実施 2026.03 ・ 更新 2026.09.07
AI自動配車で配車時間を1日3時間削減、Excel頼みだった運送会社の現場
企業規模:300人以内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 配車表づくりに毎日何時間もかかる
- 配車を組める人が一部の社員に偏っている
- 新人の配送先間違いが不安
どのようなAIの取り組み?
AI自動配車・運行管理システムの導入により、配車作業を1日あたり約3時間削減し、誤配送ゼロにつなげたAI取り組み
業種
日配品配送(運輸・物流)
取り組み領域
配車計画・運行管理
使ったAI
AI自動配車・運行管理システム「ATMTC」(クラウドサービス)
主な成果
配車作業を1日あたり約3時間削減
1都3県のドラッグストアなどへ日配品を届ける運送会社、株式会社メジャーサービスジャパンが、AI自動配車・運行管理システム「ATMTC(オートマティック)」を全6拠点に導入した事例です。同社は車両150台、ドライバー200名で配送を担っていますが、配車計画はExcelを加工して手作業で組み立て、配送順序の検討には紙の地図も使われていました。導入後は、車両台数や積載量、配送条件をもとにAIが配車計画を自動で作成し、GPSと連動した警告機能が配送先の取り違えを現場で止める形に変わっています。システムを提供したのは、物流業のダイセーグループでDXコンサルティングを手がける株式会社DX研究所です。
出典:配車業務1日3時間削減、誤配送ゼロを実現 | ダイセーホールディングス株式会社のプレスリリース 発行元:ダイセーホールディングス株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前は、配車作業に毎日平均4時間ほどかかっていました。経験と勘が求められるために担当できる人が限られ、似た名称の店舗が多いことから新人ドライバーが配送先を誤るトラブルも起きていました。
ただ、困りごとの中心は作業時間の長さそのものではなかったのではないでしょうか。副所長のコメントにあるように、手作業の配車では毎日届く配送データから積載量を計算し、トラック1台に積み切れるかどうかを人が判断していました。計算を誤れば現場で積み残しが出て、その日の配送スケジュール全体が崩れます。つまり、当日の配送が成立するかどうかの判断が特定の担当者の頭の中に集中し、常に気を張り続けなければならない状態こそが、この現場の負担の正体だったと編集部では見ています。
どうやって、うまくいったのか
積み切れるかどうかという最も重い判断を機械側へ移した切り分けが、この取り組みの軸になっていると考えられます。車両台数・積載量・配送条件という、その日の配送が成立するかを決める条件をAIが計算して配車計画を組み立てるため、担当者は自分で組む側から結果を確かめる側へ回ります。手作業では計算の誤りがそのまま現場の積み残しに直結していましたが、負荷の集中していた工程を先に自動化の対象に選んだことで、経験の浅い担当者でも配車表を成立させられる状態がつくられました。
計画づくりだけで完結させず、配送の途中で間違いを止める仕組みを置いた設計も見逃せません。GPSと連動し、配送先と異なる場所に到着すると警告が表示されるため、似た名称の店舗を取り違えても納品してしまう前に気づけます。計画の精度を高める方向だけに寄らず、現場では間違いが起きうる前提に立って実行段階に検知点を置いた発想です。
配車業務・動態管理・労務管理に加え、納品方法のマニュアル共有までひとつのシステムに載せた統合のしかたも、効果を押し広げた要素と見ています。配送ルートや納品手順を画面上で確認・更新できるため、教える内容がベテランの口頭説明からシステム上の情報へ移り、新人ドライバーが自分で参照できます。走行位置と配送状況がリアルタイムで見えることは、事務所が電話に頼らずに状況をつかめることでもあります。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
配車作業にかかる時間は1日平均4時間から約1時間となり、各拠点で1日あたり約3時間が削減されました。AIが計画を作成することで誰でも配車作業ができるようになり、属人化も解消されています。GPS連動の誤配送防止機能により、導入後の誤配送件数はゼロ。新人ドライバーが一人で配送できるまでの研修期間も約1か月から約半月に短縮され、配送先から事務所への電話問い合わせが減ったことで管理者の負荷も軽くなりました。新横浜営業所の副所長は、走行中のトラックの位置や配送状況をリアルタイムで把握できるようになり、荷主からの問い合わせに迅速に対応できるようになったこと、それが荷主からの評価向上につながっていることを挙げています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、配送先と納品条件がある程度決まっていて、その日の物量が数字の形で受け取れる配送業務です。この事例で自動化されたのは、車両台数・積載量・配送条件という計算できる条件の組み合わせであり、同じように条件を書き出せる業務なら、拠点や車両が増えるほど効果が積み上がりやすい性質があります。
一方、荷主ごとに積み方の約束が違う、当日の飛び込み依頼が業務の大半を占める、条件が担当者と荷主の口頭のやり取りでしか決まらない、といった配送では、AIに渡す入力そのものが揃いません。GPSによる誤配送の警告も、配送先の位置情報が正しく登録されていることが前提になります。まずは直近1日分の配車表を1枚取り上げ、そこで使った条件のうち何が数字で書け、何が担当者の頭の中にしかないのかを線引きしてみる。その境目が見えないうちは、ツールを比べる段階にはまだ早いはずです。
この事例は2026年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社DX研究所
物流業のダイセーグループでDXコンサルティングを行う企業。AI配車・運行管理システム開発、DX支援、システム開発を手がけ、AI自動配車・運行管理システム「ATMTC(オートマティック)」を提供している。
株式会社メジャーサービスジャパン
出典・参考情報
配車業務1日3時間削減、誤配送ゼロを実現 | ダイセーホールディングス株式会社のプレスリリース
発行元:ダイセーホールディングス株式会社
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