実施 2025.03 ・ 更新 2026.09.07
配車担当の電話・書類作業を支援するAIアシスタント、物流現場で実証実験
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 電話の取り次ぎに一日追われる
- 紙の書類を手で入力し直している
- 人を増やせず現場が回らない
どのようなAIの取り組み?
配車担当の電話連絡や書類処理を生成AIのアシスタントが支え、収益性の向上を検証する実証実験に取り組んだ事例
業種
貨物運送(運輸・物流)
取り組み領域
配車業務/社内外の連絡・書類処理
使ったAI
生成AIを使ったAIアシスタント(AIエージェント)
主な成果
収益性向上に向けた実証実験を実施中(定量的な成果は未公表)
物流業界向けのAI配車アシスタントを開発する株式会社route-Dが、実運送を担う啓和運輸とともに、配車担当の業務を対象とした実証実験を進めています。2025年3月に公表された取り組みで、狙いは配車担当が日々抱えるコミュニケーション上の負担を軽くし、収益性の向上につなげることに置かれています。独自の生成AIモジュールを備えたAIアシスタント(AIエージェント)が、社内外へのAI電話を使った情報共有、AI-OCRによる書類の読み取りと作成、システムへの入力といった作業を受け持つ構成です。配車担当がこれまでの進め方を変えずに使えることが前提に据えられており、route-Dは今後、AIの精度と人とAIの協業体験を高めながら、より多くの企業が利用できるサービスへ広げることを目指しています。
出典:route-D、物流業界に特化したAI配車アシスタントに関する取り組みを推進 | 株式会社route-Dのプレスリリース 発行元:株式会社route-D
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
物流業界では慢性的なドライバー不足に加え、働き方改革にともなう2024年問題によって労働力の目減りが懸念されています。限られた人と車で運び続けるには、荷主・元請・実運送会社のあいだで情報を密にやり取りすることが欠かせず、その結節点に立つ配車担当に負荷が集まります。route-Dが着目したのも、配車担当が日々の業務で感じているコミュニケーション上の課題でした。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は連絡回数の多さそのものではなく、割り当てを決めるという判断のまわりに、確認・伝達・記録という別種の作業が大量にぶら下がっている点にあります。どの車にどの荷物を載せるかを決めるには、荷主の条件と元請の指示、現場の車両状況を電話でつなぎ合わせ、その結果を書類とシステムへ書き写す工程が必ず付いてきます。判断と手作業が一本の流れとして絡み合っているため、担当者を増やす以外の打ち手が見えにくかったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
配車担当がこれまでの働き方を変えずに済むことを前提に置いた設計が、この取り組みの起点になっています。業務のやり方を作り変えてAIに合わせるのではなく、電話で確認し、書類を読み、システムに書き写すという既存の流れを残したまま、その一部をAIアシスタントが引き受ける構図です。現場に新しい操作を覚え直させる負荷が小さいほど、検証の段階でも使われ続けやすくなります。
コミュニケーションという輪郭のぼやけた課題を、AIが担える作業の単位まで分解した点も、この設計の要と言えます。社内外への電話による情報共有、AI-OCRを使った書類の読み取りと作成、システムへの入力と、対象が具体的な動作として切り出され、それぞれを独自の生成AIモジュールが支えています。課題を「連絡がうまく回らない」というかたまりのまま扱えばAIの出番は決まりませんが、電話・書類・入力へ割り付ければ、どこまで任せるかを一つずつ判断できるようになります。
実運送を担う企業と組んで実証実験という段階を踏み、AIの精度と人とAIの協業体験の向上を継続的な課題に据えたうえで、サービスの適用先を広げる順序を後ろに置いた進め方も理にかなっています。配車の手順は荷主や元請との関係によって現場ごとに変わるため、どの作業までAIに渡せるかは机上では確定しません。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
現時点では実証実験の段階にあり、削減時間や費用といった定量的な成果は公表されていません。示されているのは、配車担当が従来の進め方を変えないままAIアシスタントと業務を進められる形になっている点と、それが働き方改革につながるという位置づけです。route-Dは今後、AIの精度と協業体験を高めつつ、ドライバー不足や積載効率の低下という物流全体の課題に取り組む方針を掲げています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、電話でのやり取りと紙の書類、システムへの入力が一続きになっている業務です。運送の配車に限らず、受発注の確認や現場手配のように、決まった相手と決まった内容を繰り返しやり取りしている領域であれば、電話・読み取り・入力という切り分け方はそのまま持ち込めます。見きわめの分かれ目になるのは、その連絡が定型かどうか。相手や条件によって話す中身が毎回変わるやり取りでは、AIに渡す範囲を決めること自体が難所になります。
一方で、どの車にどの荷物を割り当てるかという配車の判断そのものは、取引先との関係や当日の車両事情が絡む領域で、この取り組みでもAIが受け持っているのは連絡と書類まわりです。中核の判断まで任せられる話ではない、という前提は外さないほうがよいでしょう。試すなら、次に受けた電話を一本だけ最後まで追いかけて、その内容がどの書類のどの欄と、どのシステムのどの項目に転記されたかを書き留めてみる。転記先が二つ以上に分かれていれば、そこが最初の検討対象になります。
この事例は2025年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
プロジェクト実施・導入企業
株式会社route-D
物流業界に特化したAI配車アシスタントの提供と、運行管理アプリ『D-connect』の提供を手がける企業。業種は情報通信、資本金3億7300万円、未上場。代表取締役は松本光暁。
啓和運輸
出典・参考情報
route-D、物流業界に特化したAI配車アシスタントに関する取り組みを推進 | 株式会社route-Dのプレスリリース
発行元:株式会社route-D
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