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  5. 陸上自衛隊の駐屯地警備をAIカメラとドローンで省人化、KDDIとセコムの構築案件|防衛省(陸上自衛隊)の導入事例

✓ やさしく事例解説
公共・公益事業
防衛・官公庁(陸上自衛隊駐屯地の警備業務)

実施 2026.02 ・ 更新 2026.08.25

陸上自衛隊の駐屯地警備をAIカメラとドローンで省人化、KDDIとセコムの構築案件

コンサル(導入支援・AI戦略支援)
開発(実装支援・AI搭載支援)

※イメージ画像です

陸上自衛隊の駐屯地警備をAIカメラとドローンで省人化、KDDIとセコムの構築案件 のプロジェクト概要図解

取り組み概要

やさしく事例解説

プロジェクト解析

実施・導入企業

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 広い敷地の見回りに人手が取られる
  • 24時間の監視を交代で回すのがきつい
  • 夜間の巡回を人に任せるのが不安
OVERVIEW

どのようなAIの取り組み?

AIカメラと無人地上車両、AIドローンを連携させ、陸上自衛隊駐屯地の警備・巡察の省人化を目指すシステムの構築に取り組んだ事例

業種

防衛・自衛隊駐屯地(公共・公益事業)

取り組み領域

駐屯地の警備・監視/巡察業務

使ったAI

AIカメラ、視覚言語モデルVLM、AIドローン・無人地上車両UGV

主な成果

全国展開時に1日あたり約1,000人分の省人化を目指す(防衛省の目標)

陸上自衛隊の駐屯地警備をAIカメラとドローンで省人化、KDDIとセコムの構築案件 のプロジェクト概要図解

KDDIとセコムが、陸上自衛隊の駐屯地を対象としたリモート警備システムの構築を防衛省から受託しました。2025年10月28日にKDDIが委託先として選ばれ、両社が共同で進める案件です。システムは用途によって二つに分かれます。一つは固定型のAIカメラと各種センサーに、映像を束ねて管理するVMS(映像管理システム)と視覚言語モデルVLMの基盤を組み合わせ、不審者の侵入を24時間365日体制で自動検知するもの。もう一つは無人地上車両UGVとAIドローンを使い、隊員が日々歩いて回っていた広大な敷地の巡察を代替・効率化するものです。これらをセキュアなネットワーク基盤でつなぎ、警護所からのリモート監視と指令所との情報連携を支えます。今後は実証運用で有効性を検証したうえで、全国の駐屯地への展開を目指す段階にあります。

出典:報道資料 2025年度版 - 2月26日 - セキュリティ(防犯・警備)のセコム 発行元:KDDI株式会社/セコム株式会社

EASY GUIDE

やさしく事例解説

何に困って、AIを入れたのか

労働力人口が減るなかで、広い敷地を絶え間なく監視し、巡察して回る警備業務の人的負担が、駐屯地では喫緊の課題になっていました。防衛省は最先端技術を使った警備システムによって、将来的に全国の駐屯地などで1日あたり約1,000人分の省人化を行うことを目指しています。

編集部の見立てでは、この困りごとの本質は人員数の不足そのものより、業務の形のほうにあります。監視も巡察も、何も起きない時間帯が大半を占め、それでも人を張り付けておかなければ成り立たない。異常がない時間にこそ人手を消費し続ける構造が、負担の正体だったのではないでしょうか。しかも夜間や悪天候の巡回まで人が担う以上、単純に人を減らせば安全側にしわ寄せがいく。人手と安全のどちらかを諦めるしかない状態に置かれていた点が、この課題の厄介さだったと考えられます。

どうやって、うまくいったのか

目的と用途に応じて二種類のシステムを立てた切り分けが、この構築計画の骨格です。定点で見張る侵入監視は固定型のAIカメラとセンサー、VMS、VLM基盤に任せ、敷地内を移動しながら見て回る巡察はUGVとAIドローンが受け持ちます。動かない監視と動く監視では、必要な機器も判断の性質も異なるため、ひとつの仕組みに詰め込むより、業務の性格ごとに手段を割り当てたほうが現場の運用は組みやすくなります。

もう一つ注目したいのは、視覚言語モデルVLM(映像に写っているものを言葉の意味として捉えるAI)を汎用のまま使わず、侵入検知用にファインチューニング(用途に合わせた追加学習)している点です。カメラ監視で省人化が崩れる典型は、検知の精度が足りず、結局は人がすべての通知を目視で確かめ直す状態に戻ってしまうことにあります。用途を侵入検知に絞って学習させるという作り方は、通知そのものを人が扱える水準に近づけ、監視業務の負荷低減という当初の狙いを守るための設計だと読み取れます。

