この事例は、株式会社MAYB3が自社で進めた取り組みです
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この事例の分類IT・通信文字認識・読取(OCR)データ抽出・入力自動化テキスト・言語AI画像AI
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※イメージ画像です01 — Overview
静岡県浜松市でITコンサルティングと業務システム開発を手がける株式会社MAYB3が、自動車販売業の顧客から帳票のデータ入力業務を受託するにあたって、AI-OCR(紙の文字をAIが読み取る仕組み)のDX Suiteを導入した取り組みです。顧客側ではオークションの精算書や自賠責保険の申込書、自動車売買契約書が紙やFAXで届き、その内容を在庫表や諸費用管理など3〜4種類のExcelへ手入力していました。MAYB3は既存のクラウドシステムを入れ替えず、不足する管理項目を補う集計システムを独自に構築したうえで、そこへAI-OCRで読み取ったデータを流し込む流れを設計しています。顧客の作業はPDF化して送るだけとなり、読み取りから目視チェック、集計までを受託側が担う分業に切り替わりました。処理量は月間300〜500枚です。
出典:他社AI-OCRの読取精度を上回るDX Suite を導入。手書きやFAXも高精度なデータ化で入力ミスがゼロに | DX Suite | AI-OCR市場シェアNO.1のDX Suite(発行元:DX Suite)
02 — Problem
自動車販売業の現場には、オークション精算書、自賠責保険の申込書、売買契約書といった書類が紙やFAXで届きます。担当者はそれを見ながら、在庫表・諸費用管理・自賠責管理と用途の異なる3〜4つのExcelに、同じ情報を繰り返し打ち込んでいました。車台番号のように10〜20文字の英数字が続く項目では、打ち間違いが起きることもありました。しかも販売台数は伸ばしたい、けれど人員は今の体制のまま——という前提が置かれています。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は入力の量そのものではありません。既に導入済みのクラウドシステムが標準機能だけでは自社固有の管理項目をカバーしきれず、その隙間を人の手が埋め続けていた、という構造のほうです。隙間が人力で塞がっているあいだは業務は一応回るため、課題として表面化しにくい。台数を増やそうとした瞬間に、それが処理能力の天井として姿を現します。
03 — Key points
基幹となるクラウドシステムには手を付けず、足りない管理項目を補う集計システムを別に立て、そこにAI-OCRの読取結果を流し込むという構成が、この取り組みの土台になっています。システムそのものを入れ替えれば影響範囲は一気に広がり、判断も費用も重くなります。手を入れる範囲を転記という一点に絞り、その前後だけを作り替えた切り分けが、短い準備で実運用に乗せることを可能にしたと考えられます。あわせて顧客側の作業を「PDF化して送る」だけに切り詰め、読み取り・確認・集計を受託側へ集約した役割分担も、現場が新しい手順を覚え直す負担を最小限に抑えています。
ツールを選ぶ基準を、業務のなかで最も壊れやすい箇所に置いた点も見逃せません。車が出来上がるタイミングで手書きされる車台番号、FAX特有の薄い文字、少し斜めに入ったスキャン画像——読み取りが崩れるとすればここだ、という条件でトライアルを行い、そこを通過できるかどうかで判断しています。別案件で使っていたツールに、基盤システムの更新にあわせて手書きの正答率が振れる、枠ズレが起きるといった課題を感じていた経験が、この見極め方につながったのでしょう。手元にあるものを流用せず、案件が求める精度でその都度選び直すという姿勢です。
人が最後に目を通す前提を残したうえで、その確認作業のしやすさまで選定条件に含めた判断も効いています。読取結果のすぐ上に元画像の該当箇所が小さく切り出して表示され、視線を大きく動かさずキーを押して送っていける画面であれば、確認は腰を据えた作業ではなく流し見に近づきます。金額や車台番号を扱う以上、読取精度がどれだけ高くても人のチェックを完全になくすことはできません。だからこそ、消せない工程をいかに軽くするかを設計の対象に含めたことに意味があります。
04 — Results
半年ほどの運用のなかで、車台番号のような手入力に起因する入力ミスの指摘は一度も出ていません。顧客側は数種類のExcelへ打ち込む時間がなくなり、PDFを送るだけの作業に変わりました。受託側でも、週に数回まとまって届くデータの目視チェックが1日あたり数分程度で収まっています。月間300〜500枚という処理量に対して確認だけが残る形で、出典では顧客満足度の向上と業務時間の削減が効果として挙げられています。
05 — For your company
応用しやすいのは、届く書類の様式が数パターンに固定されていて、そこから取り出したい項目もあらかじめ決まっている業務です。この事例のように読取対象が3種類の帳票に絞られていれば、設定の手間も確認の負荷も見通しが立ちます。一方、案件ごとに帳票のレイアウトが変わる業務や、記入された内容の意味を解釈して振り分ける判断が挟まる業務では、同じようには運びません。読み取り後の目視チェックがこの事例でも3名体制で残っている点も踏まえると、AI-OCRは人の確認をなくす道具ではなく、確認だけを残す道具だと捉えたほうが実態に近いはずです。もうひとつ、読み取ったデータの受け皿となる集計の仕組みがなければ、CSVを結局Excelへ貼り直す作業が残ります。裏を返せば、受け皿さえ用意できれば転記工程はまとめて消えます。
試すなら、きれいな見本ではなく、いつも読み違えて困っている一番状態の悪い1枚——FAXで薄くなった書類や手書きの数字が並ぶ欄——をそのまま読ませてみることです。そこで通用するかどうかが、いちばん正直な判断材料になります。
06 — Company
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