実施 2026.04 ・ 更新 2026.08.20
渋谷スクランブルスクエアの警備にAI映像解析、月約100時間の巡回削減
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- カメラは多いのに見きれない
- 巡回に人手を取られている
- 対応の質が担当者で変わる
どのようなAIの取り組み?
既存の防犯カメラ映像をAIが常時解析し、重点巡回エリアの巡回時間を月間約100時間削減した大規模複合施設の警備の取り組み
業種
施設警備(生活関連サービス)
取り組み領域
大規模複合施設の警備・モニタリング
使ったAI
AI Security asilla(行動認識AI・映像解析)
主な成果
巡回時間を月間約100時間削減
渋谷駅直結の大規模複合施設「渋谷スクランブルスクエア」で常駐警備を担う東急セキュリティが、アジラの提供するAI警備システム「AI Security asilla」を警備業務に組み込みました。施設内に設置された650台のカメラのうち、人通りが多く重点的な巡回対象となっていた50台をAIと連携させ、転倒や体調不良といった異変に加え、禁止エリアでのスケートボードのような迷惑行為も映像から検知する体制を整えています。検知した内容は、東急セキュリティが展開する警備オペレーションサービス「TS-Zero®」を通じて警備員の現場対応につながる形で扱われます。実証実験を経たうえで、2026年4月に正式運用が始まりました。
出典:【事例公開】東急セキュリティ、「渋谷スクランブルスクエア」の警備に「AI Security asilla」を活用し月間約100時間の巡回削減を実現 発行元:株式会社アジラ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
650台という数のカメラが設置されていながら、そのすべてを人の目で追い続けることは難しく、限られた人員のままモニタリング業務の効率化と警備品質の向上を同時に成り立たせる仕組みが求められていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質はカメラの台数ではなく、「異変に気づく」という作業が人の集中力と経験に丸ごと依存していた点にあります。モニターに向かう時間をいくら積み増しても、一人が気づける量には上限がありますし、誰が見ているかによって気づきの精度も揺れます。不足していたのは監視の目そのものというより、気づきを一定の水準で途切れさせずに供給し続ける仕組みだったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
650台すべてではなく、人通りが多く重点的な巡回対象だったエリアの50台に絞ってAIと連携させた設計が、まず効いていると考えられます。カメラの数だけ検知範囲を広げれば、アラートは増えても現場が動ける量を超えてしまう。巡回という具体的な業務が張り付いている場所を選んで対象にしたことで、AIが出す信号がそのまま人の動きの節約に結びつく構造になっています。
役割を「気づき」と「判断・対応」で切り分けた点も、実運用を成り立たせた要因でしょう。AI Security asillaは映像から異常行動や注意行動を捉えてアラートを上げるところまでを担い、その先の映像確認と現場対応は警備員が引き受けます。東急セキュリティはこれをTS-Zero®という警備オペレーションサービスとして、AI検知と現場対応が一体で回る形にまとめました。AIを監視モニターの脇に置くのではなく、警備の手順そのものへ組み込んだことが、単なるツール導入との分かれ目です。
既設のカメラ映像をそのまま解析する構成を選んだことは、導入の入口を下げる判断として見逃せません。カメラの入れ替えや新規敷設を前提にすると、検討は設備投資の話から始まってしまい、警備の現場が試す前に止まりがちです。実証実験を挟んでから正式運用へ移した進め方も、検知の精度や現場の段取りに合うかどうかを、後戻りできる段階で確かめるための順序と読めます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
正式運用の開始後、重点巡回エリアをAIが常時カバーすることで、1日あたり約3時間、月間約100時間の巡回時間が削減され、警備員の身体的負担の軽減にもつながっています。異変をAIが検知した時点でアラートが上がるため、映像確認から現場対応までの流れが速くなり、禁止エリアでのスケートボードや夜間の寝込みといった迷惑行為にもリアルタイムで対応できるようになりました。気づきの部分をAIが担うことで、担当者個人のスキルや経験に左右されず同じ水準の対応ができる点も、効果として挙がっています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、防犯カメラがすでに十分な数だけ入っていて、見つけたい事象が映像から判別できる形をとっている現場です。転倒や滞留のように、映っていれば人でも判断できる異変であれば、気づきの部分をAIに預ける余地があります。加えて、アラートを受け取ったあとに実際に動ける人がその場にいることも条件になります。検知だけが増えて対応が追いつかなければ、通知の山が新しい負担へ変わってしまうためです。
逆に、判断材料がカメラに映らない場合、たとえば会話の内容や手元の感触から異常を見極めるような業務には、この形は当てはまりません。何を異常とみなすかが担当者ごとに揺れている段階でも、検知の設計が定まらず、期待した結果になりにくいでしょう。まず試すなら、日々の巡回ルートを一区間だけ取り出し、その区間で自分の目が確かめている事柄が既存のカメラ映像に映り込んでいるかどうかを突き合わせてみる。そこが判断の入口になります。
この事例は2026年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:画像・動画・3D
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:画像AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社アジラ
行動認識AIをベースとした各種プロダクト・ソリューションの開発・提供を行うスタートアップ企業。既存の防犯カメラ映像を解析するAI警備システム「AI Security asilla」を提供している。
東急セキュリティ株式会社
出典・参考情報
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