実施 2025.02 ・ 更新 2026.09.07
スマホ撮影とAI-OCRで数量検品を自動照合、鴻池運輸の倉庫現場での実運用
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 目視の数量確認でミスが出る
- ダブルチェックに人手を取られる
- 紙の作業書との突合を自動化したい
どのようなAIの取り組み?
スマートフォンでの撮影とAI-OCRにより、製品ラベルと作業書の数量照合を自動化し、目視検品のミス防止に取り組んだAI取り組み
業種
倉庫・構内物流(運輸・物流)
取り組み領域
倉庫・製造現場の数量検品
使ったAI
AI-OCR(画像文字認識)/Future EdgeAI®
主な成果
検証を経て数量検品アプリの実運用を開始
鴻池運輸は、住設部品の製造請負と物流業務を担う千葉東営業所において、AI-OCR機能を搭載した数量検品アプリの実運用を開始しました。基盤に採用したのは、フューチャーアーキテクトのソリューション「Future EdgeAI®」です。両社は実運用に先立って検証を重ねてきました。作業者が手に持ったスマートフォンで検品対象を撮影すると、固定されたもう一台のスマートフォンも自動で撮影し、製品ラベルの型式と、庫入作業書に記載された型式・庫入個数をAI-OCR(画像から文字を読み取る技術)で処理します。読み取った結果はWi-Fi経由でパソコンへ送られ、突合処理によって「一致」「不一致」が自動的に判別される流れです。目視確認で起きがちな検品ミスのリスクを減らし、別の作業者によるダブルチェックを省略できる状態を目指した取り組みとなっています。
出典:「AI-OCR機能搭載 数量検品アプリ」実運用を開始 | 鴻池運輸株式会社のプレスリリース 発行元:鴻池運輸株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
製造現場で製品の数量を照合する作業は、いまも目視で行われることが多く、千葉東営業所の検品もその形をとっていました。数を数え、ラベルに印字された型式を作業書と見比べる。作業そのものは単純ですが、間違いが許されないため、別の作業者が同じ確認をもう一度なぞるダブルチェックが組み込まれます。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は「数えるのが大変」という作業量の問題ではなく、確認の正しさを人の注意力だけで担保していた点にあります。注意力は疲労や繁忙の度合いに左右されるため、確度を上げようとすれば人を足すしか手がありません。ミスを防ごうとするほど労働負荷が増していく——この構造こそが、解くべき課題だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
機能した第一の要因として挙げたいのは、人の担当を「撮影する」という一動作まで絞り込み、文字を読み取って数を突き合わせる判断をシステム側へ移した役割分担です。目視検品では、見る・読む・数える・照合するという複数の作業が一人の中で連続するため、どこで取り違えたのかを後から追うことができません。撮影を起点にすれば、以降の処理は画像という記録の上で進み、判定の根拠が残ります。人が担うべき動作と、機械に任せるべき判断を切り分けた設計。
第二に、製品ラベルが横向きにも縦向きにも置かれるという現場の実情に対して、機器構成の側を合わせた点が効いていると考えられます。手持ちのスマートフォンで撮影すると固定側のスマートフォンも自動で撮影する二台構成は、作業者に「ラベルの向きをそろえてから撮る」という新しい手間を求めずに済ませる工夫です。読み取り精度を確保するために現場の動き方を矯正するのではなく、撮り方の側で吸収する。導入時の摩擦が生まれにくいほうへ倒した判断と読めます。
三つめは、いきなり本番運用に踏み切らず、フューチャーアーキテクトとの検証を積み重ねたうえで実運用へ移した進め方です。検品は取り違えが手戻りや納品先への影響に直結する工程であり、読み取りが外れたときの代償が大きい。検証の期間は、精度を確かめるだけでなく、不一致と判定されたときに現場が何をするのかという手順を固める時間にもなります。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
検証を経たアプリは千葉東営業所で実運用に入り、スマートフォンでの撮影からパソコン上での一致・不一致の判定までが、日々の数量検品に組み込まれています。目視確認によるミスの削減とダブルチェックの省略化は、この取り組みが掲げた狙いであり、削減率や削減時間といった数値は示されていません。鴻池運輸は、同じ数量検品を行う他の現場へ同様のアプリを導入することも今後の検討対象としています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、読み取る対象が定型で、正解が別の帳票側にはっきり存在する確認作業です。型式や個数のように印字された文字を突き合わせる工程であれば、撮影・読み取り・照合という同じ組み立てを持ち込みやすいでしょう。逆に、傷や汚れの程度を見極める、梱包の崩れ方から異常を察するといった、判断基準が言葉になっていない検査は、この形にそのまま乗せるのが難しい領域です。判定が「一致/不一致」の二択に収まるかどうかが、見極めの分かれ目になります。
もう一つの条件は、不一致と出たあとに誰が何をするかを決められるかどうか。判定が出ても差し戻しの手順が用意されていなければ、現場は結局もう一度目視で数え直すことになり、負担は元に戻ってしまいます。手をつけるなら、自社の検品工程から照合している紙と現物の組み合わせを一つ選び、その紙が毎回同じ書式・同じ位置に印字されているかを確かめるところから。
この事例は2025年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
フューチャーアーキテクト株式会社
ソリューション「Future EdgeAI®」を提供する企業。鴻池運輸とAI-OCR機能搭載の数量検品アプリの検証を進めてきた。
鴻池運輸株式会社
出典・参考情報
「AI-OCR機能搭載 数量検品アプリ」実運用を開始 | 鴻池運輸株式会社のプレスリリース
発行元:鴻池運輸株式会社
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
