実施 2026.04 ・ 更新 2026.09.03
名刺のクラウド共有で案内メール工数が約3分の1、北海道のIT企業の営業効率化
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 名刺が個人の引き出しに眠っている
- 担当が変わると人脈が引き継げない
- 外出先で顧客の連絡先を確認できない
どのようなAIの取り組み?
クラウド型の名刺管理サービスを組織として導入し、部門をまたいだ人脈共有と案内メールの一斉配信によって、メール作成の工数を体感で約3分の1にまで軽減した取り組み
業種
システム開発・ITインフラ(情報通信業)
取り組み領域
営業・顧客接点管理/名刺管理
使ったAI
クラウド型名刺管理サービス「SKYPCE」(SaaS)
主な成果
イベント案内メール作成の工数が体感で約3分の1に軽減
北海道電力グループのIT企業であるほくでん情報テクノロジーは、名刺を個人や部署ごとに抱えていた状態を改め、Sky株式会社が提供するクラウド型の名刺管理サービス「SKYPCE」をスタートパックのライセンスで組織的に導入しました。選定にあたって最重視されたのは、個人情報である名刺を会社の資産として安全に預けられるかという点で、自社のセキュリティチェックリストに沿った確認に加え、ベンダーの本社を訪ねてデータ入力の現場まで視察しています。利用は社長・役員とマネージャークラス、営業担当から始まり、部門を横断した人脈の可視化、前年に名刺交換した相手へのイベント案内の一斉メール配信、スマートフォンアプリを使った外出先での連絡先・地図の確認といった使い方に広がっています。
出典:ほくでん情報テクノロジー株式会社様 導入事例|SKYPCE(スカイピース) 発行元:Sky株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
以前の名刺管理は、個人が自分でファイリングするか、部署単位で会社の認可を得たうえで無料の名刺管理ツールを使うというかたちでした。そのため、取引先の社内窓口が誰なのかを探しにくく、担当者が異動すると顧客情報がそのまま引き継がれないという状態が続いていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は名刺の枚数や整理の手間ではなく、個人情報である名刺が「会社の資産」ではなく「個人の持ち物」の位置に置かれたままだったことにあります。持ち主が動けば情報も一緒に見えなくなる構造で、しかも部署ごとに別々のツールが併存していれば、どこに何が蓄積されているのかを会社として把握することすらできません。安全に管理したいという要請と、探せない・引き継げないという日々の不便は、実は同じ一点から生まれていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
導入可否の判断軸を機能比較ではなくセキュリティ運用の実地確認に置いた進め方が、この取り組みを前に進めたと考えられます。SaaS導入時に独自のチェックリストへの対応を義務付け、Pマーク(個人情報の取り扱い体制に関する認証)の取得有無やデータ管理体制を確かめるところまでは書面でも進められますが、ここではさらにベンダー本社へ足を運び、名刺データを入力する環境そのものを見ています。そこで確認されたのは、一枚の名刺から個人が特定されないよう複数のオペレーターで項目を分割して入力する運用と、関係者以外を入室させない管理でした。預ける相手の運用実態を自分の目で確かめる手順を挟んだからこそ、個人情報を社外に置くという最も重い判断に踏み切れたのでしょう。
すでに使われているSFA(営業支援システム)と守備範囲を分けた位置づけも見逃せません。営業部門は顧客の業種に応じて2つに分かれ、それぞれSFAツールで案件を管理していましたが、そこへ名刺管理を重ねるのではなく、案件になる前の接点を受け持たせる形にしています。既存ツールと機能を奪い合わせず、これまで誰も管理していなかった空白地帯を埋める切り分けにしたことで、現場から見た「使う理由」が明確になったはずです。
社内ルールを緩めないまま不便だけを取り除いた点も特徴的です。名刺そのものの社外持ち出しは禁止のままとし、外出先での連絡先や訪問先の地図の参照はスマートフォンアプリ側に任せています。営業担当が全員で北海道全域を受け持ち、土地勘のない場所を訪ねる機会が多いという条件を踏まえると、禁止と利便の板挟みを「ルールを変える」ではなく「参照手段を変える」で解いた判断だったと読み取れます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
前年のイベントやセミナーで名刺交換した相手へのイベント出展案内は、以前はMicrosoft Excelのリストをもとに個人がメールを作成して送っていましたが、一斉メール配信機能に切り替えたことで、体感として作業工数が3分の1程度まで軽減されています。部門や役職を横断して人脈が見えるようになり、自分にとって初対面の相手でも、別部門の接点を踏まえて話を進められるようになりました。今後は全社員への利用拡大と、ほくでんグループ全体への横展開が計画されています。
うちでも使える?
応用が効きやすいのは、複数の部門が同じ取引先と別々に接点を持ち、その事実が社内で見えていない組織です。展示会やセミナーで名刺を受け取る機会が多い、担当者の異動が定期的に起きる、営業が広い地域を回るといった条件が重なるほど、共有の価値は大きくなるでしょう。逆に、取引先が少数で固定されていて関係者の顔ぶれもほとんど変わらない場合や、すでにSFA・CRMに担当者レベルの情報まで集約できている場合は、名刺管理を重ねても入力先が増えるだけになりかねません。
判断の分かれ目は機能よりも、個人情報を社外のサービスに預けられるかどうかです。この事例のように、ベンダー側のデータ入力体制や入室管理まで踏み込んで確認する手順を、自社が持てるかが問われます。まずは直近1年のイベントで交換した名刺がいまどこにあるのかを、担当者数人に尋ねてみるところから。返ってくる答えのばらつきの大きさが、そのまま検討に着手する価値の大きさになります。
この事例は2026年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
ほくでん情報テクノロジー株式会社
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