実施 2024.10 ・ 更新 2026.09.10
年720時間削減を試算、菓子物流会社の生成AI研修と内製化伴走
プロジェクト期間:1年 〜 2年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 人手不足で現場が回らない
- 同じ内容を何度も入力している
- 研修をしてもAIが定着しない
どのようなAIの取り組み?
全社研修と選抜メンバーへの伴走支援を組み合わせ、年間約720時間の削減効果が試算されている生成AI活用の取り組み
業種
菓子物流(運輸・物流)
取り組み領域
管理部門の事務業務/全社の生成AI教育
使ったAI
生成AI(ChatGPT、NotebookLM)
主な成果
支援4ヶ月目で年間720時間の削減効果を推定
菓子業界向けの共同配送を手がける株式会社合通カシロジが、生成AIの活用を組織に根付かせるため、株式会社Hitamukiの伴走型支援を受けた事例です。2024年7月に専務取締役がHitamukiの講演を視聴したことが接点となり、同年10月の無償研修を経て本格的な支援が始まりました。第1フェーズでは月1回の対面研修で全社的なリテラシーの底上げを図り、2025年5月からの第2フェーズでは適性の高い3名を選抜して、実務でのプロンプト開発やGAS・VBAを用いた自動化まで踏み込んでいます。支援4ヶ月目の時点で、年間720時間の削減効果が推定されています。
出典:ご支援事例:株式会社合通カシロジ様 発行元:株式会社Hitamuki
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
物流業界を覆う深刻な人手不足の中で、合通カシロジが向き合っていたのは、働き方改革と業務効率化をどう同時に成り立たせるかという問いでした。ただ、専務取締役が当初重視していたのは目先の業務削減ではありません。全社員の意識を変え、日常業務での活用余地が大きい事務部門の教育を厚くし、将来的にAIが裏側で自動的に動く仕組みへつなげる。その土台づくりには時間をかけてよい、という判断が先にありました。
編集部の見立てでは、この会社の困りごとの本質は「AIを使える人がいない」ことではなく、AIを前提に業務を組み直す発想そのものが社内になかった点にあります。ツールを配っても、日々の作業をAIに寄せて考える習慣がなければ、利用は一部の関心の高い人に閉じてしまう。削減目標ではなく理解の浸透を出発点に置いたのは、その構造を見越した選択だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
支援を「全社への研修」と「選抜メンバーへの伴走」の2段階に分けた設計が、この取り組みの背骨になっています。2024年10月からの半年間は月1回の対面研修でリテラシーの底上げに充て、選抜した3名への実践支援に移ったのは2025年5月から。順序を逆にして少人数の実務改善から始めれば、数字は早く出ても、周囲には自分とは縁のない話として映ったはずです。全体の理解をそろえてから深掘りへ進む段取りが、後の広がりを準備したと考えられます。
経営層と現場を別々の回路でつないだ体制も見逃せません。管理部長を窓口に据えて日常のやり取りを一本化しつつ、専務取締役とは定期的に振り返りを持ち、次のステップを一緒に設計しています。長期のビジョンを描く側と、日々の手数を減らしたい側では、AIに期待するものが食い違いやすいもの。両者に別の接点を用意したことが、方針と現場感覚のずれを早い段階で吸収する仕掛けになっていました。
三つ目は、ChatGPT一択に寄りかからず、議事録づくりにはNotebookLM、用途によっては画像生成AIというように、業務ごとに道具を割り当てる進め方です。難易度の高いプロンプトやGAS・VBAのスクリプトはHitamuki側が代わりに作りつつ、その設計の考え方までセットで共有しています。成果物だけを渡せば依存が固定されますが、作り方が残れば次は自分たちで書ける。選抜メンバーが将来社内講師として教えられるよう、教え方やナレッジ共有の方法まで支援対象に含めた点も、内製化を掛け声で終わらせないための具体策です。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
支援4ヶ月目の時点で、年間720時間の削減効果が推定されています。内訳では、複数シートへの同一情報入力を自動化した入力業務が年約185時間、データ判別を効率化した引き当て作業が年約170時間。いずれも確定した実測値ではなく推定として示されている点は押さえておきたいところです。あわせて、従来3〜10日を要していた提案書作成が1日以内に収まり、議事録は会議後10分程度で仕上がるといった変化も現れています。「AIは怖い」から「AIは便利」へと社内の受け止めが変わり、他部署からの相談や、合通グループ他社への展開の動きも生まれています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、複数の帳票へ同じ内容を書き写す、データを目視で突き合わせるといった作業が事務部門に積み上がっている組織です。この事例で先に成果が現れたのもその領域で、業種を問わず似た構図は珍しくありません。加えて、経営層が短期の削減額ではなく理解の浸透を評価軸に置けるかどうかも、この進め方が働く条件になります。
一方、そのまま持ち込みにくい場面もあります。庫内作業や配送そのものの効率化を狙うのであれば、事務作業向けの生成AI活用とは別の技術と投資が必要です。月1回の対面研修に人を出し続けられる余力があるか、実務と並行して学べる適性のある人材を数名見つけられるかも前提になります。まず試すなら、直近1ヶ月の会議で議事録作成にどれだけ時間を使ったかを実測してみてはどうでしょうか。数字が出れば、最初にAIへ任せる一件はおのずと決まります。
この事例は2024年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社Hitamuki
生成AIサミットを企画運営し、AI人材育成・研修設計から組織の生成AI活用・浸透、PoC開発コンサルティングまで一気通貫で伴走する企業。代表取締役は生成AIコンサルタントの澤田隼氏。大企業から中小企業、ベンチャー企業まで幅広い支援実績を持つ。
株式会社合通カシロジ
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