実施 2025.09 ・ 更新 2026.09.09
複数拠点をまたぐAI自動配車、ロジスティードが実証実験で探った全体最適
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 拠点ごとの最適化で全体が見えない
- 空いている車両を活かしきれない
- 配車の判断が拠点任せになっている
どのようなAIの取り組み?
複数拠点の配送実績データを集約し、AI自動配車システムで拠点横断の全体最適を検証したPoC(概念実証)の取り組み
業種
総合物流・3PL(運輸・物流)
取り組み領域
配車業務/拠点横断の輸送管理
使ったAI
自動配車システム「LOG」(AIによる配車最適化)
主な成果
拠点横断配車の改善数値をシミュレーションで確認(PoC段階)
ロジスティードとLogpose Technologiesが、複数の物流拠点をまとめて見る「中央管理」をテーマにPoC(概念実証)を実施しました。ロジスティードが保有する配送実績データを持ち寄り、Logposeの自動配車システムと分析を組み合わせて、仮想環境上でのシミュレーションという形で検証しています。中央管理で目指すものとして掲げられたのは三点。どの拠点がどの案件を受注すべきかを把握できる営業強化、運びきれない案件や空き車両の情報を拠点間で共有する連携体制、そして全拠点の配車データを俯瞰して差配する集中配車です。今回は実運用に向けた初期ステップとして、拠点をまたいだ配車の最適化と空きリソースの可視化がどこまで効くのかを見極める位置づけになっています。
出典:【対談インタビュー】ロジスティード × Logpose が語る、物流ネットワークの全体最適とその先のビジョン - 自動配車アシスタント LOG 発行元:Logpose Technologies 株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
出発点にあったのは、ネットワークの全体最適ができていないという現実でした。各拠点がそれぞれのKPIや営業目標に沿って最適化を図っており、結果として横の連携が取りにくい状態になっていた、と半澤氏は説明しています。業界全体を見ても、経営基盤の弱さやドライバーの待遇格差に加え、輸送領域のデータ整備の遅れという構造的な問題が長く残っています。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は、配車担当者の腕や個々の拠点の努力不足ではなく、最適化の単位が拠点の中で閉じていたことにあります。各拠点が自分の目標に対して真面目に最適解を出すほど、拠点をまたいだ余りや不足は誰の視界にも入らなくなる。数字を追う仕組みそのものが、全体最適を見えなくしていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
複数拠点の実績データを一か所に集約し、一元的に分析・差配できる状態をつくったことが、この取り組みの土台になっています。一つの拠点の中だけを見ていては、運びきれない案件と空いている車両が別々の拠点で同時に発生していても、突き合わせる機会そのものが生まれません。データを拠点横断で並べ直すという地味な工程が、判断すべき対象を初めて画面の上に出した部分だと考えられます。
空き車両や余った時間帯・地域を可視化し、そのまま次の案件獲得の材料として使えるところまで設計を伸ばした点も効いています。可視化を運行効率の話で止めず、どこで、いつ、どれだけ受けられるのかという営業の言葉に翻訳している。半澤氏が「単にシステムを作るだけではなく、それを事業にどう繋げるか」という視点を挙げたのは、この接続が具体的な形で見えたためでしょう。
進め方としても、いきなり実運用に載せるのではなく、仮想環境上のシミュレーションで効果を見極める順序が選ばれました。輸送の現場は日々細かな調整の連続で、完成したシステムを渡して「使ってください」と求める形では根づきにくい領域です。現場で使いながらフィードバックを受けて柔軟に直していくアジャイル開発のやり方は、この性質と噛み合っています。実際の輸送現場の事情を織り込んだうえで、現場目線で素早く手応えを出すことを優先した構成でした。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
PoCでは、拠点をまたいで配車した場合の改善数値が明確な形で示され、複数拠点の中央管理という構想のポテンシャルが確認されました。特に評価されたのは、自動配車システムを通じて空き車両や余った時間帯・地域を可視化し、次の案件獲得の戦略に接続できる仕組みです。アウトプット資料は社内の経営層にも共有され、ROI(投資対効果)に厳しい経営層からも高い評価を得ています。いずれも仮想環境上のシミュレーションで得られた手応えであり、実運用での効果はこれから確かめる段階です。
うちでも使える?
複数の営業所や拠点を抱え、それぞれが独立して受注と配車を判断している組織であれば、考え方は応用しやすいはずです。前提になるのは、拠点ごとの実績データが後から突き合わせられる粒度で残っていること。逆に、拠点間でデータの更新タイミングがばらばらな状態では、集中して差配する仕組みは成り立ちません。半澤氏が最大のハードルに挙げたのもオペレーションとの接続であり、「毎朝9時時点のデータを基準にする」といったルールの標準化が要ります。拠点ごとのKPIや営業目標が従来のままでは、全体最適に基づく指示が現場で受け入れられにくいことも見込んでおきたいところです。
小さく試すなら、直近1か月で「運びきれずに断った案件」と「空きが出た車両」を拠点別に並べ、同じ日・同じエリアで両方が起きていた組み合わせが何件あったかを数えてみてはどうでしょうか。重なりが見つかるなら、拠点をまたいで見る価値はあります。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:経営・企画
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
Logpose Technologies 株式会社
AI自動配車システム「LOG」を提供する企業。積込・納品に紐づく制約から最適な車両・順序をAIが計算する仕組みを通じて、物流の限られた車両・ドライバーのリソース最適化を支援している。現場の声を反映しながら改善を重ねるアジャイル開発のアプローチを重視している。
ロジスティード株式会社
出典・参考情報
【対談インタビュー】ロジスティード × Logpose が語る、物流ネットワークの全体最適とその先のビジョン - 自動配車アシスタント LOG
発行元:Logpose Technologies 株式会社
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
