実施 2024.10 ・ 更新 2026.08.18
固定客ほぼ100%の美容室がAIミラーを活用、常連客の意外な好みを引き出した方法
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 常連客の要望を深く聞けていない
- 「いつもと同じ」で提案が止まる
- 仕上がりの違いが客に伝わらない
どのようなAIの取り組み?
AI搭載のスマートミラーで常連客の好みを画像として可視化し、カウンセリングの深掘りにつなげたAI取り組み
業種
美容室(生活関連サービス)
取り組み領域
接客・カウンセリング/サロン施術
使ったAI
AI搭載スマートデバイスミラー「ECILA」
主な成果
常連客の意外な好みを把握し、提案の深掘りにつながった
高知県須崎市で約30年続く美容室Evolutionが、タカラベルモントのスマートデバイスミラー「ECILA」を2面あるセット面のうち1面に導入しました。ミラーには客ごとのデジタルコンテンツが映り、自宅でのカウンセリングや来店時に選んだスタイル画像は「ブックマーク」として一覧で溜まっていきます。施術後は付属カメラで横や後ろの仕上がりを客と一緒に確認しながら撮影し、写真はカルテに連携されるほか、お客様マイページにも自動的に反映されて客自身が履歴を振り返れる形になっています。導入したのはスタイリスト1名の地域密着サロンで、固定客比率がほぼ100%という環境で使われている点が、この事例の特徴です。
出典:AI搭載ミラーがベテラン美容師の相棒に!二人三脚で常連客にもっと寄り添えるサロンへ | タカラベルモント 発行元:タカラベルモント
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
この取り組みは、目に見える困りごとを解消するために始まったわけではありません。あらゆる場面でAIに触れる機会が増える中、サロンでもそれが当たり前になる未来を見据えて導入が決まっています。むしろ課題は、使い始めてから輪郭を現しました。キャリアを重ねるうちに自然と「自分の型」ができあがっていた、という気づきです。
長く通う客からは「いつもと同じ」というオーダーが増え、それは信頼の積み重ねとして肯定的に受け止められていました。編集部の見立てでは、ここに構造的な死角があります。関係が深いほど確認は省かれ、確認が省かれるほど、イメージを擦り合わせる機会は静かに減っていく。困りごとの本質は技術でも人手でもなく、「聞かなくても分かる」という前提が固定化していくことだったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
好みを言葉で聞き出すのではなく、画像を選んでもらう形に置き換えた設計が、この取り組みの軸になっています。ブックマークは、ホームカウンセリングや来店時に客自身が選んだスタイル画像を一覧で蓄積していく機能で、選ばれた複数枚を並べると、前髪をどうしたいかといった本人のこだわりが輪郭を持って浮かび上がってきます。説明を求めず「こちらの方が良い」という選択だけを求める形式は、要望を口に出しにくい相手からも情報が集まる点で、付き合いが長い相手ほど効き目が出やすい設計といえます。
仕上がりを客と一緒に撮影して残す運用も、単なる記録以上の働きをしています。合わせ鏡ではさらっと見て終わりがちな横や後ろの仕上がりを、ミラーに映して本人が客観的に確かめられるようにし、付属カメラで撮った写真は自動で保存される。比較の基準を担当者の記憶ではなく画像として持たせたことが、わずかな色味の違いのように説明の難しい変化を扱えるようにしたと考えられます。
記録をサロンの中に閉じ込めなかった点も見逃せません。撮影した写真はカルテに連携されると同時に、お客様マイページにも自動で反映され、客自身が過去のスタイルを振り返り、次のスタイルを考える材料にできます。動画のダウンロードまで開放する設計は、記録の持ち主を店から客へ広げるという判断であり、退店後の時間までを接点として使える構造をつくっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
30年来の常連がブックマークで選んだスタイルが予想外だったことから、改めてイメージを擦り合わせる場が生まれています。カラーの色味をこだわって変えても当日だけでは違いが分かりにくかったところ、過去の記録と並べることで変化がはっきり見え、来店ごとの変化を楽しんでもらえる状態になりました。子どもの仕上がりを正面から動画で撮影する使い方も生まれ、成長記録として保護者に喜ばれています。オーナーは、ECILAを新鮮な気づきをくれる相棒と表現しています。
うちでも使える?
応用が効きやすいのは、同じ客と何度も向き合い、提供した結果が見た目に現れる仕事です。美容以外でも、エステや整体、リフォームの相談など、施術前後の状態を画像で比べられる業種であれば、選択肢を並べて選んでもらう進め方と、結果を記録して次回に持ち越す進め方は、そのまま置き換えられます。
一方で、来店頻度が低く一見客が中心の業態や、担当者が毎回入れ替わる体制では、履歴が積み上がらないため効果は出にくくなります。撮影と確認の手間を施術の流れに組み込めるかどうかも分かれ目で、忙しさの中で「余計な一工程」になると運用は続きません。まず試すなら、次の来店時に前回の仕上がり写真を一枚見せて、今日の仕上がりと並べてみるところから。専用の機器がなくても、その一枚が会話を変えるかどうかは確かめられます。
この事例は2024年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:顧客対応・サポート
活用したデータ:画像・動画・3D
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:画像AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
タカラベルモント
美容サロン向けの機器・製品を提供する企業。サロン専売のスマートデバイスミラー「ECILA」を提供し、サロン事例を自社サイトで公開している。
Evolution
出典・参考情報
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