 2025.09 ・ 更新 2026.09.10
バス運転手の点呼をカメラ越しに遠隔化、試験運用で1日平均8時間削減
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 拠点間の移動だけで時間が消える
- 朝のピーク時間だけ人手が足りない
- 担当者を待つ時間が毎日発生している
どのようなAIの取り組み?
クラウドカメラと点呼システムの連携により、離れた車庫にいる運転手の点呼を遠隔で行い、平日1日あたり平均8時間の稼働時間削減につなげたAI取り組み
業種
企業送迎バス運行(運輸・物流)
取り組み領域
運行管理/点呼業務
使ったAI
エッジAIカメラ「Safie One」(クラウド録画サービス)
主な成果
運行管理者の移動と運転手の出庫待ちを平日1日あたり平均8時間削減
中日臨海バスは企業の送迎バス運行に特化した事業者で、全国8か所に拠点を構え、約250台の車両を保有しています。毎日35台のバスが動く品川シーサイド営業所では、朝の通勤時間帯に出庫が集中します。同社はこの営業所で、セーフィーが開発・提供するエッジAIカメラ「Safie One」を、東海電子の点呼システム「e点呼PRO」と組み合わせて遠隔点呼に活用しています。A車庫にいる運行管理者が、離れたB車庫の運転手を映像で確認しながら健康状態をヒアリングし、当日の天候や道路状況を共有する形です。アルコールチェックの結果も点呼システム経由でその場で確認できます。運用は場所と時間を限定した試験的な段階にあり、その中で運行管理者の移動と運転手の出庫待ちの削減という効果が出ています。
出典:中日臨海バスがセーフィーのクラウドカメラを導入し「遠隔点呼」を実現 | セーフィー株式会社 - Safie Inc. 発行元:セーフィー株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
品川シーサイド営業所では毎日35台のバスが稼働し、朝の通勤時間帯に出庫が重なります。ところが運行管理者は1名体制で、車庫が分かれているため、管理者が車庫間を移動している間は運転手を待たせてしまう懸念がありました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとは点呼という作業そのものの重さではなく、対面が原則という前提が「管理者と運転手が同じ場所に、同じ時刻にいること」を要求していた点にあります。出庫が朝の一点に集中する業務では、1人の管理者の体を同時に2か所へ置くことはできません。人を増やす以外に打つ手がないように見えて、実際に詰まっていたのは人数ではなく、点呼に課された場所の制約だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
映像と音声の質を、点呼で下す判断の中身に合わせて確保した設計が効いています。点呼で管理者が見ているのは顔色や受け答えといった状態の兆候であり、画が粗ければ遠隔にした途端に判断の水準が落ちます。滑らかな映像で運転手の様子を確認し、クリアな音声で健康状態をヒアリングして天候や道路状況を共有するという運用は、遠隔化の可否がネットワーク越しに届く情報量で決まることを踏まえた組み立てです。カメラとインターネットをつなぐだけで映像を確認できるクラウド録画という構成も、専用の設備を持たない車庫側に置きやすくしています。
人の目で確かめる部分と、機器の測定値で押さえる部分を分けた切り分けも見逃せません。アルコールチェックは映像越しの観察では代替のしようがない項目ですが、これを「e点呼PRO」との連携で即時に確認できる形にしています。見て判断するものと、数値で客観的に確認するものを別系統に置いたことで、遠隔でも点呼に必要な要素を欠けさせずに済んだと考えられます。
全社一斉ではなく、場所と時間を限定した試験的な運用から入った進め方も、この事例の性格をよく表しています。A車庫の管理者がB車庫の運転手を点呼するという具体的な1組に絞れば、映像の見え方、声の通り、機器連携の挙動を、実際の朝の混雑の中で確かめられます。制度改正で認められて間もない運用を狭い範囲で試しながら広げる手順は、規制対応と現場運用の双方に不確実さが残る領域での現実的な入り方。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
運行管理者の移動の手間と運転手の出庫待ち時間は、平日1日あたり平均8時間削減され、その分を他の業務に充てられるようになりました。現時点では場所と時間を限定した試験的な実施ですが、同社の安全統括管理者は確かな手ごたえを感じているとしたうえで、より離れた事業所間での遠隔点呼へ広げていく意向を示しています。削減された時間が教育や他業務に回る点まで含めると、効果は単純な時短にとどまりません。
うちでも使える?
応用しやすいのは、確認する内容が「目で見る」と「測る」に分解でき、しかも遠隔で行ってよいという制度上の裏づけがある業務です。バスの点呼はこの条件を満たしており、規制改正が先にあったからこそ、映像と測定機器の組み合わせで置き換える余地が生まれました。反対に、確認の中身が現場のにおいや振動、現物の手触りのように、その場に立たなければ得られない情報に寄っている場合は、カメラを増やしても対面の代わりにはなりません。拠点が1か所に収まっていて担当者の移動距離がもともと短い職場でも、浮く時間は小さく、費用に見合わないことがあります。
試すなら、朝や夕方のいちばん立て込む時間帯を選び、管理者がそのときどこにいて、誰が何分待っているかを一度その場で追いかけてみてはどうでしょうか。待ち時間の正体が移動だと分かれば、遠隔化が効く場面かどうかの見当がつきます。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:画像・動画・3D
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
セーフィー株式会社
クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」を提供・開発する企業。カメラとインターネットをつなぐだけで映像を確認できるクラウド録画サービスで、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェアNo.1(テクノ・システム・リサーチ社調べ、2024年、55.3%)。エッジAIカメラ「Safie One」なども提供し、「映像データであらゆる産業の“現場”をDXする」というコンセプトのもと、小売、土木・建築、製造、医療、物流・運輸などの現場で映像活用を進めている。代表取締役社長CEOは佐渡島隆平氏。
中日臨海バス株式会社
出典・参考情報
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