実施 2025.01 ・ 更新 2026.09.08
配車が約3時間から5分に、運送会社が自動配車クラウドで業務量の偏りも改善
プロジェクト期間:半年未満
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 毎日の配車やシフト組みに数時間かかる
- 担当者が辞めたら業務が回らない
- 現場から不公平だと不満が出る
どのようなAIの取り組み?
自動配車クラウドの導入で、約3時間かかっていた配車業務を数分に短縮し、ドライバーの業務量の偏りも改善したAI活用の取り組み
業種
貨物運送(運輸・物流)
取り組み領域
配車計画・配送ルート作成
使ったAI
LYNA 自動配車クラウド(自動配車システム)
主な成果
配車を組む時間が2時間30分〜3時間から約5分に短縮
長野県上田市に本社を置く諏訪梱包運輸は、諏訪倉庫グループの運送部門として貸切チャーター便を手がける運送会社です。県内向けの潤滑油配送は1日平均100〜150件にのぼり、以前は県内を6つの地域に区切って担当者が手作業でコースを組んでいました。この配車業務に、ライナロジクスが提供する「LYNA 自動配車クラウド」を導入。配送先ごとの時間指定や朝の渋滞、荷降ろしにかかる作業時間といった条件を登録したうえで、地域割りを含むコース全体を自動で計算させる運用へ切り替えています。移行時は3〜4か月かけて条件を作り込み、ドライバー全員を集めた説明会も開かれました。配車にかかる時間と、ドライバーごとの帰社時間の差が、いずれも大きく変わっています。
出典:諏訪梱包運輸株式会社様 - 株式会社ライナロジクス 発行元:株式会社ライナロジクス
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
翌日分のオーダーが確定するのは14時、定時は17時30分。この3時間ほどの間に、100件を超える配送先の重量と行き先を確認し、6〜7台分のコースを人手で組み上げる必要がありました。量が多い日は定時では終わらず、21時近くまで作業が続くこともあったとされています。加えて、上田市内で完結するドライバーは早く戻れる一方、本社から200km以上離れた飯田方面に向かうドライバーは帰社が遅くなり、日々積み重なる時間差が不公平感につながっていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの中心は計算の手間そのものではなく、配車担当者が「なぜこの割り振りなのか」を示す材料を持っていなかったことにあります。ドライバーは毎日走るなかで土地勘を蓄えていくのに対し、配車担当者は現場に出ません。この情報の非対称が「現場を知らないのに」という言葉を生み、担当者の心労と離職にまでつながっていったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
選定の分かれ目になったのは、実務の細部をどこまで条件として入力できるかという一点でした。比較対象には、方面だけを人が決めてその中のルートをシステムが組む半自動型のシステムもありましたが、それでは地域割りという最も偏りを生みやすい判断が人の手元に残ります。渋滞する時間帯、貨物量に応じた荷降ろし時間、「午前中に来てほしい」「午後でないと不在」といった顧客ごとの要望まで条件として表現できる設計を選んだことで、人が引き受けていた判断をまとめて計算側へ移せたと考えられます。
移行の進め方も、この取り組みを支えた要素です。従来方式と並行運用する余裕がないなか、最初の1週間だけ担当者が自分で組んだ配車と自動計算の結果を見比べ、翌週から本番へ移す形が取られました。導入直後は条件を入れ切れておらず結果が安定しなかったため、3〜4か月かけて条件を追加していく前提で運用が始まっています。上田から長野、松本へと地域をまたぐ見慣れないコースが出た当初には反発もありましたが、経営者がドライバー全員の前で目的と移行期間を明言したことが、精度が上がるまでの時間を確保する役割を果たしました。
見えなかった情報が画面に出るようになった点も見逃せません。配送先が地図にピンで表示され、区間ごとの距離と所要時間が数値で確認できるようになったことで、配車担当者は「この配送先は移動に時間がかかるから別の車へ」と根拠を示しながらドライバーと話せるようになりました。数字という共通の土台ができたことが、経験の差から生じていた対立をやわらげたのだと読み取れます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
配車を組む時間は、以前の2時間30分〜3時間から約5分になり、8〜9割の日は自動で出た結果に手直しを加えずに運用されています。経験がほとんどなくても配車を出せる状態になり、担当者が休みを取りやすい環境も生まれました。ドライバーの帰社時間は17時ごろにそろい、時間外労働も以前と比べて大きく減少。導入当初は反発の声もありましたが、1年ほど前からは不満はほとんど出ていません。今後は群馬県の営業所や食品配送への展開が検討されています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、日々の受注量が読めず、そのつど組み直しが発生する配送や巡回の業務です。しかも、守るべき条件が「何時までに届ける」「この作業に何分かかる」といった形で言葉と数字にできるものであれば、計算に任せられる範囲は広がります。逆に、荷主との細かな取り決めや道路事情が担当者の記憶の中だけにあり、書き出せない状態のままだと、条件が薄いまま計算させることになり、現場が納得できない結果が出やすくなります。
また、この事例では条件を入れ込むまでに3〜4か月を要し、その間は結果が完璧ではありませんでした。切り替えた翌日から効果が出る前提で計画を立てると、初期の粗さが不信につながりかねません。まずは一部の配送だけを対象に、担当者が組んだ計画と自動計算の結果を数日並べて突き合わせてみる。その差分そのものが、自社の配車に埋め込まれていた前提を映し出してくれるはずです。
この事例は2025年1月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ライナロジクス
自動配車システム「LYNA 自動配車クラウド」をはじめとする「LYNA」シリーズを提供する企業。運送会社向けに導入事例を公開している。
諏訪梱包運輸株式会社
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