更新 2026.08.31
TOPPANが通勤費と在宅勤務手当をAI自動判定、申請なしで支給する仕組み
プロジェクト期間:1年 〜 2年
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 出社がまちまちで通勤費が実態に合わない
- 手当の申請と確認作業に追われている
- 申請ミスや不正申請のチェックが負担
どのようなAIの取り組み?
交通系ICカードや勤怠などの実績データをAIが突き合わせ、通勤費の実費精算と在宅勤務手当の支給を社員の申請なしで判定できるようにしたAI取り組み
業種
印刷・情報コミュニケーション(製造業)
取り組み領域
人事・総務/通勤費・手当の精算
使ったAI
経費精算AI「SAPPHIRE」(実績データの自動突合)
主な成果
社員の申請なしで通勤費とリモートワーク手当を支給できる運用を実現
TOPPANホールディングスは、6か月定期による通勤費支給をやめて実費精算へ切り替え、同時に出社頻度に応じたリモートワーク手当を新設する制度変更に踏み切りました。この新しい運用を支える仕組みとして選ばれたのが、Miletosが提供する経費精算AI「SAPPHIRE」(SAPPHIRE経費精算/SAPPHIRE通勤費)です。交通系ICカードの利用実績、勤怠データ、入退館記録という三つの記録を自動で突き合わせ、社員が都度申請しなくても手当と通勤費の支給を判定する点に特徴があります。給与として支給する通勤費と、経費精算にあたる交通費を同じシステム上で仕分けられる点も採用の理由になりました。2021年の初回接触のあと実データによる精度検証を行い、要件定義を経て、2024年から本格運用に入っています。
出典:TOPPANホールディングス株式会社 の導入事例|SAPPHIRE 発行元:Miletos株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
リモートワークが定着すると、6か月定期を前提にした通勤費の支給は実態から離れていきます。週に1〜2回しか出社しない働き方にも定期代を払い続ければ会社の負担は過大になり、社員の側からは公平性を欠くという声が上がる。在宅勤務にかかる費用を社員が自己負担し続ける状態も、そのまま残っていました。さらに、会社が認める通勤経路と本人が使いたい経路が一致しないという、実費化以前からの不満も抱えていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとは「定期代か実費か」という計算方法の問題にとどまりません。制度を実態に合わせようとするほど、支給の根拠を一人ひとりの申告に頼ることになり、申請ミスの是正と不正のチェックという新しい仕事が管理部門に積み上がります。公平にしようとするほど事務が増えるという構造こそが、実際に解くべき本題だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
三種類の実績データを突き合わせて支給額を決める設計が、この取り組みの中心にあります。交通系ICカードの利用実績、勤怠データ、入退館記録は、いずれも社員が支給のために入力したものではなく、日々の勤務の副産物として自然に残る記録です。申請を起点にせず、すでに存在する記録のほうから支給の可否と金額を導く順序へ組み替えたことが、誤りや不正の入り込む余地そのものを狭めたと考えられます。
給与として支給する通勤費・リモートワーク手当と、経費精算として処理する拠点間の交通費を、システム側で自動的に仕分ける方式も効いています。この二つは会計上の扱いが異なる一方、社員から見ればどちらも「移動にかかったお金」であり、境目は分かりにくいものです。判断を社員や担当者の頭から外して仕組みの側へ移した点に、人的ミスを減らす狙いが読み取れます。以前は別の経費精算システムで扱っていた近郊交通費まで、同じICカードの読み取りに載せたことで、社員が使い分ける入り口自体も減りました。
導入前に現場の個別事情を一件ずつ洗い出した進め方も見逃せません。自社バスが走る拠点、入退館データを取得できない拠点、健康増進のためにひと駅手前で降りる社員など、実績データだけでは割り切れないケースは全国の拠点ごとに存在します。人事労政本部に財務部門と情報システム部門が加わってタスクフォースを組み、提供元のMiletosも各部署の分科会に参加して、制度としてこうしたいという要望とシステム上の制約を突き合わせながら細部を詰めました。設定の自由度が高い仕組みほど、制度側の決めごとが曖昧なままでは運用が崩れます。制度そのものの再設計と運用ルールの具体化を並行させたことが、自由度を扱いきれる状態を作ったと見ています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
2024年に始まった本格運用は大きな混乱なく立ち上がりました。社員からは、ICカードを使って近郊交通費までワンストップで精算される点や、申請漏れをシステムが警告してくれる点についての反応が寄せられています。大きな制度変更だったにもかかわらず、社員からの問い合わせ件数は日を追うごとに大幅に減少しました。以前から要望のあったリモートワーク手当を統制の取れた形で支給できるようになり、通勤費・交通費・リモートワークの申請が一つのシステムに集約されたことで、担当部門の業務負荷も極小化されています。
うちでも使える?
応用の見込みが立ちやすいのは、支給の根拠になる記録がすでに電子的に残っている職場です。交通系ICカードの履歴、勤怠、入退館のように、本人が申告しなくても事実が積み上がるデータが揃っていれば、申請を前提にしない判定へ寄せる余地があります。逆に、自家用車や徒歩での通勤が中心で乗車履歴が残らない、直行直帰が多く入退館記録が取れない、といった条件では、突合する材料そのものが欠けます。この事例でも、入退館データを取得できない拠点や複雑な経路をたどる社員の扱いは、個別に検討して詰めています。
もう一つの前提は、制度側の決めごとが具体的であることです。どの出社状況ならいくら支給するのかが言葉のレベルで曖昧なままだと、自動判定は組めませんし、組んでも社員の納得を得られません。まずは直近1か月分の勤怠と交通系ICカードの履歴を並べ、現行のルールで支給額がどこまで機械的に決まるかを試算してみる。ここで手作業が残る箇所こそ、制度の言葉が足りていない部分です。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Miletos株式会社
経費精算AI「SAPPHIRE」(SAPPHIRE経費精算/SAPPHIRE通勤費)を提供する企業
TOPPANホールディングス株式会社
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