一社で抱え込まず、得意分野を持ち寄って役割を分けた体制も、この案件の性格をよく表しています。KDDIが全体設計・開発とプロジェクト管理、セキュアなネットワーク基盤の構築を担い、セコムがAIカメラやVMSを含む監視システムの構築と、警備でのロボット・ドローン活用の知見を提供。さらにティアフォーが自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」をベースにしたUGVの自律走行技術、KDDIスマートドローンがドローンによる巡察・駆け付けと人物・車両の検知追跡、KDDI総合研究所が侵入検知のVLM基盤、KDDIエンジニアリングが施工支援を受け持ちます。個々の機器を並べるだけで終わらせず、警備システム全体をセキュアなネットワークで統合運用する構成にした点は、警護所と指令所のあいだで状況共有と対処指示を素早く往復させるための土台にあたります。

具体的に、どんな成果が出たのか

改善・向上したこと

人手不足の解消
業務の自動化
品質・安全性向上

推進したこと

AI基盤・インフラ構築
要件定義・プロジェクト管理支援

この事例で出た成果

本案件は構築を受託した段階であり、有効性の検証はこれから始まる実証運用のなかで行われます。そのため、確定した削減実績はまだ示されていません。防衛省は最先端技術を活用した警備システムによって、将来的に全国の駐屯地などで1日あたり約1,000人分の省人化を行うことを目指しており、本システムはその目標に向けた具体策という位置づけです。狙いとして掲げられているのは、現地の省人化と隊員の安全確保、そして警備業務における情報連携の強化と対処指示の迅速化になります。

うちでも使える?

広い敷地を長時間見張らなければならない事業所、たとえば大規模な工場や物流拠点、資材置き場などであれば、考え方そのものは応用できる余地があります。定点監視と移動する巡回を分けて考え、前者はカメラとセンサー、後者は走行や飛行する機器に寄せるという整理は、規模が小さくても成り立つ発想です。

一方で、そのまま真似しにくい条件もはっきりしています。この事例は敷地内に機器を設置する施工や、映像をやり取りできる通信環境、ロボットが走れる路面やドローンを飛ばせる空域が前提になっており、そこが確保できない場所では絵に描いた餅になります。検知したい事象を明確に定義できるかどうかも分かれ目で、「なんとなく怪しい人」を判断させようとすると、通知が増えて人の確認作業が戻ってきます。

小さく試すなら、既存の防犯カメラ映像を1週間ぶん見返し、実際に人が反応した出来事だけを拾い出してみてはどうでしょうか。何を検知させたいのかが具体的な形で言えるようになれば、AIに任せる範囲と人が残る範囲の線引きが見えてきます。

この事例は2026年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。

ANALYSIS

プロジェクト解析

プロジェクト内容

AI導入・支援形態

AIシステム受託開発

導入部門・データ活用

導入部門:全社共通・汎用業務

AIによる定型業務の自動化
警備・巡察業務

活用したデータ:画像・動画・3D

監視カメラ・防犯映像
ドローン・空撮映像
設備稼働ログ・機械センサー

採用したAI技術・ツール

採用したAI技術:画像AI

防犯・不審者検知
視覚言語モデル(VLM)
監視・異常行動検知
ファインチューニング(特定の業務向けにAIを再学習)

AIモデル・ツール

Autoware

連携ツール

連携したシステム・外部サービス

エッジデバイス・IoT機器
セキュアネットワーク基盤
COMPANIES

プロジェクト実施・導入企業

実施・支援企業 (VENDOR)

KDDI株式会社

東京都港区
東京都港区

通信事業者。本案件ではプロジェクト全体統括、システム全体の設計・開発・プロジェクト管理、セキュアなネットワーク基盤の構築を担当し、セコム株式会社(本社:東京都渋谷区)と共同で陸上自衛隊向けリモート警備システムを構築する。ティアフォー、KDDIスマートドローン、KDDI総合研究所、KDDIエンジニアリングが連携企業として参画。

この取り組みに関心があれば KDDI株式会社の公式情報をご覧ください

導入先企業 (CLIENT)
防衛省(陸上自衛隊)
業種:防衛・官公庁(陸上自衛隊駐屯地の警備業務)

出典・参考情報

※本事例は以下の公開情報を元にWarpBiz編集部がリサーチ・作成しました。

報道資料 2025年度版 - 2月26日 - セキュリティ(防犯・警備)のセコム

発行元:KDDI株式会社/セコム株式会社

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