更新 2026.08.18
歯科医院が紙カルテを約1年で全面電子化、会計の9割がキャッシュレスに
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 紙の書類の保管場所が足りない
- 書類の準備や持ち運びに追われている
- 窓口の現金会計とレジ締めが負担
どのようなAIの取り組み?
クラウド型の予約・患者管理システムを使い、画像資料から紙のサブカルテ、窓口会計までを段階的にデジタル化した歯科医院の事例
業種
歯科医院(医療・ヘルスケア)
取り組み領域
受付・患者情報管理/窓口会計
使ったAI
クラウド型予約・患者管理システム「Apotool&Box」(AI電話受付は期待段階)
主な成果
紙のサブカルテを全面電子化し、会計の9割近くがキャッシュレスに
大阪市中央区の医療法人タニオ歯科クリニックは、インプラントや審美歯科、歯周病治療などに対応する歯科医院です。同院は以前使っていた予約システムから、株式会社ストランザが提供するクラウド型の予約・患者管理システム「Apotool&Box」へ切り替えました。使っているのは、画像・動画管理の「Medical Box」、デジタルサブカルテの「Medical Box Note」、キャッシュレス決済の「お会計さん」と「ささっとPay」です。レントゲン画像や口腔内写真はクラウドに集約され、患者の診察券アプリへ直接送れるようになりました。紙のサブカルテは万単位の冊数を約1年かけて電子化し、窓口の支払いもキャッシュレスへ寄せています。なお、AIについては電話の一次対応を担うサービスへの期待が語られている段階で、導入済みの取り組みではありません。
出典:医療法人 タニオ歯科クリニック - 歯科予約システム Apotool&Box(アポツール&ボックス) 発行元:株式会社ストランザ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
レントゲン画像や口腔内写真、治療計画の資料が別々のシステムに散らばり、そのうえ患者数の増加で紙のサブカルテの保管スペースが限界に近づいていました。翌日の予約分を前日に棚から出して並べ、フロアごとに仕分ける作業が毎日のルーティンになり、診療中も受付とチェアサイドの間をカルテファイルが行き来していた状況です。
編集部の見立てでは、この医院が抱えていた困りごとの本質は、書類の量そのものではなく、情報の置き場所が人の動きを一方的に決めてしまっていた点にあります。カルテが棚にあるかぎり、スタッフは棚まで歩き、患者は電話口で待たされ、院長は手元に資料がそろわないまま説明を始めることになる。情報を探す時間ではなく、情報の物理的な所在が診療の段取り全体を縛っていた、という構図ではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
電子化の順序を「翌日の診療で必ず使う分」から決めた進め方が、万単位のカルテを抱えた移行を現実的な作業に落とし込んでいます。約3ヶ月の短期アルバイトを迎え、直近で来院する患者のサブカルテを優先してスキャンし、翌日来院分を追いかける形で回したうえで、めどが立ってから過去分へ遡っていきました。全件を一度に片づけようとすれば終わりが見えず、日々の手応えも得られません。手間をかけた分がその日のうちに戻ってくる順序を選んだことが、期間の長い移行を途中で失速させなかった要因と考えられます。
撮影から患者の手元までを一本の線でつないだ設計も効いています。レントゲン機器と連携させて撮影画像がクラウドへ自動保存され、口腔内写真とあわせて書き込みを加えたうえで、診察券アプリを通じて患者へ届く。入口の機器側と出口の患者側の両端を押さえたため、人が画像を移し替えたり紙に出力したりする工程が途中に挟まりません。ホワイトニングの術前術後の資料を紙で渡す運用をPDF送付へ切り替えられたのも、この一続きの流れがあってこそです。
会計方式の判断軸を、決済手数料の率ではなく人と時間のコストに置いた点も見逃せません。受付スタッフを一人採用すれば月額25万円ほどかかるという自院の数字を基準に据え、現金会計に専任で人を張る前提そのものを問い直しています。さらに自費診療だけでなく保険診療にも適用範囲を広げ、窓口の運用を現金とキャッシュレスの二本立てにしない方向へ寄せました。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
カルテファイルの量が大幅に減って保管スペースの課題は解消し、受付とチェアサイドの間で持ち運ぶ手間もなくなりました。急患の電話でも手元のタブレットで過去の経緯を確認でき、待たせることへの心理的な負担が軽くなっています。患者への画像共有では、家族に相談したうえで治療に進むケースが増えたという院長の実感が語られています。会計面では9割近い患者が「ささっとPay」を利用し、レジ締めの計算ミスで遅くまで残る状況も解消されました。今後については、AIが電話の一次対応を担い、詳しい説明が必要な患者にだけスタッフが対応する役割分担への期待が示されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、紙の書類の所在が日々の段取りを決めている業務です。前日に書類を出して並べる、部屋の間で持ち運ぶ、問い合わせのたびに棚まで取りに行く。こうした動作が業務の骨格に組み込まれている職場ほど、電子化の効果は日常の動線に直結します。予約と窓口会計がセットで発生する業種であれば、決済側の見直しも同時に検討する余地があります。
一方で、過去資料の電子化そのものには相応の人手と期間がかかります。この医院では万単位の冊数に対して短期アルバイトを確保できましたが、そこまでの体制を組めない小規模な事業所では、日々の業務に作業を溶かし込む前提で計画を立てる必要があります。Web予約についても、対面や電話に比べてキャンセルの心理的な抑制が働きにくいという指摘があり、長時間の枠を扱う場合はルール整備が別途必要です。
まずは明日の予定分について、書類を探す・並べる・運ぶという動作が一日に何回発生しているかを数えてみてはいかがでしょうか。その回数が、電子化で戻ってくる時間の目安になります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ストランザ
歯科向けの予約・患者管理システム「Apotool&Box」を提供する企業。画像・動画管理「Medical Box」、デジタルサブカルテ「Medical Box Note」、キャッシュレス決済「お会計さん」「ささっとPay」、AI電話予約受付サービス「電話がらくだ」などの機能を展開している。
医療法人 タニオ歯科クリニック
出典・参考情報
医療法人 タニオ歯科クリニック - 歯科予約システム Apotool&Box(アポツール&ボックス)
発行元:株式会社ストランザ
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