更新 2026.08.28
塗料メーカーの研究拠点、重量センサーとAIで購入数量35%減・欠品ゼロ
プロジェクト期間:半年〜 1年
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 在庫管理が担当者頼みになっている
- 欠品のたびに現場の作業が止まる
- 念のための在庫が積み上がる
どのようなAIの取り組み?
重量を検知するマット型IoT機器とAIエージェントの提案機能で研究用消耗品の在庫を見える化し、購入数量の削減と欠品ゼロを両立させた在庫管理のAI取り組み
業種
塗料製造(化学・製造業)
取り組み領域
研究開発拠点の在庫管理・発注業務
使ったAI
在庫最適化AIエージェント(IoT重量センサー連携のクラウド在庫管理)
主な成果
一部アイテムで年間購入数量を約35%削減、欠品ゼロ
中国塗料の広島研究開発拠点では、試験板や刷毛、保護具といった研究用消耗品の在庫管理を、重量を検知するマット型のIoT機器とクラウドサービス「スマートマットクラウド」に切り替えました。対象は約100品目ある消耗品のうち、実際の使用状況や回転率を測りながら選んだ約40品目です。物品を定位置のマットに置くだけで残量がデータ化され、発注点を下回るとアラートメールが届くため、在庫置き場へ足を運ばずに発注まで判断できます。さらに在庫最適化のAIエージェントが在庫量の見直しを提案し、担当者がその提案に応答しながら品目ごとの適正水準を探る運用が続いています。
出典:半年で購入数量35%減&欠品ゼロを両立。AIエージェントが支える"ちょうどいい在庫" 発行元:スマートマットクラウド
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
発注担当者が定年退職や異動で入れ替わるたびに在庫管理のノウハウは引き継がれず、次の担当者が他業務の傍らで対応する状態が続いていました。在庫がゼロになって初めて気づき、欠品すれば他部署から借りる。すると各部署が念のためのストックを抱え込み、過剰在庫が膨らむ。この循環が出発点にあった課題です。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な問題は在庫が多いか少ないかではなく、今どれだけ残っているかを誰もが同じ精度で見られなかったことにあります。残量の情報が担当者の頭の中にしかなければ、他の部署は自衛するしかありません。各部署の余分なストックは緩みの産物ではなく、見えないことへの合理的な防御反応だったのではないでしょうか。週1回の在庫カウントやExcelへの転記といった人力の改善が根本解決に届かなかったのも、数える手間を減らしただけでは、この見えなさが残り続けるためと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
決め手になったのは、置くだけ・取るだけという運用負荷の低さでした。候補にはバーコードやRFIDタグもありましたが、いずれも納品のたびにラベルを貼り、在庫を確認するには現地でスキャンする作業が残ります。利用者が複数部署にまたがる環境では、全員が同じルールを守り続けるという前提そのものが崩れやすく、この選択は成否を運用ルールの徹底に委ねない方向へ舵を切ったものと読めます。人の規律に頼るのではなく、物を定位置に置くという既存の動作にデータ取得を重ねた設計が、継続的な活用を支えたのでしょう。
管理品目をマットで計測しながら選別していった進め方も見逃せません。約100品目ある消耗品のうち、使用状況と回転率を実際に測ったうえで約40品目に絞り、思っていたほど減らない品目や、逆にマット管理が必要と分かった品目を仕分けています。低回転の品目については今も週1回の現地カウントを継続しており、すべてをセンサーに載せない判断が保たれています。対象範囲を機器の適性で決めたこの切り分けが、置いても効かない設置と運用の破綻を避けたと考えられます。
AIエージェントの使い方にも独自の性格があります。在庫を減らしてはどうかという提案に対し、担当者が今は情勢的に多めに持っておきたいと返し、その結果として閾値を下げた品目もあれば、逆に上げた品目もある。提案を却下できる往復が前提になっているため、AIは決定者ではなく判断の起点として置かれています。四六時中在庫のことを考えなくてよいという安心感は、この役割分担から生まれたものではないでしょうか。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
一部アイテムでは年間購入数量が約35%削減され、単価の上昇が続くなかでも年間購入額が下がってきています。発注点アラートによって欠品はなくなり、研究員から不足を訴える声自体が消えました。約半年で在庫圧縮はマイナス28%、欠品防止のための積み増しはプラス17%、差し引き11%の在庫削減となり、金額では454,496円の在庫圧縮。減らすだけでなく足りない品目は増やすという調整が同時に進んだ点に、この取り組みの性格がよく表れています。担当者は在庫管理から解放され、より専門性の高い業務へ時間を振り向けられるようになりました。
うちでも使える?
応用しやすいのは、定位置に置けて重量の変化がそのまま残量に対応する消耗品を、複数の人が出し入れしている現場です。とくに納期が数日かかり、切らすと後工程が止まってしまう品目を抱えているなら、効果は確かめやすいはずです。反対に、形や重さが一定しない資材、置き場が日ごとに変わる現場、動きの少ない低回転の品目では、機器を設置する手間に見合わないことがあります。この事例でも低回転品は現地カウントを続けており、全量をセンサー管理の対象にはしていません。
検討の入口としては、切らしたときに実際に業務が止まった品目を数点だけ思い浮かべ、その残数を今この場で言えるかどうかを確かめてみる。言えないなら、そこが見える化の最初の候補です。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
中国塗料株式会社
支援ベンダーについて
本事例の開発・支援を担当した企業名は公開されていません。
※WarpBiz編集部による公開情報リサーチに基づくこの取り組みに関心があれば 支援企業の公式情報をご覧ください
出典・参考情報
半年で購入数量35%減&欠品ゼロを両立。AIエージェントが支える"ちょうどいい在庫"
発行元:スマートマットクラウド
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